日下部保雄の悠悠閑閑

全日本ラリー選手権、始まる

新東名高速から見える富士山は雄大で素晴らしい。後席からユックリ眺められた。ちなみにキャラバンは前席はタップリしている。パワートレーンも元気だが、ドアの開閉など細部にもう少し気配りが欲しいというのが実感

 いよいよ全日本ラリー選手権が開幕した。2026年のシリーズは9月にMSCCが主催する福島戦が増えて全9戦となる。WRCのラリージャパンが11月から5月に移動したため、国内選手権シリーズもそれに影響されてかなり開催日が移動している。6月だったモントレー(国道を封鎖して行なわれる碓氷峠のSSで、めがね橋をバックにして快走するラリーカーがよく知られている)は11月下旬の最終戦になる。上州のからっ風は寒いだろうな~。

 開幕戦は2025年同様、RALLY三河湾。今年もKYBラリーチームにくっついて行くことができたので、ラリー界の賀詞交歓会?だ。

 金曜日の朝9時に東京をスタート。目指すは蒲郡のサービスパーク。今回は荷物もあるはずだったので移動車はレンタカーのキャラバンを借りた。自分の席は後席と決まっていたらしい。働くクルマ、ワンボックスバンの後席は折りたたんだときに荷物の邪魔にならないようシンプルに薄くできている。以前、ハイエースに5人乗車で移動したときはスタッフから軽いクレームがきた。ま、そうだろうなと思う。今回はあらかじめデスクで使っているクッションをはぎ取って背中に当てることにした。それでも4時間に及ぶ長距離移動は疲れた。骨身に染みるというやつだ。

 サービスパークに隣接した出展社ブースは三河湾に面した蒲郡のヨットハーバーにある。キャラバンが向かうのは出展社ブース。ラリー観戦に来るファンにKYBを知ってもらい、子供たちにも人気のコンテンツをそろえているのも特徴だ。

KYBの展示ブース。ショックアブソーバーの展示はもちろん、ラリーファンだけでなく子供たちにも楽しめる場になっている。

 ラリークルーを含めて社員だけで構成されるKYBラリーチームは3年目に入る。メンバーの社内異動もボチボチ行なわれている。石黒/穴井クルーも基本的に今シーズンが最後になる。参加クラスはラリー2が主体のJN1だが、カヤバ号はGRヤリスを改造してナンバーを切ったクルマ。実質的にはJN3に近い。

 クルーの技術向上、メカニックチームの動きなど、最初に比べたら格段の進歩だ。プロフェッショナルな強豪にもまれて強くなった3年目だ。

 さて、彼らの頑張りもさることながら、出展社ブースも自然と格闘していた。このロケーションは普段は穏やかだが、時折強い風が吹く。最初の年は突風でKYBテントも1張り吹き飛ばされ、固定の重要性を嫌というほど知った。

 今年は穏やかだった金曜日から打って変わって、土曜日は強い風が吹き始めた。危険を感じて1張りは最初からたたんだので、まるで露天のような展示エリアになってしまった。

土曜日のブース。朝から1張りのテントをたたんだので露天で皆、日に焼けた。女子が多いのに……。この後左のテントもたたむことになるとは

 それでも多くの家族連れや友人同士、ラリーファンが来てくれ、中には差し入れまでしていただいたのには感激した。ありがたいばかりである。

 いったん収まるかに見えた風も、もう限界とテントをたたむ段に最強になった。最悪だ。支柱にしがみつく者。横幕を必死にはがす者、ウェイトを外そうと格闘するもの。阿鼻叫喚の現場である。はたから見ていたら何を騒いでいるんだろうと思われたに違いない。全員格闘の末にまとめたときは妙な達成感で、全員でラリーを経験したような気分だった。

日曜日は天気もよく穏やかな風が吹いている中で2張りのテントを展開できてホッとした

 ラリーは新井大樹選手がシュコダからGRヤリス・ラリー2に変更した初戦を独走で飾った。ぶっつけ本番だったが最新のヤリス・ラリー2は走りやすいとのコメントどおり、マージンを取っての快走だ。今年、全日本と共に欧州でも活動する場を設けた新井選手に幸先の良い勝利になったに違いない。

 2位には勝田範彦選手のヤリス・ラリー2。3位には鎌田選手のシュコダが滑り込んだ。歴戦のADVAN号、奴田原選手は手堅く走って4位に入った。

2年目のADVAN KTMS GRヤリス・ラリー2。この後「順調!」と言って出て行った。最終日は4位で帰ってきた

 我がカヤバ号は昨年から続く駆動系の持病が完治せず、スーパーFFに変身する悪癖が続く。クラッシュやコースアウトでデイ2、デイ3ともリタイアになってしまった。次は1か月後の九州・佐賀での開催である。持病を完治させて頑張れカヤバ号!

クラッシュの修復作業に入るカヤバ号。なかなか持病が完治しないようで苦戦が続く
日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。