日下部保雄の悠悠閑閑
東京モーターショー 2019でのAJAJ同乗試乗会
2019年11月11日 00:00
東京モーターショー 2019の会期中、恒例となったAJAJの同乗試乗会も開催されていた。
今年のモーターショーは各社とも体験型の演出が盛んで、見るショーから感じるショーに変わりつつある。自分は東京モーターショーで「動いて乗れるモーターショー」だと思っている同乗試乗会を担当した。
コンセプトはモーターショー会場で新型車を見てから、広場でインストラクターの運転によって同乗体験をして、クルマの楽しさの一端を知ってもらうというものだ。これまで1会期で1万人を超える同乗試乗を行なったこともあるが、今回は試乗会の会期が10月28日~31日までと短いこともあり、約400組の同乗となっている。
従来は抽選方式で試乗待ち行列もあったが、機会公平の観点からこのスタイルを貫いてきた。今回の試乗方法はWebからの登録なので、すぐに埋まってしまうとの声もあったが、その代わり行列に並ばないで済むというメリットも大きかった。来場者からもいろいろな意見をいただき悩ましいところだ。試乗会場はOPEN ROADの一角にあるTFTホール横の広場を使って行なわれた。狭い会場だが、午前中は2輪が走り、午後は4輪の試乗会だ。
試乗会場からはOPEN ROADを多数の来場者が歩いて行くのが見え、午後になるほど人が増える。今年は入場料無料の来場者もいるので、来場者の中間発表は難しそうだが、かなりの人にお台場に集まってもらったと感じた。
さて、試乗車は東京モーターショーに出展しているメーカーからの車両なので、輸入車は必然的に限られる。
車種はスズキ「スイフトスポーツ」、スバル「WRX STI」、トヨタ「スープラ」、日産「GT-R 50th Anniversary」「フェアレディZ 50th Anniversary」、マツダ「ロードスター RF」、レクサス「LC500」、メルセデス・ベンツ「メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+」、ルノー「アルピーヌ A110」、三菱自動車「デリカD:5」、ダイハツ「タント カスタム」、そして3輪のBRP「Can-Am Spyder」の12車種、常時稼働は11台となる。どの回もすぐに埋まってフル稼働だ。
コースは約70mの直線を利用して、ストレートと1つのスラロームを組み合わせた単純なコースだ。インストラクターの運転でクルマの解説をしながらそのコースを4周する。自分の担当はタント カスタムとメルセデスAMG GT 63 S。図らずも一番パワーのあるクルマと最小の軽となった。
どのクルマにも嬉々として乗り込んでくる来場者を見るのは嬉しい。モデルチェンジしたばかりの新しいタントも人気で、現タントユーザーも何組かいた。女性が多かったが、解説を聞きながら斜め前方視界やインテリアの質感、静粛性やコーナーでのロールの仕方などを確認してもらった。試乗車はタント カスタムのRSでダンパーも専用仕様だったが、なかなか好ましい。広い車内では短い時間にも関わらず楽しい会話が続き、皆さん嬉しそうでした。
続いてはメルセデスAMG GT 63 S。こちらはタントの10倍の出力を持つ639PS。タントの加速力も喜んでくれたが、さすがにその10倍のパワーと900Nmのトルクは凄まじく、あっという間にストレートエンドまで到達する。皆さん、びっくりして思わず声が出るほどだった。短いストレートだからこそ体感できる加速力だと思う。ここでは迫力はもちろんだが、このようなクローズド空間だからこそできることを説明した。
しかし、2tを超える重量でこの加速力は我ながら驚いた。スポーツ+にするとさらにピックアップがよくなり、排気音も変わるので、この違いやAMGらしいスポーツカーハンドリングも好評だった。
タントとAMGでは同乗者の反応も当然違うが、それぞれクルマの楽しさを感じてもらえたと思う。ほかのクルマも同様で、皆さん動くモーターショーを十分、楽しんでもらえた。
また、試乗中の各車の解説はCar Watchでもおなじみの岡本幸一郎君が担当し、喋りっぱなしでお疲れさま!
このAJAJ同乗試乗会の前は、ピストン西沢さんがゲストと出展車両が毎日変わるトークショー「動くクルマ図鑑ステージ」を行なっていた。ピストンさんは解説に運転とフル回転の1時間で、来場者は珍しいクルマと普段聞けないようなトークを楽しんでいた。それにしてもピストンさん、ほんとにクルマが好きなんだなぁ~。