まるも亜希子の「寄り道日和」
日帰り旅行で楽しめる東京ドイツ村「チャイナランタンフェスティバル」
2019年2月7日 00:00
私は中国が大好きです。と言うと、「エッ?」と驚かれることも多いのですが、好きなものは好き。その理由は、私たち団塊ジュニア世代がひと足遅くて体験できなかった、日本の高度成長期の熱いモータリゼーションを、中国で疑似体験させてもらったからです。
2008年に初めて北京モーターショーに行った時の、誰も止められない勢いある会場の熱気、人々がクルマを見つめる瞳の輝き、興奮、そういった輪の中に入ることができて、私も思わずゾクゾクするような熱い気持ちになりました。クルマが憧れの対象で、ひと目見ようと押し合いへし合いモミクチャになる感じ。「これが、先輩たちから聞いていた、日本の1980年代モーターショーの感覚なんだ!」と、ようやくストンと理解できたような気持ちになりました。いや~、隣国での疑似体験とはいえ、あれは嬉しかったなぁ。
それに、取材の合間に街でショッピングやマッサージ、食事をした時に出くわした、珍事件の数々。どれも日本ではまず体験できないことばかりで、ものすごく面白かったのです。お店やレストランの人たちも、最初はぶっきらぼうだけど、こちらが覚えたての中国語で話したりするうちに、だんだん仲よくなったり。探しているものがうまく伝えられない時は、メモ帳に漢字を書いて「筆談」で理解し合えたり。欧米では感じられない、つながりを実感できるのも好きなところの1つです。
さて、そんなわけで私には以前から、気になっていたイベントがありました。それが、日中友好40年を記念して開催されている「チャイナランタンフェスティバル」! これは中国では唐の時代から続く、春節に開催される伝統行事で、四川省自貢市の「自貢灯彩」が世界最大として有名です。
それがついに日本にもやってきたわけなんですが、開催場所がなぜか東京ドイツ村!? やや腑に落ちないものもありつつ(笑)、とにかく東京湾アクアラインをひとっ走り、千葉は袖ヶ浦へと出かけてみたのでした。
東京ドイツ村といえば、今年でもう13回目の開催になるイルミネーションが有名で、入場料2500円(乗用車1台)を払うとそちらは無料で見られます。ゲートをくぐる前から、夜空に浮かび上がる色とりどりの美しいイルミネーションに、娘と友人も一気に大興奮! 「ママ、はやく行きたい~」と娘に急かされつつ、入場してきました。
で、通常のイルミネーションの方だけでも、すごく綺麗だしけっこう歩くし、満足度は高いのですが、そこからまた別料金で、当日券2000円を支払い、高さ12mという大きなバラの入場門をくぐると……そこが「チャイナランタンフェスティバル」の会場です。日本では平安時代にあたる、中国の唐の時代。そこから伝わった和傘の原型ともいえる花傘のトンネルにうっとりしつつ、そこを抜けた私たちは、思わず「ええ~っ!」と驚いてしばらく呆然としてしまいました。
目の前に広がる光景といったら、さっきまでのドイツ村とはまったく別世界、異次元、異空間! 高さ12mの巨大ランタンで作られた見事な「天壇(てんだん)」は、明の永楽皇帝が作り上げた中国建築の至宝です。湖には大きな白鳥や蓮の花、竹林などがド迫力なスケールで描かれ、エキゾチックな世界を創り出しています。
そして圧巻の龍、船、万里の長城! なんだかもう夢の世界に迷い込んだようで、足が地面についているのかいないのか、フワフワした感覚になってくるほどです。このスケールの大きさは、間違いなく中国。東京から1時間ちょっとで、中国にたどり着いてしまったような不思議な気分にさえなってきます。
な~んて私が全身で中国を満喫しているところへ、突如として現れたのは……。ん? ドイツビールの巨大ランタン? なんでここでドイツに引き戻されるのよ~。もうちょっと中国に浸らせてよ~。とまぁビックリな場面もありましたが、こんなアベコベ感も、考えてみたら中国っぽいかもしれないですね(笑)。
会場内では1日に3回ほど、中国雑技団によるショーも披露されています! 残念ながら私たちは、娘が「お腹すいた~、ラーメン食べたい~」と限界に達していたので無理でしたが、目の前で雑技団が見られるなんて、さぞや迫力あったでしょうね。それに、屋台ではいろんな中国のグルメや民芸品なども並んでいて、そこを冷やかすだけでも楽しいですよ。
自分のクルマを走らせて、まるで中国に日帰り旅行できちゃう気分の「チャイナランタンフェスティバル」。きっと、いつもとちょっと違うドライブが楽しめると思います♪