まるも亜希子の「寄り道日和」

大阪モーターショー2019の特別企画「女性のためのクルマ選び講座」

大阪モーターショー2019の特別企画として設けられた「レディースデー」のイベントとして、「女性のためのクルマ選び講座」というトークショーを開催。テレビ大阪アナウンサーの川北円佳さん、前田拓哉さんという豪華な生徒役で、講師としてさまざまなクルマ選びのチェックポイントをお話しさせていただき、あっという間の楽しい30分でした

 新大阪駅から地下鉄に乗り換えて、やってきましたインテックス大阪。朝10時、入り口には長~い行列ができていて、第11回目となる大阪モーターショー2019、盛り上がってるなぁ~と嬉しくなりました!

 今回の大阪モーターショーは、テーマが「リスタート」ということで、いろんな新しい取り組みが行なわれたのです。なんたって、スペシャルサポーターがプロレス界のカリスマ、蝶野正洋さんですもの。怖……いや、迫力満点(笑)。意外にも蝶野さん、自他ともに認める大のクルマ好きなんだそうですね。これまでとは違う層のお客さんにも、猛烈にアピールしてくれること間違いなしでしょう。

 また、東京モーターショーに比べて輸入車ブースが多いのも特徴。アストンマーティン、マセラティ、マクラーレンやジャガーなど、東京にはなかったブランドが15ブースも出ていたんですよね~。その分、国産車ブースがちょっとコンパクトで、コンセプトカーなどが少なかったりするのですが、またひと味違った華やかさがありました。

 そして、もう1つ思い切った取り組みが、モーターショーとしては初かもしれない、「レディースデー」が設けられたことなんです。女性目線で楽しめるさまざまな企画が用意されて、例えば人気の女性料理研究家によるアウトドアクッキングとか、ドライブに行きたくなるファッションショー、クルマのエンブレムなどをかわいく描く「カーネイルアート」などなど。女性限定で、先着500名にキッチングッズのプレゼントもあったりして、とにかく女性とキッズに優しいモーターショーになっているのです。

レディースデーの特別企画の1つ、「カーネイルアート」も大盛況! クルマのエンブレムやフロントマスクをモチーフとした、とっても可愛いネイルアートが、なんと女性と小学生以下の男の子は無料で受けられるんです。みんな、指先を見てすごく嬉しそうでしたよ~

 で、その企画の1つとして、私が講師となって「女性のためのクルマ選び講座」というトークショーを開催させていただきました。ご一緒させていただいたのは、キュートな魅力でファンも多い、テレビ大阪アナウンサーの川北円佳さんと、イケメン好青年の前田拓哉アナウンサー。女性だけでなく、奥さまや彼女、娘さんにクルマのアドバイスを求められることの多い男性にも、「なるほど」と思っていただけるような内容を目指して、たくさんの女性目線をお伝えさせていただきました。

 世の中の免許保有者の約半分は、女性という時代ですよね。ペーパードライバーだけど、本当は運転してみたいという女性や、必要に迫られて運転しているけどやっぱり苦手、という女性も多いかもしれませんが、この「レディースデー」のように、まずはモーターショーを見に来てもらって、ファッションやお料理など身近なところから、少しでもクルマに対する苦手意識を減らしてもらえたら嬉しいなと思うのです。

 そして、じゃあ自分でも乗ってみよう、と思った時に、予算やサイズだけでクルマを選ぶのではなく、女性ならではのチェックポイントをしっかり考えてクルマ選びをしてもらえると、苦手な車庫入れや乗り降り、荷物の積み下ろしといった部分でのストレスがなくなって、もっと便利で楽しいカーライフが送れるようになると思っています。

 30分のトークショーでお伝えした内容をかいつまんでみると、まず最初に「誰と、どこへ、何を積んで行くためのクルマが欲しいのか」を明確にすることが大事です。女性1人で通勤に使うのか、ママと子供でご近所に買い物や送り迎えに使うのがメインなのか。それとも休日には家族みんなで遠出をするのか。必ず積みたい荷物は、子供が小さいうちはベビーカーがマストでしょうし、自転車、ゴルフバッグ、釣竿やスーツケースなど、趣味や家族構成によっても変わってきます。なので、最初からそれを想定してクルマ選びをしないと、いざ買ってから「入らない」となったら悲しすぎますよね。スペース的には入っても、形状が合わない、荷室のフロアが高くて持ち上がらない、なんてこともあるので、事前に荷室のチェックも必要です。

 次に、女性ならではのチェックポイントが、大きく分けて5つあります。1つ目は、小柄な女性はとくに入念に確認してほしい、「適正な運転ポジションが取れるかどうか」。これができないクルマだと、運転しにくかったり安全確認がしにくかったり、いろんな不都合が起きやすいのでとても大切なポイントです。腕と足が適度に曲がった状態でステアリングとペダルに届き、目線がなるべく高いところまで上げられるシート調整機能があるのがベスト。実際に運転席に座ってチェックしてくださいね。

 2つ目は、スカートやパンツスタイルと洋服のバリエーションが多く、子供やお年寄りのお世話をすることも多い女性にとって欠かせない、「乗り降りのしやすさ」ですね。ドアがどのぐらい開くのか、天井に頭をぶつけたりしないかどうか、ステップの高さなど、チェックしてみてください。3つ目は、女性は子供と一緒の時などはとくに、運転席だけでなく後席に座ることも多くなるので、「後席の座り心地や収納スペース」など、快適性を確認することも忘れずに。4つ目は、盲点でもある「シートアレンジの操作性」です。あれもこれもできて便利、と謳っているミニバンなどが多いですが、いざ操作してみると重かったり複雑だったりで、結局使わなくなっちゃった、というのはもったいないですよね。本当に使えるかどうか、実際にチェックしてほしいところです。

 そして最後の5つ目が、先ほどお伝えしたように「ラゲッジルームの使い勝手」。とくに、小柄な女性はバックドアに手が届くかどうか、必ず開閉してみましょう。もし難しくても、最近は電動開閉スイッチやハンズフリー開閉機能があるクルマも多いので、確認すると安心ですね。

 というわけで、大阪モーターショー2019のレディースデーは、クルマと女性の距離をちょっと近づけてくれる、とても楽しい1日でした。今度は東京でもやってくれるといいなぁ。

東京モーターショーには出展していなかった輸入ブランドが、大阪モーターショーにはわんさかあってビックリ。こちらはケーターハム、ロータス、モーガンのブースで、大勢の人たちが熱心に見ていたのが印象的でした

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。