まるも亜希子の「寄り道日和」

幸福の黄色い新幹線

現れた瞬間、大人たちからも歓声が上がった、ミニミニのドクターイエロー! 大人も子供も1名410円で、走行距離2.1km、約20分の旅が楽しめます。オープンエアなので、ぽかぽか陽気の日には気持ちよくて眠ってしまう子供もいるんだとか(笑)

 春の訪れをいち早く感じさせてくれる、わが家恒例のレジャーといえばイチゴ狩りです。これまでは「ロマンの森共和国」や道の駅など、レジャー施設に併設されているイチゴ農園に行っていたのですが、今年は初めて個人のイチゴ農家さんにお邪魔してきました。

 行く前に惹かれたポイントは、40分食べ放題で大人1700円という、太っ腹なところ(笑)。これまでは30分制限で2200円ぐらいのところが多かったんですが、断然リーズナブルです。しかも、案内係のお兄さんは「みんな、お腹いっぱいになったら出てくると思うんで、とくにこちらでは時間を計ってないですから~」と、かなりフレンドリー。設備的には、お手洗いが簡易トイレだったり、駐車場からハウスまでが少し離れているなど、小さな子供がいるファミリーにはちょっと不便なところもありましたが、自由気ままに好きなだけイチゴを堪能できて、大満足の恒例行事になりました。

有名な「紅ほっぺ」や「章姫」に加えて、千葉県ならではの「チーバベリー」、珍しい白いイチゴの「ホワイトエンジェル」など、5~6品種が40分食べ放題の「鈴木苺園」。フレンドリーな対応に、子供たちものびのびとイチゴ狩りを楽しんでいました

 で、今回はイチゴ狩りだけでなく、そのあとに訪れた場所で思いがけない「ラッキーアイテム」に遭遇できたんです。

 その場所とは、千葉県山武市にある「蓮沼海浜公園」。ここには、日本一の走行距離を誇るミニトレインがあるのですが……。私が以前訪れたのは、2010年ごろのこと。その時は懐かしいSLのミニトレインだったので、今回もそれが出てくるものとばかり思ってホームで待っていると、なんと! その姿を見た人は幸せになれるという幻の新幹線、ドクターイエローが目の前に現れたではないですか! 甥っ子たちは大喜び、大人も思わず「おお~っ」と歓声をあげてしまいました。

 ミニトレインはペットは乗れませんが、幼児も保護者同伴なら大丈夫。1歳の甥っ子はちょうどクルマや電車に夢中な時期らしく、大興奮です。

 車掌さんが先頭に乗り、発車のホーンを空高く響かせて、いよいよ出発。1周2.1km、乗車時間にして約20分という長旅へと走り出しました。スピードは大人なら小走りで追いつくくらいのものですが、この日はぽかぽかと暖かい日差しの中、風を切って進むのがとても爽快でした。

乗車風景はこんな感じです。走り出してわりとすぐに通過するトンネルは、ちょっとドキドキ。坂道でもけっこう力強く走って行きます

 ただ、2010年に乗った時とは何かが違う……。私はドクターイエローに揺られながら、それが何かを考えていたのですが、確かもっと、高い木が並ぶ森の中を走ったり、鉄橋のような橋を渡ったり、景色が目まぐるしく変わる中を駆け抜けて行くことに感動した記憶が。それが今回は、枯れ木が立ち並び、子供の背丈ほどの松の木がポツポツと立っているような、見渡す限りの平野が広がる中を走っていく感じです。これはおそらく、2011年3月に起こった東日本大震災による津波の影響だと思います。千葉県の外房も、沿岸部は大きな被害を受けたとは聞いていましたが、まさか今になってそれを実感させられるとは思いませんでした。

 でも、その被害に負けずミニトレインが今も走っていて、しかも車庫にはドクターイエローだけでなく、新幹線「はやぶさ」などの姿も。以前より人気が高まっていることがうかがえて、とても嬉しくなってしまいました。これから少しずつ景色も変わっていくことでしょう。もしかして、娘が自分の子供を連れて来るころには、また森の中を走るミニトレインになっているかもしれません。そんな日が来ることを、幸せの新幹線に揺られながら願った時間にもなりました。

 この蓮沼海浜公園には、ほかにも3歳以上から遊べる巨大創作遊具「ビッグウェーブ」や、変わり種自転車、ボールプールで思いっきり遊べる「キッズジム」など、ファミリーが楽しめるアトラクションがたくさんあります。園内はお散歩するだけでも広くて気持ちのいいところなので、ワンちゃんとのお出かけにもオススメです。皆さんもぜひ、千葉県で会えるドクターイエローでハッピーになってくださいね♪

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。