まるも亜希子の「寄り道日和」

F1決勝前、鈴鹿サーキット上空を飛んだHondaJet

最初に観客を沸かせたのは、鈴鹿サーキット上空を飛んだHondaJet! なんと岡山空港から飛んできたそうで、小型ジェット機クラスでトップレベルの最高速、最高高度、航続距離を誇るHondaJetですが、今回は特別な許可を得てグランドスタンドにぶつかるんじゃないかと思うくらい、スレスレの低空飛行を披露してくれました!

 台風19号の影響で開催が危ぶまれた、鈴鹿サーキットでのF1日本GP。10月12日は予選のほかすべてのスケジュールがキャンセルになってしまったのですが、10月13日は朝からスッキリと晴れ渡り、予選・決勝と一気に開催されることに!

 もともと、東京駅発7時30分の新幹線で鈴鹿に向かい、日帰りで決勝のみ観戦する予定だった私は、前日の晩までは99%あきらめていたんです。台風被害の点検で、おそらく新幹線が運行開始するのはお昼ごろになっちゃうだろうなと。チクショー、レッドブル・ホンダを目の前で応援したかったなぁ~と、夫と2人でやけ酒をアオリながら、DAZNでやっていた1980年代の懐かしい鈴鹿F1の映像を見て、就寝したのは午前2時過ぎ。朝寝坊する気マンマンですよね。

 しかし、奇跡的に5時に目を覚ました夫が新幹線の運行状況をチェックすると、なんとなんと、動いているではないですか! ただちに私は叩き起こされ(笑)、急いで準備をして家を出たのです。JRや東京メトロがまだ一切動いていない中、義母に東京駅まで送り届けてもらい、予定通りの新幹線に乗れた時はもう嬉しくて嬉しくて。信じられない気持ちでいっぱいでした。

F1日本GP・決勝レース開始直前のグランドスタンドから、お揃いでレッドブル&トロロッソキャップをかぶり、吉田由美さんと一緒に盛り上がりました。どの観客席も満員で、そんな鈴鹿サーキットを見るだけで嬉しくなりますね

 そして、到着した鈴鹿サーキットは、やっぱりいつもとはひと味もふた味も違う熱気であふれていましたね。外国人の姿もすごく多いし、「ハイネケン」や「ジョニーウォーカー」など、海外ブランドのスポンサーでインターナショナルな雰囲気もアップしているんです。よくよく考えてみたら、私が鈴鹿でF1観戦をしたのは、2004年にB.A.R Hondaから参戦した佐藤琢磨選手が4位入賞を果たした時以来! ヒョエ~ッ、15年ぶりでしたか~!

 今回は、チャンピオンシップで3位争いをしているマックス・フェルスタッペン選手を筆頭に、「もしかしたら目の前でホンダの表彰台が見られるかも」という期待があったので、レース開始前からず~っとドキドキしっぱなしでした。

 まぁ、結果はすでに報じられている通りで、フェルスタッペン選手は残念なことになってしまいましたが、アレクサンダー・アルボン選手が見事に4位入賞してくれたし、世界のトップドライバーたちの走りをナマで見られたというのは、やっぱり素晴らしい時間だったと思います。

 それとは別に、私は決勝レースと同じくらい楽しみにしていたものがあったんです。それが、決勝レース開始直前に行なわれたHondaJetのフライパス! 鈴鹿サーキットの上空をHondaJetが飛ぶなんて、こんな粋な計らいってありますか? もう、いつ来るのか、どっちから来るのか、周囲の人たちがピットやマシンを眺める中、ずーっとキョロキョロと空をチェックしていた私でした。

 そしていよいよ、場内アナウンスで「もうすぐHondaJetが姿を現します」との案内があったので、目を見開いて空を見ていると、キィィーンという独特なサウンドを響かせて、やってきました白にブルーのスリムな機体! グランドスタンドからもクッキリと見えるくらいの低空飛行で、数周ぐるりとまわったあと、ホームストレートをなぞるようにひときわ低く飛んで、エールを送って去っていったのでした。もう、これが見られただけでも来た甲斐があったと思えるくらい、カッコよかったです。

サーキットから徒歩ですぐに行き来できるゆうえんち「モートピア」があるのも鈴鹿サーキットのいいところ。レース観戦の合間にちょいちょい遊べるので、子供も飽きないですよね。メインキャラクターの「コチラ」は手塚治虫さんデザインだって、知ってますか? 今年は誕生40周年だそうで、記念グッズもたくさん並んでいましたよ

 そのほか、ママ目線でチェックしてしまったのは、子供も楽しめるアトラクションとホスピタリティ。今回、娘は一緒に来られなかったのですが、キッズピットウォークが木曜日から毎日開催されていたり、フォトスポットがたくさんあったり、隣接するゆうえんち「モートピア」のパスポートがF1観戦券についていたりと、子供も存分に楽しめるようになっています。

 なんじゃこりゃ、とびっくりしたのは、エミレーツのブースにあった巨大なヘルメット。それもフォトブースになっていて、写真を撮る人たちで大人気でしたよ。

子供が楽しめるアトラクションが盛りだくさんだったのもいいところですね。これはGPスクエアでひときわ目立っていた、エミレーツブースの巨大ヘルメット。一緒に撮った写真は、3つのメールアドレスに送信可能となっていましたよ

 また、自由に座って休めるベンチがあちこちにたくさんあるし、グランドスタンドの階段前にはベビーカー置き場もしっかり確保されていて、赤ちゃん連れのファミリーにも優しいなぁと感心しました。うちの娘も0歳からサーキットに連れて行っていましたが、年々、子供連れに優しいサーキットが増えている印象です。ただ、爆音は赤ちゃんの耳にはよくないので、うちの娘はいつも音を遮るヘッドセットをつけていたんですね。それはツインリンクもてぎで手に入れたものですが、鈴鹿サーキットのショップにも売っているので、赤ちゃんにはぜひつけてあげてほしいと思います。

グランドスタンドの入り口の目の前にはベビーカー置き場が用意されていました。駐車場からけっこう歩くので、抱っこだとパパやママは大変。こうした配慮が何より嬉しいんですよね。子供連れに優しいサーキット、大歓迎です

 こうして、15年ぶりの鈴鹿でのF1日本GP観戦は最高の1日になったのですが、1つだけ心残りを挙げるとすれば……。決勝レース終了後に開催予定となっていた、吉田沙保里さんのトークショー。帰りのバスの出発時間と重なってしまって断念したんです。霊長類最強と言われた吉田さんがどんなことを話すのか、聞きたかったなぁ(笑)。そのリベンジもひっくるめて、来年もまた来るぞ~!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。