日下部保雄の悠悠閑閑

PROSPEC Driving Park

今回も和気あいあいとした雰囲気で「YOKOHAMA&PROSPEC Autumn Driving Park 2018」を開催できた

 すでに報告しているように、10月28日の日曜日、無事「YOKOHAMA&PROSPEC Autumn Driving Park 2018」が終了した。

 Driving Parkは、これまでボクのドライビング人生を通じて得たことを少しでも伝えることができればとスタートしたもので、その主旨に横浜ゴムが賛同してくれた結果、これまで長い間、成り立ってきた。

 そして、いつも頭を悩ませるのがコース。冬は女神湖で固定されてきているが、夏のコースは逆に難しい。クルマを走らせるとなるとかなり広い面積が必要になり、場所が限られてしまう。今回は本格的なサーキット、袖ヶ浦フォレストレースウェイの協力もあって、借り切って贅沢に行なえた。

 いつものスタイルで、インストラクターは参加者3名に対して1名程度でケアすることになるため、今回はボクを含めて主旨を理解した6名のインストラクターで迎えることになった。ベテランのインストラクターばかりなので、プログラムの概略を伝えれば、おのおのすぐに動いてくれるので大助かりだ。

 内容についてはCar Watchの深田記者が詳しくレポートしてくれているので、ご興味のある方はそちらをぜひ読んでいただきたい。こちらは主宰者側から見たDriving Parkについて思ったことをつらつらと書いてみたい。

Driving Parkではグループ分けをしてプログラムを行なった。写真はグループ分けした一部のクルマ

 Driving Parkの目的はレーシングテクニックのような速く走る運転ではなく、上手に滑らかに走るための運転。参加者にはわれわれの主旨に賛同してくれたリピーターも多い。

 まず朝一でそのことを伝えながら、今日のプログラムを簡単に伝える。摩擦円の考え方やタイヤのコーナリングフォースなどを示して、できるだけ分かりやすく説明したつもりだったが、手元資料を用意したほうがさらに実際のプログラムで理解しやすかったかもしれない。

 今回のプログラムのお題はコーナリング。特にコーナリングラインの大切さを理解してもらって、コーナリングの全体像を掴めればというテーマである。

 ボクがレースを始めた頃、ハイスピードのロングコーナーを走った時、何本かあるコーナリングラインの中の、あるクリッピングポイントを見つけてそこに乗せたラインを走った時、クルマは非常に安定していながら速くクリアできた。ビギナーのボクにとってそれは強烈な印象だった。その後どんな時でもラインを大切にするよう努め、それが安全なドライビングに役立つことに気付いた。

 袖ヶ浦は広いコースなので、一般道とは違っていろんなライン取りができてしまい、参加者は戸惑っている様子だった。しかし、徐々にターゲットとなるパイロンを絞っていくと、次第にオーソドックスなラインに近づき、ハンドル操作がバタバタしなくなった。

 このラインに一定して乗せることで、ブレーキもアクセルワークもリズムに乗れる。一般道は車線も狭く、このような練習が役に立つのか疑問に思う方もいたと思うが、街中の何気ない運転や、ワインディングロードで自車線内を走っての運転の際にも応用が効く。

 ブレーキングも重要なテクニックで、思うように減速させることができれば安全なコーナリングにつなげることができる。緊急回避ではないのでABSが効くようなフルブレーキではない。一定速度から一気にブレーキを踏んで、そこからは緩めもせず、踏みこみもしないブレーキを使い、目標ポイントで停止してもらう。つまり踏力に対する制動距離を自身で知ってもらうのが目的だ。

 最初は60km/hからで、速度をだんだん速くして目標地点で止まれるように練習する。最初に踏み込む踏力を感覚的に覚えてもらうためだ。目標パイロンはあくまでも目標なので最初は短くても行き過ぎてもよく、最終的にピタリと止まれるのが理想的だがなかなか難しい。ボクもブレーキは苦手項目の1つだ。

 実はブレーキの踏み方はあまり気を配られないことが多い。サーキットのような広いコースで何も指示をしないと、最初からオーバランするような速度からブレーキを踏んだり、ブレーキは踏んだものの思ったほどの減速が出なくて踏み込み直したり。ここで最良のブレーキを覚えてもらい、コーナリングにつなげるのが理想だ。

 一方パドックでは、ウェットの円旋回やパイロンスラロームでアクセルワークやステアリングワークの使い方を練習してもらった。ジムカーナチャンピオンの斎藤邦夫さんが担当なので、参加者は素早いハンドル、アクセルに最初のうちは目を白黒させていたが、アクセルOFFによる積極的な荷重移動などを体感してもらった。また、午後はコーナーでドライからウェットに変わる路面での対処についてのプログラムも取り入れた。

最後には袖ヶ浦フォレストレースウェイの本コースを走った

 最後に袖ヶ浦フォレストのフルコースを応用編として走った。ここにはタイトコーナーからロングコーナーまでさまざまなコーナーがあるので、臨機応変の対応が必要だ。インストラクターの先導付きなので取るべきラインは分かりやすく、参加者はこれまでの慣れもあってよいペースで走っていた。

 見ていると、ハンドルの操作やブレーキングなどは始まった時よりもだいぶ滑らかになったと思う。主宰者としては改善、反省もあるが少しはお役に立てだろうか。皆さんまたお会いしましょう!

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/16~17年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。