まるも亜希子の「寄り道日和」

日本で愛される「カングー」が集まる「カングー・ジャンボリー」

第11回「ルノー・カングー・ジャンボリー2019」には、2018年をはるかに上まわるカングーが大集合! 色とりどりのカングーが並ぶと、それだけでウキウキしてしまうのが不思議です

 本国フランスでは郵便配達車「La Poste」をはじめ、はたらくクルマとして愛されているルノー「カングー」ですが、日本ではフレンドリーなファミリーカーとして、はたまたオシャレなビジネスカーとして、独自の人気を誇っています。それはひとえに、販売元であるルノー・ジャポンの努力の賜物! 日本のミニバンにはとうていラインアップされないような、黄色やグリーン、ピンク、オレンジといったカラフルなボディカラーを用意して、ときには本国でも売られていないような特別なカラーを限定販売したり、観音開きのバックドアを生かしてイベントで使ったりと、遊び心いっぱいに日本でカングーを育ててきた証だと思います。

 そんなカングーがどれほど日本で親しまれているのかは、ここに来れば一目瞭然。年に1度、山中湖で行なわれるカングーオーナーのためのイベント「ルノー・カングー・ジャンボリー2019」が、5月19日に山中湖交流プラザ「きらら」にて盛大に開催されました。私はその第11回目となったカングー・ジャンボリーにて、ステージでのMCを務めさせていただいたんです。相方は、カングーで日本1周キャラバンをやったりと、早くからカングーの魅力を発信し続けてきた自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤孝洋さん。そう、私はTipo編集部出身ですから、身内のようなものですね(笑)。

 数年前に、そのカングーキャラバンで東北を巡るルートに同行させていただき、カングーオーナーの皆さんがたくさん集まるイベントも体験していたので、すごい熱気ということは承知していた私ですが、いやいやいや、やっぱり本家カングー・ジャンボリーはレベルが違う! なんたって、朝4時にはもう入場待ちのカングーが並びはじめ、開場を早めたそうなんです。カングーの行列はどんどん延びて、私が到着した朝7時にはすでにメイン駐車場はほぼ満杯。それでもまだまだ行列は途切れず、山中湖周辺は2km以上の渋滞に。すごいですよね~。朝8時の時点で外を見たら、もう見渡す限りカングーだらけで圧巻の光景でした!

フリーマーケット会場は、こんな感じでいろんなものが並べられていて、見て歩くだけで楽しい♪ 売る人も買う人も「カングー好き」という共通点があるので、交渉成立しやすいのかな? あちこちで話に花が咲き、とってもフレンドリーな雰囲気でいっぱいです

 カングー・ジャンボリーは、みんなが自分たちのカングーを好きに使って、キャンプをしたりフリーマーケットで手作りの品を売ったり、広場にピクニックシートを広げてのんびりくつろいだり、思い思いに過ごす「フレンチスタイルの休日」がテーマです。カングーのオーナーさんもそうでない人も、誰でも入場無料というのが太っ腹! 毎年、美味しいものを取りそろえたキッチンカーや、地元の名物などを並べるマルシェもたくさん出店しているので、あちこちからいい香りが漂ってくるし、お土産に袋いっぱい買い込んでいる人もたくさん見かけます。

 そして今年は、フランスでは年間1000以上の大会が開催されるほど人気だというトレイルランに挑戦しているアスリート、上田瑠偉選手と一緒に山中湖畔を走るイベントや、プロバスケットボール・Bリーグで活躍中の「東京エクセレンス」からは椎名選手と上松選手、応援キャラクターのTex(テックス)がやってきて、ミニバスケ教室を開催したりと、子供から大人まで一緒に楽しめるイベントが盛りだくさん。愛犬を連れたファミリーに向けて、ドッグスポーツ競技を体験できるコーナーがあったり、子供連れのファミリーも本当に多いので、輪投げやフリスビーなどキッズコーナーや飴細工体験、大道芸人によるパフォーマンスなども会場のあちこちで行なわれて、どこでも楽しめるよう工夫されていました。

 ステージ開始までの時間にあちこち歩いてみたんですが、カングーのバックドアを開けると、そのオーナーさんの趣味趣向、抜群のセンス、普段からどれだけカングーを上手に使っているか、というのがよく分かるのが面白いところ。例えば、バックドアを開けた荷室を、フランスの街並みのフィギュアを展示するショーケースに見立ててみたり。はたまた、純正のままだと今ひとつドリンクホルダーが使いにくいカングーなので、革や木材などで自作して便利に使えるようにしていたり。フレンチシックな手作りカーテン、クッションや敷物などを並べて、まるでリビングルームのように仕上げていたり。本当に、1台1台じっくり見たいくらい、個性的な使い方をしているオーナーさんが多いです。それを見て周るだけでも、とっても楽しいと思いました。

朝9時30分にスタートしたオープニングイベントは、芝生でくつろぎながらたくさんの人が見てくれました。ち~さいですが、ステージ上で喋っているのが私です(笑)

 そしていよいよ、9時30分にステージにてオープニングトークがスタートすると、もう目の前にはたくさんの人たちが! みんなそれぞれ、の~んびりと楽しんでくれている雰囲気が伝わってきて、嬉しくなってしまいました。子供たちもそこら中で元気に走りまわっているのが、ほかのクルマイベントではあまりない光景です。カングー・ジャンボリーでは原則として会場内ではエンジン停止がお約束なので、安心して子供を遊ばせておけるんですよね。

 14時のイベント終了時に発表された速報によれば、なんと来場者は5000人を突破! すべての来場車両は2000台以上、カングーの台数は1714台に上ったそうです。2018年が1200台ほどだったそうなので、500台も増えたんですね~。いや~、どこまで増えるのか、これからも楽しみになってしまいます。きっとカングーはみんなにとって、毎日の暮らしや、好きなことを表現するキャンバスのような存在。思い思いにクルマを楽しむ1714通りのお手本がここにはあると感じました。まだカングー・ジャンボリーを未体験のオーナーさん、オーナー予備軍さん、いえいえもちろん今のところ興味がない人も、ぜひ来年は遊びに行ってみてくださいね♪

オフィシャルショップでも、カングーが日ごろから活躍していることがうかがえます。こちらは「ル・コック・スポルティフ」のブースに展示されていたオフィシャルカングー。フランスの有名なイラストレーター、グレッグ・ポデヴァン氏によるものだそうで、オシャレですよね~

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。