日下部保雄の悠悠閑閑
カヤバ モータースポーツ×iceGUARD 7 Winter Driving Park 2025
2025年2月17日 00:00
2025年のWinter Driving Parkは予定どおり長野県立科の女神湖で開催できた。いつもより少し遅い2月5日の日程で氷の厚さを心配していたが毎日神棚にお祈りしていたご利益があったのか、女神湖に寒波がやってきて今シーズン最高のコンディションになった。
今年はカヤバ モータースポーツ部の応援もあってiceGUARD 7を履いた2台のFFヤリスを用意して、ショックアブソーバーにサステナルブオイルに替えたものとノーマルの比較試乗を行なうプログラムも入れることができ、参加者にも乗ってもらった。
加えてカヤバ社員だけで構成するカヤバ ラリーチームの運転訓練も行なわれ、特別ゲストには片山右京さん、奴田原文雄選手、新井大輝選手が加わり超豪華なインストラクター陣となった。もちろんいつもの森岡史雄君や斉藤邦夫さん、そして里見乃亜君にもインストラクターとして加わってもらった。
右京さんは実は氷の経験はあまりない。たしかにF1やパリダカドライバーとしての右京さんは知っているが氷のイメージはないな。ご本人も謙遜していたがさすがにあの鋭い反射神経は健在で氷でも電子制御をうまく使いながらコントロールしていた。さすがです。もちろん超一流の現役2人のライン取りやクルマの姿勢作りはさすがラリードライバー。見ていてほれぼれする。
今年全日本ラリー3年目となるカヤバ ラリーチームのドライバー石黒君は奴田原選手から特訓を受け、新井大輝選手や片山右京さんから技術だけでなく競技に取り組む姿勢なども教わり、得ること盛りだくさん。あり過ぎて迷わなければいいんだけど。
そして注目のサステナルブオイル。極低ミュー路でどの程度効果があるのか。装着スタッドレスは氷だけでなく路面変化に強いiceGUARD 7。
カヤバのサステナルブオイルは春から秋まで経験済。路面の追従性がよく、応答性や乗り心地、そして車種によっては音にも影響を与えることはノート オーラ 4WDで仕様を変えながら確認している。
早朝の女神湖はもちろん氷点下。氷の上ではさら爪先からはいあがってくる冷気に体が硬くなる。氷の上はコンマ0.1~0.2ぐらいの摩擦係数。平板に見え氷も実は結構凹凸もありサスペンションは微小に上下する。
サステナルブのよいところは、ピストンが上下する瞬間に起こるオイルの追従性だと思っているがその美点は極低温の氷でも変わることがなかった。
ノーマルと比べるとステアリング応答性がよく手応えがある。また反応が早いためにタイヤのグリップ範囲の中で姿勢を整えられドライビングに余裕が生まれる。さらに氷の凹凸での追従性がよいのでバネ上の動きも落ち着いている。
タイヤのグリップ限界が上がるわけではないのだがタイヤをうまく使えると言った方がいいだろうか。
一定の運転条件で比較するのは慣れても難しいが、氷の上で標準車と評価する珍しい体験ができたことが大きい。
サステナルブオイルも万能ではないが、サスペンションとタイヤの関係を少し勉強できた。
さて肝心のWinter Driving Parkは早朝から14時半まで、皆さん飽きることなく練習を繰り返し、午後には氷はピカピカに磨かれたほど。走行ラインはまさにブラックアイス。曇天で氷が溶けだすことはなかったのも幸い。
特にハンドリング路は例年より長くコースが作られてタイトコーナーも多い。攻略するのはなかなか大変で、何度もラインを変えたりブレーキポイントを変えたりして運転の面白さを満喫してたのがうれしい。
神様、ありがとうございました。また来年も開催できるように頑張ります。