日下部保雄の悠悠閑閑
新型CX-5
2026年5月25日 00:00
CX-5はマツダにとって重要なモデル。世界130の国と地域で販売され、グローバルでは年間33万台、累計500万台に上る。国内ではマツダ車の4分の1を占めるヒット作だ。
第3世代のCX-5は2.5リッターガソリン・マイルドハイブリッド1本にしぼられる。低速トルクはモーターのサポートで、回転の伸びはガソリンエンジンのよさを融合したユニットだ。
デザインはマツダのラージプラットフォーム群にも通じる伸びやかさがある。ボディサイズは4690×1860×1695mm(全長×全幅×全高)でワンサイズ大きく、ホイールベースも115mm長い2815mmになった。後席分には+70mmが与えられ、ヘッドクリアランスもタップリした余裕の後席になった。ラゲッジルームもベビーカーが縦に入る前後長を持ち、隣に中型スーツケースも収まるといった利便性が大いに高まった。
インテリアはマツダらしい清潔感のあるデザイン。15.6インチの大型センターディスプレイを上級グレードに導入して華やかだ。ステアリングスポークに設けられたACCやオーディオスイッチが整理されており操作しやすい。ここは操作系の特等席だけに、よく使うスイッチは整理してさらに集約してほしい。
マイルドハイブリッドは60.5Nmのモーターアシストで期待以上だった。発進時にもたつかない加速力があり、Gグレードの1670kg(FF)/1740kg(4WD)の重量に対して軽快な加速感があった。十分なパワーユニットだと思う。
トランスミッションは従来通りのトルコン6速AT。変速も滑らかだがアクセル開度によっては躊躇するときがあるのは今後の課題だ。
さて燃費だが、体感ではアクセルオフでのコースティングがかなり伸びた。データでは約10%の燃費改善を図ったという。FFでのWLTCモード燃費は15.2km/L。余裕のある排気量で燃費を改善するマツダのコンセプトに則ったパワーユニットに仕上がっている。
新型CX-5の美点の1つは室内の静粛性。まず風切り音はAピラーやドアミラーまわりの風の流れを整流し、吸音材を効果的に配置して耳障りな周波数が抑えられた。前後席の会話は速度にかかわらず明瞭だ。ロードノイズも同様でアスファルト路面の一部では音質が変わるが、後席でも静かだな、と感じた。
乗り心地ではピッチングを抑えて姿勢変化が少ない。荒れた路面でもサスペンションの追従性がよく、2代目では後輪からくる硬さがあったが、かなり改善され角の取れたものになった。大雑把に言えばバネをソフトにして、ショックアブソーバーの応答性を向上させたことが大きい。特にショックアブソーバーはサイズアップされて余裕がある。
これまでのCX-5のハンドリングは質を変えて新型にも受け継がれた。一言で言えばステアリング応答性は穏やかに、ライントレース性は正確に、である。特に感じたのはコーナリング中の凹凸での接地力が高く、ステアリングに伝わるキックバックも小さいことで安心感が大きく向上した。乗り心地とハンドリングの両立である。
とがったところが丸くなって質的向上を上手にまとめたのが新しいCX-5だと感じた。そうなるとマツダらしいとがった個性をもっと見たくなる。あまのじゃくだな。






