まるも亜希子の「寄り道日和」
“憧れのクルマ”「300SL」と「SVX」
2019年6月20日 00:00
死ぬまでに1度は乗ってみたい“憧れのクルマ”。皆さんそれぞれ胸に秘めているのではないでしょうか?
私にはそんなクルマが3台ありまして。どれも、幼いころに映画で見て「いつかは」と思ったものだったり、この業界に入ってから先輩たちに話を聞いて、「うわ~、乗ってみたい!」と鳥肌立ったり、きっかけはイロイロなんですが、そのうちの1台であるメルセデス・ベンツ「300SL」は、2012年6月になんとイギリスで、念願叶って乗ることができました。
1950~1960年代に現在の「SLクラス」の初代モデルとして登場した300SLは、なんと言ってもガルウイングが特徴的。最初に見たのはどこだったか、私は丸目のヘッドライトやセクシーなボディラインにもひと目惚れで、こんなに美しいクルマがミッレミリアをはじめとしたモータースポーツで大活躍していたなんて、生で見てみたかったなぁと憧れたものでした。もしかしたら、母が石原裕次郎さんの大ファンだったので、その愛車として有名だった300SLを見たのが最初かもしれませんけどね(笑)。
そんな憧れの300SLでのドライブを叶えてくれたのは、メルセデス・ベンツが本国で大切に動態保存している1台。2012年はSLの50周年記念の年だったこともあって、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで記念の催しがあり、たまたまそれを取材するツアーに参加させてもらったところ、くじ引きでドライブ権をゲット! ジャーナリストの先輩・佐藤久実さんと2人1組になって、イギリスのモータースポーツ発祥の地であるブルックランズから走らせてもらいました。
当時の私のブログには、「ガルウイング開けて、ヨイショと幅広サイドシルを乗り越えてシートに座れば、そこは1950年代☆ 窓は三角窓しか開かないし、シートは意外とふかふかだし、カルチャーショック満載でしたよ」と書いてあります。
途中、グッドウッドに向かうクルマで大渋滞になり、ジリジリと上がる水温に心臓がバクバク! 車内にはモワーッとした熱風が出てきて、たまらずガルウイングを開けたままノロノロと走ったことを思い出します。それでも、あの「時代を飛び越えてドライブしている」感覚はもう、夢の中にいるような気持ちでした。またいつか、再会できたらいいな。
さて、時は巡って2019年。しかもつい1か月前。2台目の憧れのクルマ、スバル「アルシオーネ SVX」に乗ることができたのです! きっかけは、数年前に何かのアンケート企画で「いつか乗ってみたい憧れの国産車はなんですか?」という質問に私が「SVX」と答えていたのを、「SUBARU MAGAZINE(スバルマガジン)」の編集者さんが覚えていてくださってのこと。同誌ではボロボロの状態からコツコツとレストアして仕上げたSVXを所有していて、「タイヤも替えて、いい状態になったので、よろしければ試乗しませんか?」とお声がけいただいたわけなのです。そりゃもう、速攻で「ぜひ!」とお返事しましたよ~。
アルシオーネ SVXは1991年~1997年に販売されていた、スバルとしてはとても珍しい2ドアクーペモデルで、3.3リッターの水平対向6気筒エンジンを搭載。デザインのベースはかの有名なジウジアーロということで、どこか宇宙船のような雰囲気さえ漂う独創的なところがたまらないじゃないですか!? 私は20年前に、ジャーナリストの大先輩からこのアルシオーネ SVXに乗った時の衝撃をとーとーと聞かされ、そんなにすごいクルマがあるんだ!と、密かに「いつか乗ってみたいリスト」に仲間入りさせていたのでした。
20年越しでついにドライブした感想は、ぜひスバルマガジンの最新号 Vol.22をご覧いただきたいのですが、偶然にも同じようにアンケートでSVXと書いていた(笑)という先輩・竹岡圭さんとご一緒して、大盛り上がりしちゃいましたよ。
そして残るはあと1台。それは小学生のころに映画で見て以来、ずっと心に刻まれている1959年のキャデラック。そう、プレスリーやマリリン・モンローもこよなく愛したという、とんでもなく大きなテールフィンが特徴的なオープンカーです。できればやっぱり、色はピンクがいいなぁ……。いつかドライブする日が来るのかどうか、ドキドキしながら楽しみにしていたいと思います。