日下部保雄の悠悠閑閑
ハイブリッドラリーカー
2026年9月28日 00:00
2025年11月に行なわれたラリージャパンを最後に、ラリーから離れている。ラリージャパンでは最高に楽しいラリーを満喫させてもらい、充実した1週間を過ごすことができた。
そのヤリスCVTを擁するマッスルラリーチームの友田監督から連絡があったのは、まだ夏の暑い時期だった。「全日本の最終戦、モントレーに参加する予定なので、しばらくそのクルマに乗っていてください」と、赤いクルマを東京まで持ってきてくれた。
ラリー車というのは、アクアGRスポーツだ。アクアといえばハイブリッド。ハイブリッドのラリードライビングのコツをつかむように、という意味だと受け取った。
ハイブリッドは、電気を使えるところではトルクがあって速い。しかし、搭載するバッテリは小さく、登坂路でアクセルを踏み続けていると、瞬く間にバッテリを使い果たし、重い1.5リッターのFF車になる。なかなか難題である。
ドライビングのコツを探るべく、しばらくアクアで走った。富士スピードウェイでも走らせてみたが、そもそも高速すぎて要領がまったくつかめない。次は峠道を走らせてみた。アップダウンのある峠道では回生するのが早いことが分かったが、やっぱり「???」が付きまくりだ。
しかし、THS搭載車では、すでに天野さんや清水和夫選手も実績を出しており、全日本のJNXという実験車的なクラスで何年も戦っている。
そこで清水君に教えを乞うた。まずSS前にバッテリの充電量を上げておき、減速区間ではできるだけ回生を得て、コーナリング速度を上げる。また下りでは回生できるので、それを見越したドライブモードと走り方をするという。
これまでより、アップダウンのマークがペースノートに記載されることが多くなり、レッキから忙しそうだが、実戦でできるようになるまでにラリーが終わってしまいそうだ。
それに、最近の走り方は、大舵角でアンダーを出しながら曲がるのが主流だという。自分にとってラリードライビングとは、コーナーに入る前にアンダーステアを出さない姿勢を作ることというのが体に染みついている。アンダー気味に走るのは、コーナーの深さと路面が分かっているときだけだ。
やっぱり無理だな、ボクには……。
ところで、THSの中でバイポーラ型のニッケル水素電池を搭載したのはアクアが先駆者。ハイブリッドでも主流はリチウムイオン電池だ。バイポーラ型の特徴は、大容量の電気の出し入れが得意なことと、コスト削減につながる将来性のある技術である点だ。
アクアは、2025年に乗ったヤリスCVTよりホイールベースが2600mmと50mm長く、その分、重量も重い。さて、どうしたものか? 悩みは深まるばかりである。



