まるも亜希子の「寄り道日和」

明治神宮で86のおはらい

明治神宮で「86」のおはらいをしていただいたのはこれで2回目。前回はクラッシュやメカニカルトラブルが続いて、思うような結果が出せずに悩んでいたころだったでしょうか。あれから数年、ついに念願のチャンピオンを獲らせていただき、今回はお礼をお伝えしに参りました。この空間に触れると、不思議と清々しい気持ちになります。こうしたレースカーで来る人がどれくらいいるのかは不明ですが(笑)、新車を購入した時には必ず来るという人や、免許の更新に合わせて来るという人も多いようですね。楽しいカーライフのベースにあるのは、やっぱり「安全」。先進技術に頼るのもいいですが、こうした「心」の部分でもしっかり意識することが大事なのかもしれないなと思います

 もうい~くつ寝ると~、おしょうがつ~♪ というところまでやってきました。2019年もあとわずか。皆さんにとって、この1年はどんな年だったでしょうか。よく、漢字で表すと……なんてやってますが、わが家の1年は「拓」だったように思います。夫は86/BRZレースの厳しい荒波を乗り越えて、念願のシリーズチャンピオンへの道を切り拓きましたし、私はもう何年も温めてきた企画が「#置きシュー」として形になり、クルマ業界女子部チャンネルでのYouTube配信をスタートしたり、まだヨチヨチ歩きながらも小さな1歩を開拓することができたように思います。4歳の娘はもう、いろんなことに挑戦して毎日が開拓ですね(笑)。

 そうした1年が過ごせたのも、周囲で支えてくださる家族や仲間たち、仕事関係の皆さま、そして応援してくださる皆さまのおかげだと、本当に感謝してやみません。辛いこともたくさんあったような気がするんですが、最後に笑って年末を迎えられればそれでよし。ありがとうの気持ちでいっぱいです。

 感謝を伝えたいのは人だけでなく、そう、1年間無事に、夫とともに闘い抜いてくれた、ゼッケン「84」の86レースカーにも。ということで、チャンピオンを獲らせてくれたお礼をするために、明治神宮へ参拝して参りました。後席にチャイルドシートを装着して、家族3人で出かけられるレースカーというのが86のいいところでもありますよね。ちょっとド派手なカラーリングは、街中で注目を集め過ぎちゃいますけど(笑)。

 代々木側にある北参道入口で「クルマのおはらい」に来たことを伝えて、教えてもらった道順の通りに進むと、神楽殿の隣りに「車祓所」があります。そこに86を停めて、まずは社務所で手続きを。靴を抜いで神楽殿の奥にある御社殿へと進み、そこでいろんな願いの人たちと合同でご祈祷をしてもらいます。大太鼓の音色が背筋をピシッと正してくれるようで、ここに来ると清らかな気持ちになりますね。よくよく耳をすまして祝詞を聞いていたら、「トヨタ86」「橋本洋平」としっかり神様にお伝えいただけたようでホッとしました。そして、巫女さまが季節の花を手に、神楽殿だけのために作られたという「倭舞」(やまとまい)を舞ってくれます。

 ご祈祷を終えたら、神職の方が一緒に車祓所まで同行してくださり、86の周りを歩きながらご祈祷をしてくださいました。ちゃんと、両側のドアを開けて室内まで大幣(おおぬさ)を振ってくださるのが嬉しいですよね。そして、一緒に「二礼二拍手一礼」をすれば完了。心の中で、「86ちゃん、パパをチャンピオンにしてくれてありがとう」と感謝を伝えました。あちこちくたびれはじめている「84」号ですが、本当にお疲れさまでしたと労ってあげたい気持ちです。

 帰宅してご祈祷の後に手渡された袋を開けてみると、御神前に捧げた祈願御幣に名前が入っていて、家でもおまつりできるようになっていました。これでまた2020年も、しっかり夫と一緒に闘ってくれるかな? 感謝を伝えに行ったら、逆にそんな勇気と希望がもらえた気がします。

 さぁ、今年のお礼は今年のうちに、ということで、このコラムも2019年は今回がラストのお届けになります。1年間、お付き合いくださってありがとうございました! 2020年も元気にゆる~りと、日々のカーライフをつづっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。皆さま、よいお年をお迎えくださいね。

ご祈祷の後にいただいた手提げ袋には、こんなにたくさん入っていました。家の神棚におまつりする神札や御幣、車内に置くお守りから、車体に貼れる「交通安全」のステッカーまで。ようかんとお神酒も嬉しいですね。ちなみにクルマはらいの初穂料は5000円と1万円があり、これは1万円のものです

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。