日下部保雄の悠悠閑閑

オープンカーの楽しみ

オープンにして走りたい!

 わが「ND ロードスター」は元気に走りまわっている。と言ってもこんなご時世なので、ステアリングを握っても都内をチョコチョコしているぐらいだ。クルマでの移動は格別のものがあるけど、特に昔からコンパクトなライトウェイトスポーツカーは街乗りでも便利で楽しいと思っていたので、1.5リッターのNDは願ったりのスポーツカーだ。

 ボクのNDは前期型なので、最新のNDとはブラッシュアップされたハンドリングやセーフティシステムなどが違うが、作り手側の心意気みたいなものは最初の試乗会から十分に伝わってきている。

 前回取り上げたペダルレイアウトなども体の方を合わせればいいので、最初の儀式を行なえば、あとは体が勝手に動いてくれる。

NDのペダル配置は右に寄っているので、そのまま足を伸ばすとブレーキの位置に右足がくる。最初に位置を確認すれば大丈夫

 一度オープンにして走ると、その爽快さは何物にも代えがたい。NDのソフトトップは片手で簡単に開閉できるので、電動トップよりも早いし、何よりもライトウェイトスポーツカーにとって命である重量が軽い。昼間はもちろん、夜風も気持ちがよく、夜でもこっそりトップを下ろしていることもある。

 とは言ってもオープンとクローズド、どっちが多いかと言えばやはり圧倒的にクローズドだ。オープンにするのは心のどこかでちょっと気恥ずかしい気持ちがあるので、構えてしまうからだろう。毎回ソフトトップを下ろす時はなぜかちょっとした決意がいる。

 それに、ズーっと風にあたっているとそれなりに疲れる。以前、冬の取材でジャガー「XK」のステアリングを握り、伊豆往復を最初から最後までオープンで走らせたことがある。気持ちよかった。そして翌日きちんと熱を出した。完全武装していたにもかかわらずだ。それ以来オープンにしていても、サイドウィンドウは時々上げて、風が直接当たるのを防ぐことにしている。

 ちなみに、ソフトトップを上げると雨露は防げるものの、ことNDでは遮音に関しては無力だ。隣にトラックなどが並走していると、ほぼダイレクトに入ってくるノイズに閉口する。またBluetoothで携帯電話につないでいるが、高速ではまず何も聞こえない。

 と、文句を言いつつも、早くオープンにしてドライブしたい。海沿いの道は潮の香りが素敵だし、山の道では小鳥のさえずりなどが聞こえてくると嬉しくなる。きっと解放感に溢れる時間になるに違いない。と、そんなことを妄想しつつ、自粛の日を過ごしている。

兜被ったサスケさん

 ところでウチの先輩ネコ、サスケさんの御年は多分20歳を超えていますが、先日紙兜を被ってお祝いしました。日常は寝てばかりですが、お腹が空けば無言の圧力をかけてくるし、時折ウチの中をパトロールして吠えています。そんなサスケさんに新参ネコのムクが盛んに「遊ぼうよ」、とじゃれてきますが相手にしてもらえず、最近は諦め気味で、1人遊びでかくれんぼすることが多くなりました。

 こんな観察をしているなんて、暇です……。

遊びたい盛りのムク。かくれんぼしてます

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。