日下部保雄の悠悠閑閑

日産セレナと潮干狩り

セレナでいよいよ三番瀬海浜公園に到着して準備してるところ。ミニバンは家族と過ごす時期には最高の存在です

 2022年にモデルチェンジしたセレナを借りだした。最初はガソリン車のみでもうすぐe-POWERが登場する。新しいe-POWER専用エンジンも期待だが、まずはベースとなるガソリン車に乗ってみなければということで借りだした。

 ベースとなるプラットフォームは使いなれた従来型からのキャリーオーバー。エクステリアは最近躍進目覚ましい日産デザイン。ミニバンの中では最もスポーティだと思う。インテリアもe-POWERの登場を待っているかのようにシフトレバーはボタンスイッチに変わり、ダッシュボードまわりも凹凸を減らして視界がクリア。モデルチェンジらしいインテリアでなかなか新鮮。

 パーキングスイッチがダッシュパネルの下にあるのは不安だったが、オートパーキングを信じてスタート。エンジンの騒音振動は抑えられ、ロードノイズも結構抑えられている。セレナってこんなに静かだったっけ、と先代を思い出しながら加速する。2.0リッターNAのMR20DDはトルクもあって必要十分。

 乗り心地はサスペンション剛性が上がっているのか突き上げ感はあるものの、横揺れは少ない。また、各シートはパノラマレイアウトで前方視界が開けて開放的だ。ただ後輪車軸上にある3列目シートはクッションが薄く平板なので居心地はベストではない。各シートともレッグルームは十分なのでもう一息頑張ってほしい。

ミニバンにとっては3列目シートも重要な要素。足下、頭上とも広いけどもう一工夫

 燃費は平均して12.5km/L。市街地や渋滞もあり、こんなものかなと言う感じでした。ただウェット性能はもう少しほしいというところ。

 さて、セレナで向かった先は船橋にある三番瀬海浜公園。そう、潮干狩りです。最後に行ったのは今では親になった子供たちが小っちゃかったころだから何年ぶりだろう。

 三番瀬は完全に管理された潮干狩り場。事前にコンビニで購入しておいた入場券が必要だが、それが入場制限になっている。それでも11時の開場とともに行列がアサリを求めて浅瀬を急ぐ。まだ水は冷たいけどサンダル履きで海水に浸かる感触は心地よい。

三番瀬で潮干狩りスタート! 何十年か前の潮干狩りを思い出して感無量です

 借りた熊手を使って深く一掻きするとアサリなどが引っ掛かる。昨今の潮干狩りは事前にアサリを撒いているので、鉱脈にあたるとザクザク捕れる。あまりに捕れるので、小さいのはまた埋め戻し、次の鉱脈を求めて少し移動する。無心で熊手を振るって、ふと振り返ると元いた場所を掘っている人がいる。「あれまー」と思ったらウチの家族でした。

向こうに見える黒いのは出口に並ぶ人たちです。いったい全ての入場者を入れると何万人いるんだろうか?

 1時間ほど童心に帰って各家庭2kgほどの収穫があった。いずれもプックリしたアサリばかりでいろいろな模様があって愛着が沸く。

 その夜、塩水を満たした大きなボウルにアサリを入れて砂抜きをした。暗くするのがいいというのでしばらくソッとしてから覗いてみる。隣を見るとムクも覗き込んでいる。なんとすべてのアサリが長い舌を出しており、暗がりの中ヒジョウに不気味。しばらくムクも含めて誰も動けなかった。

 それでも翌日はボンゴレや酒蒸しになっておいしくいただきました。ゴメン。

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。