まるも亜希子の「寄り道日和」
イタリアンナイトで感じた「やっぱり人生、楽しんでナンボ!」
2018年12月13日 00:00
そろそろ忘年会シーズン突入ですね~。あちこちで華やかな宴が見られることでしょうが、私がひと足先に楽しませていただいたのは、ちょっと珍しい「イタリアンな夜」。それも2週続けて、濃ゆ~い時間を過ごしてまいりました。
まず最初は、東京・青山通りに店舗を構える「アルファ ロメオ青山」のオープン1周年を記念したパーティで、カーグラフィック誌の顔とも言える加藤哲也さんとトークショーをさせていただきました。会場内には2017年にデビューした「ジュリア」や今年登場した「ステルヴィオ」が飾られていたのですが、ご自身もアルファ ロメオ「4C」、ジュリアと長期テストを兼ねて乗り継いでいらっしゃる加藤さん。アルファ ロメオにまつわる裏話、本音、よもやま話が出るわ出るわ、大盛り上がり! ジュリアは乗り始めて約7か月、走行距離が1万5000kmを超えたところで、トラブルはほぼナシ、との言葉にお客さまも「ほぉ~」と安堵!? いや意外!? さまざまな反応がありました。これからジュリアに乗り換えを検討している方もいらっしゃったようで、やっぱりそうした実体験からの本音トークって、一番知りたいところですよね。さすがは加藤さん、という盛りだくさんな内容でした。
そしてお客さまからの質問コーナーで印象的だったのが、「ドイツ車と比べてイタリア車のよさは何ですか?」という質問。確かに、スペックや装備内容だけで見ればドイツ車の方が上に思えるので、それでもあえてイタリア車に乗る、その理由は何なのか。気になる人も多いことでしょう。
加藤さんのコメントは、「官能的であること」。どんな時にも心に響くものがあるというのは、私もとてもよく分かるなぁと思いました。それに加えて、この業界に入ったきっかけが古いイタリア車だった私がコメントしたのは、「こちらが何かミスをしても、怒ったり突き放したりするのではなく、面白いツッコミを返してくれるような懐の深さがあること」でした。すべてに当てはまるわけではないですが、イタリア車って不思議とそういうところがあるように感じるんですよね。例えばコーナリング中にシフトミスをして、普通ならスピンしたり失速して止まってしまうような場面でも、イタリア車はオシリを振ってドリフトしていって、結果的には楽しくなってしまうような、そんなイメージ。私が乗っていたのは1970年代の古いフィアット車でしたが、スイッチを押そうとしてポロッと取れちゃっても、なんとなく押し込んだら前よりちゃんと作動するようになったり。そんな、こっちがボケたらツッコミでカバーしてくれる、みたいな楽しさがありました(笑)。
まあ、それを「よいところ」と言えるのかどうかは人それぞれでしょうけど、きっと退屈はしないと思うんですよね。イタリア車に踏み込もうかどうしようか悩んでいる方がいたら、とりあえず1度は乗ってみてほしいと思います。
さてもう1つの夜は、ワタクシ史上、近年まれに見るゴージャスなパーティでございました。ヒルトン東京で開催された、ICCJ(在日イタリア商工会議所)主催のガラパーティで、メインスポンサーのFCA ジャパン、マセラティを筆頭にアリタリア航空、フェラーリ、Fedexエクスプレス、サルバトーレ・フェラガモといった、有名なイタリアンブランド/企業が大集結。参加者には超VIPもたくさんいらっしゃって、あちこちのテーブルでイタリア語、英語が飛び交っていました。
お料理もワインも余興も本当に素晴らしく、サプライズがあったりでみんなが楽しそうだった中、私が感心したのはパーティ会場内に飾られていたアバルト「695」の存在感。もちろん、フェラーリやマセラティのモデルも飾られていて、価格も高いしスポーツカーだし、真っ赤なボディカラーも派手なんで、それが目を惹くのは当然だと思うんですが、アバルト 695はコンパクトカーですよね。しかもボディカラーは決して派手とは言えないグレー。それなのに、クルマの前で写真を撮る人が引きも切らず、すごい人気なんです。
それを見ていたら、ふと考えてしまいました。日本車で、こうしたパーティ会場に飾って映えるコンパクトカーってあるかなぁと。こんなにたくさんの人が一緒に写真を撮りたいと思えるコンパクトカーって、何台あるかなぁと。
みなさん、どうでしょうか? 私は2~3台しか思い浮かびませんでした。コンパクトカーには、どうしても実用性を一番に求めてしまうものかもしれませんけど、それをほんの少し削ってもいいから、ひと目惚れされるようなデザイン、カラー、そしてオーラを纏ったコンパクトカーがもっと登場してほしいなぁと、しみじみ感じたんですよね。2週続けてのイタリアンナイトは、「やっぱり人生、楽しんでナンボ!」なのだと、2019年に向けてパワーをたっぷり与えてくれたのでした。