日下部保雄の悠悠閑閑
少しずつ変わってきた冬の旭川
2025年2月24日 00:00
1月、2月は北海道に行く機会が多いが今年は例年以上に北海道に滞在している時間が長かった。旭川は自動車やサプライヤー各社の冬季テストコースの拠点空港になっている関係で自分にとって北海道と言えば旭川になる。
その旭川もこの20年で気温が上昇した。20年前は早朝、ダイヤモンドダストが見えるほど冷え込んだ。早朝に太陽が顔を出した直後、薄く広がりつつある黎明の中で凍った大気がきらきら光る光景は幻想的で美しかった。気温は-25℃ぐらいだったと思うが、当時はたまにダイヤモンドダストに心洗われた。
今年の旭川は雪が少ないだけでなく気温も高く、明け方でも-10℃に届かないことが多い。昼間はプラスになることもあるほどだ。
それでも昼間溶けた雪が夜、アイスバーンになるのは変わらず、スタッドレスタイヤに求められる氷上性能が変わることはないものの、路面状況が少しずつ変化している印象だ。
旭川はサラサラのパウダースノーのイメージ。事実フカフカの雪が降り積もる。ところが昨年ぐらいから湿気のある積雪路面が見られるようになり雪質も重くなった。大雑把に言うと上越の雪に似てきたようだ。着実に温暖化の影響が出ている。
さて東京へ戻って「走りにくいなぁ」と感じたところと「ホッとした」と思った交通環境があった。
もちろん旭川は雪景色。路面は雪道あり、アイスバーンありと千変万化だがスタッドレスの進化もあって走りやすくなった。で、それよりも電動自転車や電動キックボードが走行していないことが大きい。例えば東京では電動キックボードの普及に比例したルールの徹底が進まないままお互いに疑心暗鬼で走っている状態だ。
一方、東京が走りやすかったのは信号が見慣れた横一列でほとんど同じ位置にあること。旭川の信号は積雪で灯火が隠れたり重量増加を抑えたりするためか灯火が縦型配置。しかも雪で道路がかさ上げされることを計算に入れてか少し高い位置にある。
交差点のたびに「アレ?」と感じたのは点灯サインが見えているものの、なんとなくしっくりこないからだった。これも雪国で道路端を表示する逆さU字サイン同様、自然と慣れてくればどうということはないのだろう。
そして今、東京の路面に雪のない道路で臆病に走っています。






