日下部保雄の悠悠閑閑
ある朝の出来事
2025年5月5日 00:00
クラウンエステートPHEVを借り出したときのこと。翌朝、谷田部にある日本自動車研究所(JARI)で開催される「JARI技術フェア2025」を取材する予定をたてPHEVに乗るのもフェアの取材も楽しみに早起きした朝……。
ことの顛末は、昨夜脱走したタイガー(名前負けしたネコです。いつもビビリながらすぐに帰ってくる)を探しに、上がり框の窓を開けたときに始まった。タイガーの影は見えなかったが視界の下に黒い影が。さっきまで一緒に部屋から外を見ていたムクだ。タイガーを探すなんて気はさらサラサラなく、冒険を目指してどこに行こうかやる気満々だ。
最近のムクは季節のせいか外に出ると強気になり、連れ帰ろうとすると「シャー」っと凶暴になる。
それを忘れて慌てて抱き上げたときにネコは虎になった。全力で暴れる小さなネコを見くびってはいけない。彼らの最強の武器は爪、その凶悪な爪の連続攻撃を手首にくらってしまった。
怒り狂う小さなネコを激痛に抗して家の中に入れるまで何秒もなかったと思うがカーテンや床はまるで乱闘事件の現場だ。
この騒ぎに「なんだなんだ」と寝床から出てきたわが家最強のネコ、トバと鉢合わせしたムクはいつもネコに戻っていた。「ムク!!」と抗議したところで「なんでしょう~?」と馬耳東風。いやネコだからちょっと違うかも……。
止血できずに家人を呼ぶがネコに引っかかれたぐらいでと取り合ってくれない。騒ぎを聞きつけて家族も飛び出してくる。修羅場である。
絆創膏じゃ止まりそうもないし、ウチにあるのはオロナイン軟膏ぐらい。まだ病院が開いている時間じゃない。ようやく事態を察した家人が#7119に相談して結局救急車を要請。ネコのひっかき傷ごときで申し訳ない事態になってしまった。
すぐに対応してくれたのは近くの総合病院。先生は開口一番「ネコ????」。でも「ありゃ~これはひどいね~」「神経は切れていないから大丈夫、フムフムここか~」「噛まれたんじゃなくてよかったね~」(噛まれるとさらにヤバイらしい)とか言いながらテキパキと処置して合計7針縫うことになった。当たり前のように会計を終えて出勤時間前ですいている電車でトボトボと帰宅した。
さすがに「今日はおとなしくしてなさい」と包帯を巻いてくれた先生の言葉を胸にJARI行きは断念。トホホな1日となったばかりかPHEVもEV走行しか経験できないまま後日返却することになってしまった。
人生初の縫合が飼い犬に噛まれる……じゃなくて飼いネコに引っかかれることになろうとは……。
あの朝から2週間。ネコたちは小さな冒険を忘れたように日々を過ごし(タイガーはすぐに連れ戻された)、こちらもやっと抜糸した傷口がふさがったところ。迅速に処置してくれた消防や医師のおかげでもうすぐ完治しそうです。大感謝でございます。
ちなみに。前号のヒョンデ・インスターのZEV補助金は52.6万円に、東京都の場合25万円になったようです。