F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第1回:バーレーンへの移動

 今シーズンから、こちらでコラムを書かせていただくことになりました。F1の現場から、各グランプリへの旅とレースのことを僕なりの視点で書いていきたいと思います。

 まずは、成田空港の様子。

 去年よりはお客さんの数も明らかに増えていますが、国際線の便数は通常より随分減っているままなので寂しい感じはそのままです。

 でも、昨年までとの大きな違いがあります。

 今回のバーレーンまでの旅は、エミレーツ航空でドバイ経由という旅程です。まず、飛行機に乗るためのPCR検査が必要なし! カウンターでの体温測定などもなし……。そんなことあるのという変貌ぶりです。

 向かう国によって対応はさまざまなのですが、バーレーンに関してはなし!

 事前のPCR検査というのは、手間もお金もかかるのでなしというのは助かるんだけど、ちょっと怖い気もします。

プリンがどうした?

 成田空港のレストランなどは、ほとんど休業しています。しかも夜になるとコンビニしかなくて、おにぎりとプリンを買って搭乗ゲート付近で食べようかと思って買ったんですが、なんと、プリンはセキュリティーゲート以降は持ち込みならず……。廃棄するか、その場で食べるかどちらかにしてくださいとのこと。

 飲み物はダメなのは知ってはいたんですが、プリンもダメだそうです……。プリンはその場で廃棄となりました……。残念無念……。皆さまもお気をつけてくださいね……。

ドバイまでの機内。50%くらいの搭乗率かな

 ドバイには早朝4時30分くらいに着。次のバーレーン便まで約9時間待ちです。

 ラウンジには入れず、トランジットホテルがあったので値段を聞きに行ったら、12時間利用で3万5000円とか言われて撃沈……。

 パソコン作業ができるように、コンセントがあるレストランを探しまくって、やっと落ち着いたところの写真。尾張さんがビールを買ってきたんだけど、飲まないのでどうしたのか聞いてみたら、バーレーンに行くと買えないので持って行くんだそうです。

 僕は、お酒が世の中からなくなっても全く困らないので、その気持ちがよく分かりませんが……。そういうものなんですね。

 尾張さんが、ピザを注文していたんですが、待てど暮らせど運ばれて来ないのでお店の人に言ったんですけど、それでも来ないまま1時間。搭乗時間が来てしまって、オーダーキャンセルをしに行っている場面です……。こんなこと、なかなかないですよね。

 思えば、この時から始まっていたのかもです。

 この後、搭乗ゲートで尾張さんだけ、なぜか止められてしまってゲートになかなか入れないとかあり……。

 バーレーンの空港に到着して、僕のカメラ機材の税関の手続きで時間がかかっているときでも、パソコンを取り出し仕事しているのが尾張さんスタイルであります。

 バーレーンでは、飛行機を降りたところで、関係者の入国を助けていただく人がいて助かります。今回も、彼女にだいぶ助けてもらいました。ありがたいですね。

バーレーンのインターナショナルターミナルは、去年から新しくなりました

 日本出国時にPCR検査が必要なくなり、バーレーン入国時も全く必要なし。税関の審査を除けば、通常時に戻りました。2020年、2021年に来たときは、全員PCR検査対象で、その結果が出るまではホテルの部屋に待機しなければならず、そのやりとりのために、携帯のアプリを入れて登録作業に四苦八苦したのが嘘みたいです。

 日本入国は、まだまだ手続きが大変ですが、バーレーンのように、通常時に戻った国が今後増えていくんでしょう。

 新型コロナに関しては、強烈な悪玉変異株が出てこないことを願うのみですが、新型コロナがなくなったわけではないし、現実に今回、ベッテル選手が感染してしまい開幕戦欠場になってしまいました。

 サーキット内では、外に出たらマスク着用の制限はなくなりました。室内は必要なんですが、プレスルーム内の半数は、マスクしてません。なんだか、正直怖いですね。

 今回のレンタカーは日産サニー。日本では売っているのかな?? 6日間レンタルで3万5000円くらい。

係の人がギズチェックをしているところです

 レンタカーは国によって値段が随分変わりますし、季節でも変わります。世界中で新型コロナの流行がおさまりつつあるので、旅に出る人が多くなると需要が多くなる、ずっと儲けがなかったのでここぞとばかりレンタル料金を上げているというのが、今の世の中の流れですね。昨年の1.5倍にはなっている感じです。困るなあ……。

 ほぼ新車のこのクルマの乗り心地は、まあ、普通です。

 空港から市内に向かう途中。

 すごい風。砂嵐!!

 こちらの方々の運転はものすごく自分勝手。右折左折、進路変更ではウインカーはほとんど出さないし、自信過剰な若者運転多し。なのに、砂嵐状態だとハザードを出して徐行。

 ホテルに着いて、晩御飯はケバブ屋さんでテイクアウト。ミックスグリルとコーラで900円くらい。おいしかった。

ホテルの朝ごはん会場からの景色

 朝ごはん。アメリカンブレックファースト。いろいろ豪華そうなんだけど、全部、少しずつおいしくない。まあ、致し方なし。

 そして、シーズン初めの大事な行事のプレスパスを受け取るという作業なんですが、強風が続く中に立つメディア受付センターには、9時30分くらいに到着。中に入って受付してみたら、僕と尾張さんのパスが用意されてなくて2時間くらい待って僕のパスが届きます。

 そこから、尾張さんのパスが全く届かないんですよ……。パスがないとサーキットに入れないですからね。ひたすら待ち。

 途中、お腹がすいたのでマックでランチを買ってクルマの中で食べました。マックロイアルってやつ、ポテトとのセットで600円くらい。日本のポテトの方が断然おいしいと思うな!

今年のパス

 尾張さんのパスが届いたのは、5時間後でした。なんでやねん?

 めでたく、サーキットの中へ。

 F2参戦中の佐藤選手のヘルメット。つや消しでカッコいい。

 今年のチームはトップチームです。テストでも上位にきていたし、本人も今年はサーキットに来るのがすごく楽しいといい笑顔でした。前半戦で結果を出して、F1へのステップアップの道筋を立てていきたいですよね!

 今年から、プレス関係者の入れる場所も通常に近くなってきました。普通のありがたさを感じます。

 ガスリー選手と後ろに角田選手。この2人の戦いに僕は注目しています。

 初の中国人レギュラードライバーの、周冠宇選手。初というのは、注目されます。中国GPが開催されるのはいつになるんでしょうね。

 ロシアもね??

 ウクライナとロシアの戦争。戦争が長期化すればするほど、多方面でいろいろと問題が出てきます。一刻も早い、終わりに期待したいです。

 山本さん。今年はモナコ、イギリス、オーストリア、アブダビの5レースに参加予定だそうですが、もっと来るかもというお話でした。いや~、やっぱりF1はいいね!

 レッドブルの雰囲気はすごくいいそうです。楽しみです。

 ホンダは表舞台にはいませんが、走っているのは日本でホンダが作ったPUには違いありません。僕は、応援をしたいです。

 新型コロナと戦争があっても、開幕します今年のF1。新しいF1になって勢力図も変わるでしょう。走行が楽しみですね。

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。