まるも亜希子の「寄り道日和」

運転に適した靴の履き替えを呼びかける「#置きシュー」プロジェクトスタート

9月27日「女性ドライバーの日」にちなんで、車内に運転に適した靴を置いておこうと呼びかけるプロジェクト「#置きシュー」をスタート! キックオフとなるYouTube「クルマ業界女子部チャンネル」の生配信には、共同主宰するカーライフ・エッセイストの吉田由美さん(左)と私(右)のほかに、ゲストとしてメンバーの女性5名が集まってくれました。後列右から、女性のための車生活サイト「BeeCar」編集長の鈴木珠美さん、バイク女子部を主宰するフリーランス編集ライターの松崎祐子さん、ドライビングインストラクターの平井みつよさん、セーフティドライビングインストラクターの田辺南子さん、前列中央がS耐経験もある「BB.Salon」オーナーの倉脇雪夜さん。いろんな意見が飛び交い、番組は大盛り上がりでした

 女性視点を生かして、何かクルマ社会のためになることをしたいな。男性も女性も子供もお年寄りも、みんながもっとクルマとイイ関係でいられるお手伝いが少しでもできたらいいのにな。

 そんなことを思い始めたのは、もう10年以上前のことでした。私がクルマ業界に飛び込んだ20年くらい前は、今よりもっと圧倒的な男性社会だったのですが、そんな中でたまに女性のエンジニアやデザイナーさんなどクルマの開発に携わる女性たちに出会うと、すごくいろんな視点を持っていて、素敵な女性が多くて、話もとっても盛り上がる。でも、男性社会にポツンと放り込まれたような立場の女性も多くて、せっかく持っているアイデアや意見が理解してもらえず、製品に生かすことができていない、といった状況を感じることもありました。

 それなら、メーカーや業種の垣根を超えて、「クルマ」というキーワードでつながる女性たちの声を集めて大きなものにしたら、そうした現状を打破するきっかけになるかもしれない。クルマに乗る上で何かしら困っている人たちを助けたり、もっとクルマを便利で楽しいものにできたりするかもしれない。そう思って、2013年に「ピンク・ホイール・プロジェクト」という、女性パワーでクルマ社会をよくするプロジェクトを立ち上げたのでした。

 自動車メーカーの方々をはじめ、編集者、デザイナー、レーシングドライバーやTVプロデューサーなど、メンバーは瞬く間に100人を突破。経済産業省と共同で女性のクルマ選びの指針を決めるプロジェクトを行なったり、東京モーターショーでシンポジウムを開催したりと、いろんな「女性視点」をクルマ社会にお届けすることができたように感じています。

 ただその後、私自身が結婚、出産を経てなかなか活動できず、ピンク・ホイール・プロジェクトは休止状態が続いてしまったんです。せっかくたくさんのメンバーが協力してくださったのに、もどかしい気持ちでいっぱいだったのですが、やっぱり、こうした活動にはものすごいエネルギーと時間を費やすので、育児で手一杯の私にはどうしようもない状態でした。

 そして時は流れ、2018年。育児にもほんの少し余裕が生まれ、また仕事仲間たちとお茶する時間がとれはじめ、もうすぐクリスマスというタイミングに、みんなで「アイシングクッキーを習いにいかない?」なんて話で盛り上がって。自分の愛車をクッキーで作れたら可愛いよね~とウキウキしながら参加したら、それがめちゃめちゃ楽しかったのです。

 で、「クルマ×楽しいコト」で部活動みたいなコミュニティが作りたいと思い、カーライフ・エッセイストの吉田由美さんと共同主宰で「クルマ業界女子部」を設立。クルマをテーマにしたお皿やタイルアートを作るポーセラーツ教室には20名が集まってくれました。それもすごく楽しかったのでまたやろうよ~なんて言っているうちに、「せっかくなら、ピンク・ホイール・プロジェクトの時みたいに、何かクルマ社会のためになる活動もしよう!」という話になったのです。

 そこで私が提案したのが、かねてからずっと気になっていたこと。最近とくに、ペダルの踏み間違いによる痛ましい事故の報道が増えて注目されていますが、多くの人がそれは高齢者だけの問題だと思っているんです。でも実際は、警察庁の年代別ペダル踏み間違い事故件数のデータ(2015年)でも10代~20代が最も多いことが分かります。まずはその事実を知ってもらいたいということと、もう1つ。

 女性はオシャレのためにハイヒールやサンダル、パンプスなどいろんな靴を履きますよね。中にはそのままクルマを運転してしまっている女性も見かけます。でもそれは、各都道府県の条例でハッキリと違反とされている場合もあるし、何よりとても危険なことです。ヒールがペダルと床の間に挟まって事故につながったり、しっかりブレーキが踏めずにぶつかってしまったり、ハイヒールを履いて運転したことによる死亡事故も起きてしまっています。

 だから、どんなにオシャレをしてもいいけれど、車内にちゃんと運転に適した靴を置いておいて、運転する時には履き替えようよ、と呼びかけるプロジェクト、「#置きシュー」をスタートすることにしました。

#置きシューに賛同してくださった横浜・元町のブランド「キタムラ」本社にて、車内に置いておく靴を収納する素敵なバッグを作るべくミーティングを行ないました。取締役の北村信さん(写真右)やデザイン企画室の皆さんと、いろんなアイデアを出し合い、来春の発売に向けて準備中です。楽しみにしていてください!

 すると、まずこの活動に賛同してくださったのが、横浜・元町のブランド「キタムラ」。私もよく夫に言われるのですが、置きシューをしておくのはいいけど、靴がそのまま車内に放置されていると、だらしない人に見えちゃうらしいのです。それに、誰かを乗せる時にサッと移動できたり、そのまま旅行などに持って行けたりしたらいいよね、ということで、置きシューバッグを作ろうということになりました。せっかくなら、靴を履き替えるのが楽しみになるような、素敵な置きシューバッグにしよう! と、現在はキタムラのデザイン企画室の皆さんがアイデアをまとめてくださっており、来春の発売を予定しています。

 さらに、2輪&4輪のオシャレなアパレルをそろえるショップ「モトーリモーダ」も#置きシューに賛同してくださり、まずはモトーリモーダ ルーチェ店から、9月27日の「女性ドライバーの日」にYouTube「クルマ業界女子部チャンネル」にて生配信を行ない、プロジェクトのキックオフとしたのです。

「Motor」+「Mode」の融合として、バイクやクルマをエレガントに楽しむ「大人のためのモータースタイル」を提案しているのが、2輪&4輪のアパレルブランドを扱うセレクトショップ「モトーリモーダ」です。80ブランド・6000点近くのオシャレなモーターアパレルがそろい、見ているだけでも楽しいショップ。銀座、調布、名古屋、神戸、福岡、バイカーズパラダイス南箱根、さらに「ポールポジション」という名前で西武渋谷店、そごう広島店にもショップがありますよ。幻となってしまった9月27日の生配信は、調布のモトーリモーダ ルーチェ店からお届けしました

 当日はクルマ業界女子部に参加してくださている5名の女性がゲストとして応援に駆けつけてくれて、生配信ではいろんな女性の本音も飛び出して大盛り上がり。とても楽しく有意義なキックオフだったのです、が!

 なんとなんと、まさかまさかのトラブル続出で、チャンネル登録したURLでは生配信が見られなかったり、アーカイブが手違いで削除されてしまったり……。残念ながらその番組は幻となってしまいました。

 最初は私も由美さんもかなり落ち込んで、心が折れそうになってしまったのですが、なんとか気を取り直し、10月7日の20時から、再キックオフということでもう1度、生配信にトライ。ようやく無事に#置きシュープロジェクトのスタートを切ることができました。もうホントに、ホッとしています。

再キックオフとして10月7日に生配信したYouTube番組を終えて、記念にパチリ。ようやく無事にスタートを切ることができました。私たちの名札にあるユーモラスなロゴマークが「#置きシュー」のアイコンです。かわいいでしょ? このコにはまだ名前がないので、大募集しま~す! YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」では、毎月7日・17日・27日には生配信を行ない、クルマ社会のいろんな情報、私たちの本音をお届けしていく予定です。ぜひチェックしていただけたら嬉しいです

 今後は、YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」で毎月「7のつく日」、7日・17日・27日にはできる限り生配信を行ない、それ以外にもいろんな情報を動画でお届けする予定です。また、モトーリモーダの店舗をはじめ、いろんな場所で#置きシューを呼びかけるイベントなども計画中なので、どうかどうか、応援していただけたら嬉しいです。まだまだみんな手弁当で、少しずつしか進めていませんが、交通事故のないクルマ社会実現のために、微力ながら、そしてとってもアナログながら(笑)活動していきたいと思います。どうぞ#置きシューをよろしくお願いいたします!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。