日下部保雄の悠悠閑閑
日本酒
2026年1月5日 00:00
新しい年は新しい日本酒でお祝いする。左党なのでよほどのことがない限り欠かせない習慣である。お屠蘇の代わりに無病息災を願うつもりで飲んでいるものの身体に悪そうな気もする……。
「斗酒なお辞さず」とは大酒飲みを表す言葉だが、そんなに飲めるわけもなく、歳と共に酒量も減って今では1合も飲むと良い気持ちになる。安上がりである。
子供の頃、父親の酒席に同席するのが好きだった。その頃はビールか燗酒が主で、父親がお客さんと楽しそうに飲んでいる姿を見て、子供心にお酒は楽しいものだと刻まれた。今の日本酒と違って当時は日本酒特有のアルコールの香りがツンと鼻をついたが、それも暖かい記憶の中に沁み込んでいる。血筋かもしれないな。
40代の頃、改めて日本酒のおいしさを認識したのは新潟長岡駅で買った吉野川の新酒。口の中に香りが爽やかに広がり、飲み口も優しい。それ以来吉野川のファンになったが、あの時の衝撃は忘れない。
そして日本酒も改良が進んでどの酒蔵も工夫を凝らしてどんどんうまくなっている。昔はあまり見なかった北海道でもおいしい日本酒が手に入る時代だ。
概して、老舗はこれまで培ってきた技術を磨いた安定した日本酒を、若手の杜氏は自分たちの味を切磋琢磨し、だんだん完成していくようで楽しい。もっともこれだけ多彩な酒蔵があると味わった後にはおいしかったとしか覚えていないのが残念。
ワインは開発が進んで世界中に広がっているが、日本酒はまだまだこれからも進化していく。北米産の日本酒もあるようでちょっと妙な感じだが、そのうちぐい吞みに注がれる日が来るのかもしれない。頑張れ! 日本の酒!
では新しい年を祝って、まずは一献、召し上がれませ。



