F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第131回:メルセデスのラッセル選手がオーストリアGPを制し今季2勝目! 新旧F1マシンにモタスポ業界で活躍する日本人たちの姿もたっぷりお届けします

 オーストリアGP。レッドブルリンクは暑かった!

 優勝は、メルセデスのジョージ・ラッセル選手。

 ポールtoフィニッシュ。今期2度目の優勝。

 アントネッリ選手に勝てないというレースが続いていました。先輩として納得のいかない状況を打破できたというのは、ラッセル選手にとってよかったのではないでしょうか。

「今年は俺の番だ」と始まった今シーズン。まさかのアントネッリ選手の連勝で苦しい立場にいたわけですから、ほっとしたのではないでしょうか。

 レース序盤、アントネッリ選手とフェルスタッペン選手。昨年、ここでアントネッリ選手がフェルスタッペン選手にぶつけてしまってリタイアしたんですよね。

 今回のアントネッリ選手は予選でもうまくいかず、噛み合わないレースでした。それでも3位に入れたのは、長いシーズンを見ればよかったのではないでしょうか。

 この写真は木曜日に、知り合いのテレビの人から携帯を渡されて、その人の知り合いの人に向かってオンラインで話しているところ。

 例えば、FP1が終わったときに、ガレージ裏にはたくさんの出待ちのファンがいます。みんなサインや写真を一緒に撮りたいわけです。ラッセル選手はヘルメットをかぶったまま(誰かのマネか?)スタスタとサインせずに進みます。でもアントネッリ選手は笑顔で何人ものファンとサインをしたり写真を撮ったりしていました。セッション直後だからブリーフィングもあるし、汗だくだし、忙しいと思うんですけどね。

 そんな様子を見ることを積み重ねると、応援したくなってくるものですよね。

 2位にはフェルスタッペン選手。嬉しそうな表情が多い表彰台でした。

 レッドブルリンクでは圧倒的な強さをこれまで築いてきたので、ここでミラクルを起こしてくれるのではないかと個人的に期待していました。

 予選中、アタックラップにマシントラブルでクラッシュしてしまいました。場所は、みなさんがよく画像で見ている、バックショットで赤白のオーストリア国旗が撮れる最終コーナーの1つ前のコーナー。

 僕もそこにいて、ファインダーを気合い入れて覗いていたら、大きなスキール音がして目の前を白煙を上げながらすごいスピードで横切っていくマシン。

 フェルスタッペン選手でした。ケガがなくてよかった。

 今回、レッドブルのマシンに大幅なアップデートが入りました。そのせいなのか、FP1で2度もピットアウトしてすぐに止まってしまって、ガレージに戻されていました。

 同じFP1のセッション中、アジャー選手のマシンも整備中。レッドブルでもアタフタしている様子、走り出せないという状況は、厳しいのかなという雰囲気でした。

 それでも、レースで2位になれたのは、フェルスタッペン選手の実力とレッドブルというチームのリカバリー力なんでしょうね。

 アジャー選手も6位入賞でした。

 フェルスタッペン選手とハミルトン選手。いいバトルでした。

 FP1で2人の日本人ドライバーが走行しました。

 ハースで今年初めての走行となった平川選手。

 ハースといえば、来季のドライバーラインアップが気になりますよね。ハミルトン選手が好調なので、来季もフェラーリの2人は継続ということになれば、普通に考えてベアマン選手はハースに残る。オコン選手のシートをどうするか。

 先日ヘレスTPCテストしたフォルナローリ選手、フェラーリの育成ドライバーで現在F2ランキング3位のカマラ選手の2人はすごく輝いて見えています。でも僕は平川選手にハースのシートをつかんでほしいと思っています。

 ハースのレースシートの選考基準は、その実力次第ということ。例えば、今、GRの文字が大きくマシンにありますけれど、トヨタのドライバーだからといってそのシートが得られるというわけではないのです。

 でも、僕は日本人ですからね。日本のドライバーが乗ってほしいと思うんです。実力を評価してもらって、乗ってほしい!

 もう1人、FP1で乗ったのが岩佐選手。SFでチャンピオンを取り、先週レッドブルに乗って、今週RBに乗るという人気者。

 ホンダという後ろ盾がない状況で、こうして貴重なFP1に乗れるという評価を得ているのは素晴らしいことです。本人も、FP1ばかりでなく次のステップを考えたいんですけどね、と言ってましたが、まさにその通り。

 でも、近いポジションにいることでチャンスをつかむきっかけが増えるわけですからね。どうか、神様、仏様!

 昨年、圧倒的なスピードを誇ったマクラーレン。今年はトップチームの中には、いる。という状況。

 ピアストリ選手が4位、ノリス選手が7位。

 ハースは今回も噛み合わず、ノーポイント。マシンセットアップ改善は急務です。

 次戦のシルバーストーンに期待です!

 車体のアップデートがハンガリー。ホンダPUのアップデートが夏ごろ。

 他チームがアップデートをしていく中で、アストンマーティンだけそのまま。ですから、コースで見た感じ、コーナーでも立ち上がりでもその遅さが際立ってきています。

 致し方ないですよね。アロンソ選手の前向きな発言が、なんとも……。

 モナコ、スペイン、オーストリアとず~っと晴れっぱなし! 今回も日曜日は特に暑かった。

 排気管エンドの工夫をどうぞ!

 メルセデス。

 レッドブル。

 ウイリアムズ。

 RB。

 アストンマーティン。

 ハース。

 アウディ。

 アルピーヌ。

 キャデラック。

 マクラーレンだけない……すみません。

 F3土曜日のレースで中村仁選手が3位表彰台獲得でした!

 徐々にペースをつかんできていると思います。日曜日レースは5位。ランキング12位。

 山越陽悠選手はポールポジション獲得。結果を出し続けることが大切です。元イギリスF3チャンピオンの佐藤琢磨校長も嬉しそうです。

 日曜日レース。ポールポジションからスタートした山越選手は8位でゴール。ニュータイヤの手持ちがなくて下がってしまいました。ランキング8位。

 琢磨さんはもちろん加藤大翔選手のアシストで来ているのですが、パドックでの人気もさすがであります!

 加藤選手。予選7位。レース6位。ランキング9位。りー海夏澄選手を含めて、今年のF3日本人ドライバーはみんな頑張っています。

 中嶋さんは中村選手、佐藤さんは加藤選手のアドバイザー。

 なんと恵まれた体制で戦えているんでしょう。今後が楽しみです!

 バリチェロさんとバリチェロ選手。似ている。

 今回も古いF1のデモランがありました。

 アレジさんはブラバムのBT46B、1978年のマシン。土曜日は走れず、日曜日も1周もできていなかったようですけど、走っているところを撮れてよかった。

 このマシン、1戦しか出てなくて、1勝したという伝説のマシン。気になったら調べてみてください。

 マルティニさんは自分の所有しているティレル・P34。1976年。

 パオロ・バリラさんのドライブでP34B、1977年。

 フェラーリ・312T。マティアス・ラウダさん。1975年。

 ロータス・88。1981年。カール・ベンドリンガーさん。

 ブラバム・BT52。1983年。クリスチャン・ダナーさん。

 フェラーリ・F2002。ルーベンス・バリチェロさん。一番元気に走っていました。いい音でした。やっぱり、F1はこうでなくっちゃ!

 いつものメディアセンターで飲み放題のレッドブル各種。僕は2回、眠くて仕方なく、お世話になりました。ありがとうございます。

 木曜日のランチはハースでごちそうになりました。ペペロンチーノ最高!

 今回のレンタカーはフォルクスワーゲン・T-ROC。Rって書いてあるんだけど、エンジンとかブレーキとか普通だったのでR仕様ってやつかな?

 シフトチェンジが最初戸惑ってしまった。ここにある必要あるのかな?? でも、普通にいい車でした。

 連戦で面倒なことNo.1は洗濯。

 汗だくの衣類は、レース後の月曜日の朝、宿のおばちゃんにお願いして洗濯機を借りました。大変助かります。

 手で洗うのは、本当に時間もかかって大変ですからね。

 カップ麺がおいしすぎる!

 オートバイレースの最高峰クラスのMotoGPで、アプリリアに乗る小椋藍選手がオランダGPアッセンで優勝しました! 最高峰クラスで日本人の優勝は22年ぶりということです。

 僕のプロカメラマンとしてのキャリアはオートバイのカメラマンからです。

 WGPと言われていた世界選手権で1984年~1991年まで撮影をしていました。2サイクルのバイクレースの絶頂期でもありました。今でも日本にいるときにはテレビ観戦しています。もちろん大好きです。

 オートバイレースの最高峰クラスで日本人ライダーが優勝したのは小椋選手で7人目となります。

 金谷秀夫選手1勝、片山敬済選手1勝、阿部典史選手3勝、岡田忠之選手4勝、玉田誠選手2勝、宇川徹選手1勝、という感じ。

 今回の小椋選手は初めて日本メーカー以外のマシンで優勝しました。素晴らしいではありませんか! 本当に快挙だと思います。

 ホンダ育成を飛び出して、自らの腕でアプリリアのシートを手にして、努力を惜しまずトレーニングに明け暮れて、勝利を手に入れました。

 来季からはヤマハのワークスチームに移籍します。

 現在のヤマハのバイクは速くありません。それなのになぜヤマハを選んだのかわかりませんが、双方の考えが一致したからに違いありません。来季以降も気になるのですが、今期も残りのレースが楽しみで仕方ありません。

 ご存じのように、4輪の最高峰F1で優勝した日本人はまだいません。2位もいません。オートバイにできて、なぜ4輪では勝てないのか? 不思議ですね。本当に不思議です。

 F1で優勝するためには、いいマシンといいドライバーが必要です。もちろんオートバイも同じ。これまで日本人の才能のあるドライバーは数多くF1に挑戦しました。しかし、3位が3人だけです。

 勝つまでの才能があるドライバーがいなかったのか? 巡り合わせで、勝てるチームに在籍できなかっただけなのか?

 日本人ドライバーの優勝の瞬間を撮りたいというのは、僕の大きなモチベーションの1つです。

 今年不在である日本人ドライバーの状況が、なんとかならないものかと思います。今現在で可能性があるのは、平川選手、角田選手、岩佐選手となりますよね。もちろん来季に向けて、3人とも強力に交渉はしていると思います。とにかく、まず、F1のシートを得なければ優勝の可能性もないですからね。

 F1は面白いです。MotoGPもすごく面白いので、もしよかったらぜひ見てみてください。年に1度、もてぎで開催していますので、見に行ってください。

 昔から、F1は人気があってオートバイは人気が今ひとつだと言われています。小椋選手の優勝の報道が少ないというSNSもちらほら見ます。

 でも、気付いたんです。今、世界中で盛り上がっているサッカーのワールドカップ。僕、マイノリティであるという認識はありつつ、ほとんど興味がないんですね。ブラジルに負けたのは知っている程度です。

 たまたまTVでやっていれば見ますけど、わざわざそのために時間を作ってみようとは思わない。レースに興味を持ってもらうためには、地道な長い時間が必要なのかもしれません。伝える立場の質も求められますよね。

 オーストリアは毎回自然豊かでいいです。今回、オーストリアから移動で疲れてしまってアップが遅くなってしまいました。すみません。

 今週はシルバーストーンです。楽しみですね!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。