日下部保雄の悠悠閑閑
東京オートサロン2023
2023年1月23日 00:00
毎年恒例になっている東京オートサロン。ぎりぎり間にあったTOYOTA GAZOO Racingのプレゼンは豊田社長から始まった。ブースに展示されていた2台のコンパクトなAE86の1台はEVへのコンバートカー、もう1台は水素エンジン車。トヨタは走りの楽しさを忘れないというメッセージだ。よほどのことがない限りすべてのクルマが一斉に新型EVに切り替わるとは考えがたいので、現在のクルマをカーボンニュートラルに向けて変えていく1つの手段だと思う。トヨタ社長のコメントにあった「トランスミッションもあり」という意味は、EVにもトランスミッションを使うということなのだろうか?
そしてWRCで最年少ドライバータイトルを獲得したロバンぺラの名を冠したGRヤリスのロバンペラバージョンも気になる。ちょっとずんぐりしているGRヤリスがカラーリングでスリークに見えた。
ダイハツでは相原さんに会った。コペンでWRCジャパンにも参加したダイハツの社員ドライバーだ。しばらくモータースポーツから遠ざかっていたダイハツが今年から草の根モータースポーツから復帰する。軽でも手軽に楽しめるジムカーナのようなイベントからで、主力の軽自動車で移動以外の楽しみ方に積極的に関わるのはうれしい。最初は沖縄から始まる。ラリーでもコペン以外も視野に入れているようでこちらも楽しみだ。
ホンダではシビック タイプR開発責任者の柿沼さんがメインブースの横にいて忙しそうに話している。ホンダの目玉はシビック タイプR コンセプト。すでにNSXの生産が終了しておりモータースポーツのプロモーションを考えると、ホンダの頂点に立つのはシビック タイプRが適任だ。SUPER GTシリーズはパッケージが決まっているので空力とエンジンが大きな影響を与える。後輪駆動となるだろうが低く構えてホイールベースが長く見えるタイプRは斬新だった。今年から走るのかな?
日産はGT-Rの2023年モデル、たぶんファイナルエディションがCOOのアシュワニさんのプレゼンで紹介された。すでに大勢のプレスが押しかけていて遠くから見るだけだったが、最近のトレンドにのっとったグレーと薄いゴールドの2台が展示されていた。フロントバンパーが空力的に変更されておりすぐに区別がつく。GT-Rは数々のレースで活躍したのは言うまでもない。昨年のSUPER GTではZに変更され第一線から引いた格好だが、日本の誇る名車に違いない。たまに見かけるGT-Rはマナーよく走っているが、ドライバーもプライドを持って乗っているのだろう。
激戦の軽市場は各社、SUV、それも人気のオートキャンプ仕様をアピールしている。いずれも完成度が高く舌を巻いた。三菱自動車は話題のデリカミニをデビューさせた。eKクロス スペースのフロントマスクやフェンダーまわりを変えたものだが、なかなかしっくりきている。パジェロの血を引く三菱自動車はアウトドアモデルでは本領発揮だ。
横浜ゴムのブースではADVAN APEX V106を履いたGRカローラとミニ四駆の1/1モデルが目を引く。APEXと言えばデビュー時はスポーツコンフォートタイヤの代名詞だったが、今はADVANシリーズのブランドで、GRカローラに標準装着されるスポーツタイヤになっている。そのパフォーマンスはGRカローラの試乗会で確認済み。全方位のスポーツタイヤに仕上がっていた。
1/1ミニ四駆。もちろんその世代ではないしタイヤとも関係ないけど、なんだか夢があって楽しい。ブースで販売されていたTAMIYAの限定ADVANカラーモデルを購入したのは言うまでもない。
今年の東京オートサロンを駆け足で回った雑感でした。