まるも亜希子の「寄り道日和」

今は想像の中で楽しむ海辺の絶景ドライブスポット

朝、昼間、夕暮れ時、夜と、時間帯によっていろんな表情を見せてくれる千葉フォルニア。これはCar Watchで公開されたシトロエン・ベルランゴのレポートの際に訪れました。千葉フォルニアはもちろん正式な地名ではなく愛称で、袖ヶ浦にあるので袖フォルニアと呼ばれることもあるそうです。東京からは東京湾アクアラインを超えて木更津金田ICでおり、木更津アウトレットモールを超えて、袖ケ浦市の国道16号線から袖ヶ浦海浜公園へ向かうまでの直線道路。潮干狩りで有名な牛込海岸の近くです

 しばらくの間、自由な外出はおあずけになってしまいましたね。好きなドライブにも出かけられず、息が詰まってしまいそうですが、こんな時を乗り切るために、人間には想像力があるんじゃないかな? といつも思います。

 というのも、私の仕事は原稿の締め切りが迫ってくると、必然的に外出を自粛せざるをえないわけで(笑)、編集部にいたころはそれこそ、校了前の1週間くらいは睡眠時間2時間くらいで編集部に缶詰め状態。なので毎回、「この締め切りを乗り越えたら温泉に行ってやる~」「これが終わったら、美味しいもの食べに行くぞ~」と想像力妄想力全開で、必死に楽しいこと、自分へのご褒美をぶら下げ、それに向かって激務に耐えていたのでした。

 なので今回も、少なくとも1か月くらいは自粛が続くということで、ちょっと長いですが、終息したら愛車でパ~ッとドライブに出かけたい場所を想像しまくって、なんとか乗り切りたいなと思います。やっぱりいちばん行きたいのは、いつまででも眺めていたくなるような海。それも、日本なんだけどまるで外国へ行ったような気分になれる場所。あ~、考えただけで心が解放される気がします。

 まず1つめは、数年前から知る人ぞ知る「映えスポット」としてジワジワと広がっている、千葉フォルニア。そう、千葉にいながらにして、まるでカリフォルニアに来たような海辺の絶景が堪能できる場所です。長い直線の道路沿いに、すっくと高くそびえる椰子の木が立ち並んで、すぐ後ろがパァッとひらけた青々とした海。とっても気持ちのいい場所です。本物のカリフォルニアと違うところは、晴れて空が澄んでいる日には、遠くに富士山まで望めるところかな。夕暮れ時にはブルーとオレンジのグラデーションが広がり、木更津アウトレットモール近隣の観覧車のイルミネーションも見えていい雰囲気です。観光地ではないので、お店も何もないただの道路なんですが、それがまた素朴でいいのかも。

まるで大西洋の最西端であるロカ岬に来たような? 小田原市のとある有料駐車場からの絶景。東京からは、東名高速道路から小田原厚木道路を経由して西湘バイパスを通過し、国道135号線を走っていくと、ゆるい左カーブの手前に脇にそれる道があり、そこを入っていくと到着します。釣りを楽しむ人などが使う場所なので、マナーを守って楽しみましょうね

 続いて2つめは、ちょっとワイルドな海辺の絶景です。張り出した断崖絶壁のすぐ脇に愛車を停めてみれば、これは夢か幻か、何やらポルトガルの大西洋最西端の岬に来たかのよう! ……に見えてきませんか?(笑) 実はここは、神奈川県小田原市のとある有料駐車場なんです。釣り好きの人にはけっこう有名なスポットらしいですが、一般にはあまり知られていないようですね。この写真は、2018年にCar Watchでレポートさせていただいた、ランボルギーニ・ウルスの記事の際に、ちゃんと許可を取って撮影したものです。この日は穏やかな海でしたが、少し風がある日にはザッバ~ンと岩に白波が立って、なかなか迫力ある写真が撮れますよ。ただ、くれぐれも高波には注意してくださいね。

日本のみならず世界でも珍しい、波打ち際の砂浜が道路として認定されている、千里浜なぎさドライブウェイ。約8kmと長いので、のんびりと走るだけでもかなり癒されます。夏には海水浴客で賑わう場所もあるので、速度は控えめにしたいですね。私は一時期、ここでクルマと一緒に撮影した写真をプロフィールカットに使っており、みんなに「海外で撮ったの?」と言われていました(笑)

 そして3つめは、砂浜の海をバックに愛車+絶景を眺めたいならば、やっぱりここが最強スポット。石川県の千里浜なぎさドライブウェイです。ずっと眺めていると、ここが天国にいちばん近い島と称されるニューカレドニアのビーチに見えてこないこともなくない、かな?(行ったことないですが)。うーん、サンゴ礁とかないのでちょっと無理があるか。でも、日本で唯一、約8kmも続く砂浜を走れる道路として、これは世界にも誇れる場所だと思います。オープンカーなんかで潮風を感じながら、波打ち際をのんびりとドライブしたいですね。

 そんなわけで、千葉にいながらカリフォルニア、神奈川にいながら大西洋、石川なのにニューカレドニア!? な気分が味わえる海辺の絶景ドライブスポット。こんな景色をまた普通に、自由に見に行ける日が必ず来ると信じて、みんなでこの困難を乗り越えましょう!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。