日下部保雄の悠悠閑閑
元ラリードライバーがカート大会に出てみたら……
2020年8月11日 00:00
ウチの会社では、繁忙期を外してたまにKART大会やGOLF大会を行なったりしている。今年は新型コロナウイルス禍でずーっと暇なので、士気鼓舞もあって思い切ってKART大会に参加することにした。
KART大会を行なう時はコースを半日借り切ってやることが多いけれど、今年はKARTの名門コース、大井松田カートランド主宰のレンタルカートFESに便乗して、2チーム+1チームで参加した。2時間の耐久レースであり、他の参加者は常連さんばかりで、シッカリKARTを乗りこなすアマチュアばかりだ。
レンタルカートは4サイクルで200ccぐらいのクラッチ付きKART。KARTには全く素人で、何回か乗ったけど4輪の癖が抜けずに未だに乗りこなせないでいる。
KART大会参加のアレンジをしてくれた我が社の實方くんからは「練習して他のチームの邪魔にならないようにしてくださいネ」、と言われていたのにもかかわらず、呑気に当日の朝を迎えてしまった。
4人編成のチームは額賀由利子さんと廣川祐樹くん、木村巧弥くんにボクの4名だ。額賀さんは潮来でカートコースも運営し、ドライバーとしても活躍している姫、廣川くんはKARTのベテランで4輪も経験が深い。木村巧弥くんはあのキムタクとは全く関係なく、ボク同様KARTの素人である。
豪雨の中で始まった短い練習走行では、当然のごとくグローブから靴の中、そしてレインコートを着ていなかった下半身はずぶぬれになって、気持ちわるいのなんのって……。下から水攻めに遭うのは初めてである。
2時間の耐久レースはドライで始まったものの、雨が降ったりとややこしいコンディション。スタートの廣川くんは常連さんの中でもどんどん順位を上げて、自分の持ち時間内で見事トップに躍り出た。さすがだ、よくやった!
KARTに乗り慣れたクイーン額賀もソツなく滑りやすいコースを走り、順調に消化していく。さすが姫! 難しいコンディションの中を走り切ってボクにつないでくれた。
3番目の順番はまずは15分乗ることになった。コースインではイエローラインカットをしたらしく、1分のペナルティから始まり、4輪の、しかもFFみたいなドライビングになってしまい、タイヤがグリップするのを待っていて、自分でもダメだなこりゃという感じになってしまった。KARTはデフがないのでこんなドライビラングをしていると、遅いわリズムに乗れないわで、とても競争にならない。他のKARTの走行ラインの邪魔にならないように走るのが精いっぱい。練習しなかったツケが回ってきた。
いつもはKARTに乗ると結構汗をかくし、横Gで腰や肋骨が痛くなるのだけれど、ウェット路面もあるとはいえ、まったくそんな兆候もうかがえずに、翌日からも痛みは全くない。なんともだらしない走行である。スピンもするし緊張感のないことおびただしい。
もう1回、10分乗ってからトータル25分の自分の乗車が終わって、あまりにひどい走りに、エースの廣川くんはじめ、常連さんの走り方をコースサイドで眺めることにした。観察すると、コーナーの手前からわずかなハンドル操作でリアを流しながら走っていく。ラリードライビングに似ていなくもない。自分のようにコーナーで待っていても曲がってくれないだけでなく、押し出しアンダーになるだけだ。
ただ、他チームも走る本番中に試してみようという勇気もない。やはり練習あるのみだ。
ただし、長年サスペンションのあるクルマに馴れ親しんできた身としては、突然走りが閃くとも思えない。でもでもである。KARTと格闘するのは面白く、刺激的に違いない。
というわけで、4人で臨んだ2時間耐久は13チーム中12位とブービー。不甲斐ない結果になったが、怠惰は身体と心に刺激的でいろいろと勉強になりました。さて、コソ練しなくちゃ!