日下部保雄の悠悠閑閑

春を満喫

大岡山の桜。東工大の敷地内がいつも通勤ルート。春は桜が楽しみ

 朝、事務所に行くのに隣の駅から電車に乗るようにしている。運動不足解消もあるが朝の散歩みたいなもので、季節の移り変わりを肌で感じることができて清々しい。その通勤ルートの大岡山にある東京工業大学の敷地を通させてもらうが、駅の名前の通り大きな岡を上るのでのんびりとした歩調になる。そして春になると大岡山は桃色に染まり、それを眺めながらさらにゆっくり歩くのが楽しい。いつもははつらつとした掛け声が聞こえるグラウンドも雨上がりの今日は静かだ。犬を連れて散歩している人も桜を見上げてしばしたたずんでいるが、ワンちゃんは花より団子らしく、リードがピンと張っている。

 目黒線と大井町線が並走して地下に潜るところでは、時間調整で速度を落としている電車からも桜が見えるはずで、電車に乗っている人も出勤前の緊張がゆるむといいなと思う。

 この稿が出る頃はサラサラと落ちる花びらで東工大の道も桃色になっているかもしれない。

以前はもう少し桜の本数も多かったような気がします。乱れ咲くという言葉がぴったりくるような景観だった。でも桜は日本の春にはなくてはならないですね

 事務所の近くを流れる目黒川も桜の名所で、有名な東横線の中目黒駅付近はウィークデイでも大混雑する。しかし事務所のあるかむろ坂あたりまで下がると洒落たお店もほとんどないのでそれほどでもない。桜は人の都合など関係なく咲き誇る。両岸から目黒川に覆いかぶさるような姿は見応えがあり、桜が一斉に散る時期になると、ゆったりと流れる花筏にも見とれてしまう。

 さて、クルマが行きかう、近くのかむろ坂にも桜のトンネルができ、道路端ではスマホを掲げる人が多い。ただ路肩に駐車しているクルマや電線が邪魔でゆっくりと眺める場所がないのが残念。26日は通行止めにして桜まつりを開催していたので地元の人は桜に染まって楽しんだに違いない。

 子供の頃は4月の始めの入学式の頃に桜が満開になりこの季節の風物詩だったが、年々満開の時期が早くなっている。そのうち卒業式の名物になるのだろうか?

事務所のそばのかむろ坂の桜は散り始めていました。かむろ坂の名前は花魁の小柴と白井権八の悲恋が由来で、小柴がかわいがっていた禿(かむろ・下女)が、帰らない小柴を心配して捜しに行った際、暴漢に襲われそうになって入水したのを地元の人が悼んで語り伝えたのが今のかむろ坂だそうです

 話は変わる。月末は娘達の発案でいちご狩りに行ってきた。東京近郊はどこも大人気。すぐに予約が埋まってしまう。やっと千葉の農園が予約でき、わが家から1時間半で行けたのはありがたい。

 このところ雨の日が多いが、いちご狩りは大規模なビニールハウスで濡れることなく楽しめ、1時間の食べ放題。コンデンスミルクの載ったお皿を渡されていちごが実る畝に勇んで飛び込む。休ませている畝も多くあり、ローテーションを組んで解放されるので、長期にわたり運営できる。

雨に降られても家族で楽しめるのがいちご狩り。東京から近い千葉の農園を予約。ちょっと通路が狭いけど結構ゆったりといちごを楽しむことができました。わが家から1時間半で到着。帰りは道の駅に寄り道してもお茶の時間には帰宅できました

 スタッフから茎に近いところまで赤いのが甘いと言われて選んでいたが、それでも食べきれない。1時間もいちごを食べ続けるのは無理だと悟ったときはもう水腹になっていた。食い意地が張っているとダメですね。

シーズンも終盤で少し小ぶりになってたけど、まだこれから熟す白いいちごもたくさん実っています
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。