まるも亜希子の「寄り道日和」

クルマの快適機能で気分転換

AMG A35 4MATICで見つけた、筋肉の運動のメニュー。メルセデスきっての走り系モデルだからなのか、熱い走りで緊張した身体をリラックスさせるような意図を感じました。スポーツ走行の運転って、普段の生活ではあまり使わない筋肉を使うようなので、これはいいですね

 長い自粛生活のストレスを解消しようと、いろんな癒しグッズが売られていますよね。わが家はひとまず、「この花が咲くころには世界に平和が戻っていますように」と願いを込めて、ヒマワリの種を蒔きました。毎日、水をあげながら「早く芽が出ないかなー」と心待ちにしている娘の姿に、ものすごく癒されています。芽が出たら、ヒマワリ日記を書いて成長を見つめていくのもよさそうですね。

 と、そんな時に思い出したのが、クルマの機能にも知る人ぞ知る癒し機能があるということ。周囲の人に話すと「えっ? そんなのあるの?」と驚かれるので、ここで3つほどご紹介したいと思います。

 まずはメルセデス・ベンツのAMG A35 4MATICで見つけた、「ENERGIZING COMFORT」というメニュー。この中に、心と体を整えるためのエクササイズがいくつかあるんです。「筋肉のリラックス」や「筋肉の運動」といったいろんな項目が、どれも運転席に座ったままできるようになっています。

 私は試しに「筋肉の運動」をやってみることに。さらに「プレジャー」「ウェルビーイング」「トレーニング」といった選択種目が出てきたので、ひとまず「トレーニング」を押してみると……。液晶画面にイラストが表示され、穏やかな声で「右手を伸ばします」「肩をゆっくりと回します」と、動作を促しつつヒーリングミュージックのような不思議な音色が室内に。運動といっても激しいものではなく、じんわりと筋肉に負荷がかかっているような感覚のものですね。

 全部で1~2分くらいだったでしょうか。シートに座ったままだから、上半身しか動かしていないのに、心なしか体の芯が熱くなってきたような!? なんだか、お寺で座禅を組んで頭のてっぺんからつま先まで神経を集中させた時のスッキリ感と似ている気がしました。ロングドライブの合間にやったりすれば、とてもいいリフレッシュになりそうです。

美容と健康に欠かせないコラーゲンが、なんと運転しながら浴びられる! というインパクトがすごい、ダイハツの「エアクリーンフィルター(高機能タイプ・コラーゲンプラス)」(5676円)です。写真はタントのエアコンに取り付けたものですが、アクセサリーとしてダイハツ全車に取り付け可能だそうですよ

 次に、女性が聞いたら絶対に「欲しい!」と言うであろう、車内にいながらコラーゲンシャワーが浴び放題の機能! それが、ダイハツ・タントにオプション設定されている「エアクリーンフィルター(高機能タイプ・コラーゲンプラス)」です。

 なんとなんと、美肌には欠かせないコラーゲンとビタミンCを、ミクロサイズの粒子にしてエアコンの風にのせて車内に放出してくれると言うのです。パッケージには業界初と書いてありました!

 と聞いてもまぁ、たいていの人は半信半疑だとは思いますが、タントの試乗会の時にダイハツのエンジニアに確認したところ、50代男性の手を5分間このエアコンの風に当てていたところ、当てる前に比べて肌の水分量がアップしたというのです。触ってみても明らかに弾力が増して、プルプルになったと聞いて、今すぐ欲しいッと思いました~(笑)。女性だけじゃなく、男性も子供も、車内はお肌が乾燥してかゆくなったりしがちなので、これがあれば改善されるかもしれないですね。

日産スカイラインに、こんな乙女チックな機能が? と驚いた「星占い」機能。でもビジネスマンの皆さんも、運勢は気になるものですよね。音声で占いを読み上げてくれる様子は、YouTube「吉田由美ちゃんねる」にアップされていますよ~

 そして最後は、これは吉田由美さんが発見して教えてくれたのですが、日産スカイラインにある、まさかの「星占い」機能!

 仕事に出かける前に、朝のテレビ番組で「今日の運勢」などをチェックするのが日課になっている人、いますよね? それがスカイラインでは、メインメニューから情報チャンネルという項目にいくだけで、その場で「今日の星占い」がチェックできちゃうのです。12星座の占いがすべて見られるので、ひとりでも同乗者がいても盛り上がれそう。

 この機能があると聞いた時には、女性ユーザーを意識しているのかなと思ったのですが、よく考えれば、成功している人ほど実は縁起をかついだり、仕事相手との相性を気にしたり、重大な決断をする日を慎重に選んだりするそうなので、この星占い機能は意外とスカイランのメインユーザー層に合っているのかもしれないですね。

 そんなわけで、知る人ぞ知る癒し機能って、見つけると嬉しくてつい誰かに話したくなってしまいます。運転するためには直接の関係がない機能でも、乗る人を楽しませたい、快適にしたい、という技術者の皆さんの気持ちが垣間見えて、こういうところに「単なる道具」ではないクルマを感じる気がします。また見つけたら、ご紹介しますね。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。