日下部保雄の悠悠閑閑

クルマも衣替え

2シーズン活躍してくれたiceGUARD 7。来シーズンもよろしく

 4月の下旬まで雪が降った地域もある一方、東京ではまさに三寒四温で徐々に暖かくなってきた。よもや雪に降られることはないと思いつつ、いつ降雪地に出張があるかもしれないと用心してスタッドレスタイヤは履きっぱなしだった。2シーズン目を終了したiceGUARD 7は今年も雪道で活躍してくれた。激しく雪が降り始めた山の上り坂ではFFだったこともあって速度が落ちたが、トレッドから雪をかきだしながら上り切ったこともあった。

 冬の間、iceGUARD 7はドライ路面でもふらつきが小さく夏タイヤとそれほど変わらない感覚でハンドルを握ることができた。スタッドレスタイヤのウィークポイントはウェット。もっとも危ないのは斜めに入った首都高のジョイント部と横断歩道の白線だが、スタビリティコントロールが作動することはなく、改めてタイヤの進化を見直したぐらいだ。

 少し気になってきたのはスタッドレス特有の高周波音。注意していると時折ヒューと聞こえる。あ、そうかスタッドレスだったんだと思い出す。iceGUARD 7を履いていた距離は3年間でせいぜい4000kmぐらいなのでカーフ(トレッド面にある細い溝)もそれほど開いているわけではないが、これを機に夏タイヤに履き替えることにした。

 交換はいつものタイヤガーデン代沢でADVAN dBに履き替える。2022年の春に交換したばかりなので新品同様。ホイールは純正のものを使ってのタイヤの付け替えだが、やはりプロの仕事は丁寧で安心できる。バランスも丁寧に取ってくれたのでピタリと収まっている。

履き替えたADVAN dB。静粛性はdBの生命線。ADVANらしく運動性能もなかなかです

 dBはスタッドレスから履き替えると足下が軽くなり気分が変わる。スタッドレスのゴムに比べると硬度が高いので、少しゴツゴツした感じとなるが、また新鮮な気持ちで走るのが楽しくなる。

 タイヤサイズはiceGUARD 7もADVAN dBも同じ235/45R18。比べるとdBとiceGUARD 7では見た目でもビックリするほどタイヤの太さが異なり、積み重ねると高さも違う。スペックを見ると両方ともタイヤ外径は669mm、タイヤ幅も236mmと同じだ。重さもiceGUARD 7の方が大きく見える分、重そうに見えたが、実際には400gほど軽くなっている。

 スタッドレスは溝が多くて接地面積は少なくなる分、接地面を広くとって氷を掴む機能がタイヤプロファイルやパターンに現われている。そのためタイヤ形状もスクエアな恰好となっている。特にiceGUARD 7の235/45R18はリブが1本多い幅広パターンになっているので余計にそう感じる。

 なんてことを思いながらタイヤの溝に挟まった小石をほじくってから袋を被せ、日光の当たらない場所に戻した。また来シーズンね。

 ミニチュアはタイヤ勉強会でいただいたホンダT360のヨコハマタイヤ販売店仕様。バイアスタイヤだった当時、T360はどんなタイヤを履いていたんだろう。スマイルマークが懐かしい。

ホンダT360のミニチュア。ヨコハマ販売店仕様。よく見ると埼玉ヨコハマの販売店みたいです
荷台にはスチールホイールに履かせたタイヤが4本積載されています
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。