まるも亜希子の「寄り道日和」

おうちでできるクルマ遊びたくさんあります

ホンダが無料開放している溝呂木陽さんのペーパークラフトは、いろんなシーンが作れる物語風がステキ。これはビートに乗った新郎新婦が可愛い、ウェディングシーンです。子ども向けなので、作りやすそうですよ

 ここぞとばかりに丁寧に洗車をしたり、ガレージや部屋の片付けをしてみたり、踊ったりゲームしたり、みんな自宅でいろんなことをして過ごしていますよね。大人だけなら、お酒をいただきながら映画観賞というのも憧れちゃいますが、わが家は5歳の娘が暴れまわっているので、なかなかそうもいかず(笑)、アクティブな過ごし方になりがちです。

 ある日は、ベランダにレジャーシートを敷いてポップアップテントを出し、お弁当を作っておうちピクニック。4月といえども日差しが強くて、慌てて日焼け止めを塗りました。そしてある日は、家具に当たっても安心な風船でバレーボールをしたり、ダンボール工作をしたり。まぁ、あれこれ考えて日替わりでやってみていますが、そろそろネタ切れ。しかも明日は雨かぁ……。

 な~んて困っていたら、自動車メーカーが塗り絵やペーパークラフト、ボードゲームなど、いろんな遊びを無料ダウンロードさせてくれているんですよね。例えばメルセデス・ベンツは、本国のデザインチームじきじきに塗り絵用のスケッチをたくさん揃えて、無料開放。子供が喜びそうなものから、未来的なデザインスケッチまでいろんな種類があるんです。娘に見せたら「やってみたい!」とノリノリなので、さっそくプリントアウトしてみました。私も、塗り絵なんて何十年ぶりかもしれないなぁと思いつつ、最近は「大人の塗り絵」って本も流行ってるらしいので、トライしてみることに。

メルセデス・ベンツ本国が無料開放している塗り絵に夢中になる5歳の娘。50枚ほどあって、いろんなテイストが選べるので、娘は翌日も「またやりたい」と言って別のデザインを塗っていましたよ。大人もけっこう楽しめます

 娘は往年の名車300SLの塗り絵に没頭し、私はVクラスのパトカーという、日本では絶対にお目にかかれないスケッチに、どんな色を塗ろうかとワクワク。大胆な色使いで塗り進めていく娘に驚きつつ、集中集中と意識を手元に集めて手を動かしていると、だんだんと心がクリアになっていくようです。これは、細かいことを忘れられていいかもしれないですね。やり始めたらいろいろと細部まで凝り出してしまって、私が1枚塗るあいだに娘は4枚も塗りあげていました(笑)。

 次は、マツダがいろんなペーパークラフトの組み立て図面を用意してくれていて、そちらもやってみました。CX-3、CX-5、アテンザやロードスターといった現代のモデルから、コスモスポーツやR360クーペといった名車まで、こちらもいろんな種類があります。しかも、難易度も低・中・高と3段階。本当はロードスターが作りたかったのですが、難易度が「高」なのでちょっとひるみ、自分の不器用さに合った「低」のCX-5から作ってみることに。

 まずは、車体を好きな色にカラーリング。どうしようかな~と悩んだあげく、マツダといえば! と連想したカラーにしてみました。立体になった時のことを想像しながら塗るのが、なかなか難しいですね。そして塗り終えたら、切り取り線にそってハサミを入れていくのですが、これがけっこう緊張する~。全体でA4サイズなので細かい部分もあって、思わず息を止めてしまいました(笑)。

マツダが無料開放しているペーパークラフトの中から、難易度の低いCX-5を作ってみました。やっぱり、マツダといえばこのカラーです! 愛車をお持ちの人は、これから試したいカラーリングを塗ってみるのもシミュレーションできていいかも? 次は難易度の高いロードスターにチャレンジしてみます

 なんとか間違えずに切り取ったら、あとはのりしろを貼り付けていくだけです。のりしろも小さいので、爪楊枝の先に糊をつけてチョンチョンと塗っていきました。最大の難関は、Cピラーのところ。CX-5の複雑な造形を再現……とまではいきませんが、細かく立体的なラインが出るようになっていて、不器用な私にはちょっと難しかったです。

 ようやく最後ののりしろを貼り終えて完成したら、「おお~!」とわれながらいい出来栄え。娘に自慢したら、見せて~とムギュッとつかまれてしまい、慌てて奪い返しました。普通のA4用紙なんで、すぐベコッと潰れてしまうんですよね。でもまぁ、そんな手作り感がいい味になっているかもしれません。

 あとは、ホンダも水彩画家の溝呂木陽さんが描いた、もう少し子供向けのペーパークラフトを無料公開していたり、BMWがプリントアウトして楽しめるいろんなゲームを用意していたりと、まだまだおうちでできるクルマ遊び、たくさんあります。

 こういうことはきっと、時間がた~っぷりある今じゃなかったら、わが家ではなかなかできなかっただろうなと思うと、これものちのち、家族にとって特別な思い出になるかもしれないですね。できないことを嘆くよりも、今できることを探して、時間を有効に使えたらいいなと願います。

娘が塗った4枚のスケッチと、私が塗った1枚。どれが私の作品だかわかりますか?(笑)なかなか日本ではなさそうな、ヨーロッパ独特の感じのスケッチがありますよ

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。