日下部保雄の悠悠閑閑
クルマ移動に欠かせないETC
2025年4月14日 00:00
ETCトラブルで主要高速道路では大渋滞。いつも高速道路の恩恵を受けている身としてはTVを通じて見る長い渋滞の列は他人事ではない。このところインフラの脆弱性が話題になるがETCも国内の重要なインフラでトラブルは怖い。渋滞は事故の引き金になってしまう。
この渋滞で思い出したのはフランスのオートルートでの出来事だった。ある試乗会でオートルートを使うルートが設定されていた。本来課金のないフリーウェイだったがルートによって料金徴収が始まり、フランス版ETC(正式名は忘れた)が稼働し始めたころの話。案の定料金所でETCレーンはトラブルが起きて大渋滞。当方はと言えば「どうしたものか」と途方に暮れていると助手席に乗っていた試乗会関係者から「このレーンのまま直進」と指示された。なんだか分からないウチにどんどん前に出てあっけなく料金所を出てしまった。ETCレーンから入ったと思っていたのでハテナがいっぱいついた。
皮肉なもので早いはずのETCレーンで渋滞にハマったドライバーはイライラしていたと思うが、夏のバカンス渋滞で達観しているのか粛々と並んでいた。
また同じころ、料金所渋滞が本線にも伸び始めたとき、係員が出てきて並んだクルマをスルーできるように誘導し始めた。見る間に渋滞は減っていったが「直前に通過したクルマはどうするの?」と聞いてみたら「運だから誰も文句を言う人はいない」という答え。国によっていろいろだなと思ったがフランスらしいというか合理的。
ETCのなかったちょっと前は1台ずつ現金を払っていたから渋滞は当たり前。東京料金所がワイドに広がっているのはクルマをさばく名残りで、当時より多い車両をソツなく通過させるETCの恩恵は偉大だ。たまに有料道路に料金所が現れると大慌てで小銭入れを捜すことになる。ダッシュボードにコインホルダーがついていたのも懐かしい。
ETC機器も2.0にバージョンアップして何気なく使っている。実感できないが交通情報を収集することで利用者にフィードバックしている。実感はないがインフラとはそんなものだろう。特に営業車に割引サービスなどのメリットが大きい。
ETCカードを見ながらツラツラとその重要性を思い出してみた。