まるも亜希子の「寄り道日和」

自動車教習所で「コソ練試乗会」

日産自動車の企画「コソ練試乗会」が開催されたのは、東京都大田区にある「ラヴィドライビングスクール蒲田」という自動車教習所。外周路の内側に坂道や踏切、クランクなどの規定コースがあって、いや~、懐かしい光景です(笑)。普段の教習車には、ハローキティがラッピングされた日産「ティーダ」が並んでいました

 もう一生、ご縁のない場所だと思っていた自動車教習所。普通は、ちゃんと卒業して運転免許を取り、規則を守って安全運転をしていれば訪れることもない場所ですものね。

 それがですよ、まさかまさかの思わぬ形で、25年ぶりにお邪魔してきた私。いえいえ、免停とかわるいことしちゃったワケじゃぁありませんよっ。でも久々に、懐かしの教習コースを走ってきちゃいました~!

 そのまさかまさかとは、日産自動車がファッション誌やライフスタイル誌などの編集部に向けて開催した、名付けて「コソ練試乗会」(笑)。なんでコソ練かというと、私も女性ファッション誌などで記事を書かせていただくたびに感じていたのですが、編集者の皆さまにはペーパードライバーの方がとっても多いのです。本当はクルマが好きだし乗りたいと思っていても、多忙だったり会社の規則で仕事中の運転禁止だったり、利便性を第一に考えた住まいでは駐車場代が高すぎて愛車が持てない、などの諸事情で「しばらく運転してないな~」という人がほとんど。

 なので、クルマの魅力をもっと知ってもらいたいなぁと思っても、デザインや機能の説明はできるのですが、肝心の「走ってナンボ」「使ってナンボ」の部分の魅力がうまく伝えられないことに、もどかしさを感じるところも多々あったわけなのです。それに、ごくまれに「クルマ大好き、しょっちゅう運転してる」という編集者がいたとしても、「マニュアル車とかスポーツカーはご無沙汰しちゃってるんですよね~。たまには乗りたいんですけどね~」なんて声が聞こえてくる。

 というわけで、それなら、クローズドコースの中でも特に初心者に優しい教習所のコースで試乗会を開催して、基本のキからあらためて思い出してもらいながら、ドライブを楽しんでもらっちゃおうと。この「コソ練試乗会」のお話を聞いた時に、私は「なんて素晴らしい!」と心踊り、ついでにお邪魔させてもらっちゃったのでした。

約25年ぶりに走る教習コース。同じクローズドコースでもサーキットだとちょっとハードルが高い雰囲気だけど、ここなら初心者でも安心して練習できるので私の友人のペーパードライバーたちにもオススメしたいなぁと実感。今回参加した方の中には、「夏休みで子供をどこかへ連れて行ってあげたいけど、自分で運転できないとパパがいる日に限られてしまうので、これを機にちゃんと運転を練習しようかな」とおっしゃっていた人もいたそうです。そう思って運転を再開する女性がもっと増えたら、子供も嬉しいしパパも助かりますよね

 参加された編集者の皆さんは、「5年ぶりの運転です」などと数年ぶりにハンドルを握る方が多く、ちょっぴり緊張気味。中には「免許取得以来、今日が初めての運転です」というツワモノもいらっしゃったそう(笑)。でも、見ていると助手席にインストラクターが乗ってその都度アドバイスをしてくれるので、ゆっくりながらも着実にコースを回り、クランクや車庫入れにも挑戦していて、クルマから降りてくるととっても充実感にあふれた表情です。

 試乗車は新型「デイズ」や「リーフ」で、アラウンドビューモニターを試したり、リーフではボタンを押しているだけで手も足も使わずに車庫入れが完了する「プロパイロットパーキング」を体験して、免許を取った時のクルマとは技術が格段に進化していることにも驚いていました。「フェアレディZ」や「GT-R」の試乗車もあって、久々のスポーツカーを満喫した人も多かったようです。

 私も恐る恐る、リーフに乗って約25年ぶりとなる教習コースへ出てみたんですが……。なんでしょうね、この緊張感は。普通に運転すればいいのにヘンな汗が出てくる感じ(笑)。そして「クランクってこんなに狭かったっけ!?」と焦りまくり! 右から侵入するクランクはスイスイ走れたのに、左から侵入するクランクでは少し角度を見誤ってバックするハメになり……。そうか、私は左まわりが苦手なんだなぁ、なんて冷静に自分の運転を分析するいいきっかけになりました。

 さらに、今度は助手席に座って教官らしきこともやらせていただいたのですが、初心者の方に教えるのってなかなか難しいですね~。いつもは安全運転やエコドライブのインストラクターをやらせてもらってますが、ある程度運転に慣れている皆さんに対しての説明なので、ぜんぜん違うんだなぁといろいろ勉強させていただきました。

 今回はまさかまさかの教習所体験でしたが、「初心忘るべからず」のことわざじゃないですけど、ベテランドライバーでもたまに教習所コースを走ってみると、新たな発見や忘れていた気持ちを思い出せるので、いいことだなぁと思いました。免許取得後10年ごととかで、同窓会的な教習所イベントがあったりしても面白いかもしれないですよね。日産の皆さま、今度は一般向けにでもまたぜひ企画してくださ~い♪

本日限りのリーフの教習車で、いざコースへ出陣! アクセルペダルだけで加速・減速・完全停止までできる「e-Pedal」を使うと、坂道発進でもブレーキペダルから急いで踏み替えなくてもいいし、クランクでの速度調整もラクだし、教習コースをクリアしやすいような気がしましたよ~。しかもプロパイロットパーキングを使えば、車庫入れ検定だって一発クリアです(笑)

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。