まるも亜希子の「寄り道日和」

東京オートサロンでトキめいてしまったクルマたち

モデリスタブースでのトークショーは、1月7日に一部改良された「ノア」に新設定された、モデリスタのコンプリートモデル「MU」のご紹介がテーマ。販売企画担当の宮入崇弥さん、MCの本田淑子さんと3人で話しながら、2列5人乗り仕様となったノアを楽しく便利に使い倒す、多彩なアイテムたちに感心しっぱなしでした

 過去最多となる33万666人の来場者数を記録して閉幕した、東京オートサロン 2019。私も3日間、会場に通ってその熱気を満喫させてもらいました! 2019年はトヨタブースの向かい側、モデリスタブースでのトークショーに加えて、土曜日の1月12日には「くるまマイスター検定」を受験してくれた方の中から抽選で20組をご招待し、会場を解説しながら練り歩くガイドツアーのガイドも担当させていただいたんですよ~。もう、声はガラガラ、足はパンパンでしたが(笑)、クルマの大好きな皆さんと一緒に過ごせて、いろんな刺激をもらって、私自身も心から楽しんだ3日間でした。

 で、主な出展車両やニュースはCar Watch本編でたくさんお伝えしていると思いますので、ここでは私が女性目線でキュンッとトキめいてしまったクルマたちをご紹介したいと思います。

 まずは、会場をくまなく見て歩いた中で、今年のトレンドはコレだ!と感じたのが、クルマの上に後付けで搭載しているポップアップテント。ルーフテントとも呼ばれていますが、キャンプやロングドライブなどで、休憩や宿泊を快適にしてくれるアイテムですね。それが、軽バンや軽トラック、昨年登場して大人気の新型「ジムニー」に搭載されている出展車両がたっくさんあったのです。もちろん、ただ搭載するだけでなく、軽自動車そのものもアウトドア仕様やアーミー仕様、ポップな雰囲気などにちゃんとカスタムされているのがオートサロンならでは。これなら見た目が楽しいだけじゃなくて、「今度の休みはどこ行こう?」って、ワクワクできるのがすっごくイイなぁと感じました。キャンピングカーを買って、それを維持していくことを考えるとちょっと非現実的かな~と腰が引けてしまうけど、軽なら維持費も抑えられるし、置いておく場所もとらないし、夢が広がりますよね。

ポップアップテントを搭載した軽自動車のカスタムの中で、一番惹かれたのがこちらの「T-STYLE AutoSales」さんのブースに展示されていた「SUPER D's Pick」。何も知らずにスタッフに声をかけようとすると、アレ?どこかで見たような……? なんと、自動車雑誌『Daytona』がプロデュースした車両でした(笑)。スズキ「スーパーキャリイ」をベースにカスタムし、テントは今春に新発売するという「ALUDOA ルーフテント」。国産車にジャストサイズなSサイズ、大型SUVにもぴったりのLサイズがあり、Sサイズでも大人2人+子供1人で利用できるとのこと。これがあったらお出かけがもっと楽しくなりそうですよね~

 さて、お次は女性目線というよりママ目線でトキめいてしまった、ランボルギーニのペダルカー。何がいいって、キラッキラのメッキ塗装がいいじゃないですか。交通事故防止の視点からも、子供に着させる洋服や傘などの持ち物、オモチャに至るまで、すべてビビッドで目立つ色の方がいいと思っている私としては、このキラキラ塗装は最高です。

こちらが「ダイテック」さんのブースに展示されていた、最新の銀鏡塗装を施したランボルギーニのペダルカー。カスタムに欠かせないメッキ塗装だからこそ、他社との差別化が必要なんですね

 しかも、資料をいただいてよくよく見てみると、このキラキラ塗装は古くからある技術「銀鏡塗装」を進化させた特許技術によって塗られているとのこと。従来の銀鏡塗装の弱点だった黄変、シケ、剥離などを解決したほか、スプレー作業による効率化も実現したというのがスゴイ。また、有害な金属を使わず、銀で表面を加工することで排水処理の段階で生じた銀を有価証券として換金するという、環境にも企業にも優しいメリットがあるそうです。たまたま「かわい~」と目に止まったペダルカーに、そんな先進技術が隠さているとは……! こういう驚きがあるのも、オートサロンの面白いところです。

 そして、やっぱりオートサロンの目玉といえば、「ここまでやるか~」と仰天させられるカスタムカーたちですよね。今年も期待を裏切らないラインアップでしたが、その中で私が独断と偏見で選んだNo.1が、「エルティード」さんのブースに展示されていた「エレガントムーヴ」。実は私、ジュエリーブランドのティファニーが大好きなんですが、ボディの色といい、そこに描かれたリボンといい、ティファニーのボックスそっくりなんですよ~。なるほど、この手があったかって、そのセンスに心をギュギュッと掴まれてしまいました。

 しかも、室内をのぞいてまたビックリ。後席の背もたれがくり抜かれてスピーカーボックスが設置されていて、その中にはたっくさんの本物のティファニーBOXがLEDで照らされておりました。いや~、これでどれか1つに指輪が入っていて、彼女にプロポーズ!なんてサプライズがあったら感激じゃないですか?大掛かりすぎるかなぁ(笑)。でもまぁ、なんとも女ゴコロをくすぐるカスタムに心から拍手でございました。

女ゴコロをギュギュッと掴まれた、こちらのカスタムカー「エレガントムーヴ」。しかし、ただ何の意味もなくティファニーを模していたわけではなかったのです。実はLED加飾で、綺麗な光のラインで見せるLED NEONと、宝石のように光るJewelry LEDを使い分けており、コントローラーによって調光や光の演出が可能とのこと。50Ahの車両バッテリーで約10時間点灯できるそうです。ジュエリーつながりだったのですね

 そんなわけで、オートサロンの楽しみ方はたっくさんあるのですが、私の場合はこうした、どこかに遊び心やワクワクする仕掛けを感じるものを見つけることに、最高の歓びを感じている次第です。クルマは、楽しんでナンボ。それを再確認させてもらった東京オートサロン 2019でした。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。