まるも亜希子の「寄り道日和」

ペットボトルの使いみちいろいろ

ペットボトルはリサイクルに出す前に、ステイホーム中の遊びにも大活躍。ボーリングのレーンに見立てたキッチンマットを敷いて、ストライクを狙う投げ合いに白熱しました。水を入れて重くしてみると、今度は輪投げにぴったり。これからも家で過ごす時間は多くなると思うので、しばらくこれで楽しみます

 いよいよ今週から学校がスタートしたり、リモートワークから通常の出勤スタイルに戻ったりした人も多いと思います。わが家もようやく、娘の幼稚園が2か月遅れの始業式。すっかりステイホームに慣れてしまったので、家に娘がいないとまぁ静か(笑)。せいせいするかな~と思ったけど、意外にも寂しい気持ちになって驚きました。

 2か月のステイホームの収穫といえば、これまでだったら思いつかなかったような、家でできる遊びをたくさん開拓したことですね。そんな遊びに大活躍したのが、大きなペットボトル。わが家は通常はウォーターサーバーを使っているんですが、家族みんながず~っと家にいてたくさんお水を飲むものだから、あっという間にカラに! 慌てて追加注文をしたら、配送がかなり混み合っていてすぐには届かないとのことで、急場しのぎにペットボトルのお水を購入したんです。

 1本、2本とどんどんたまっていくペットボトルは、私にはゴミにしか見えてなかったのに、娘には立派な遊び道具と認識されていたんですね。「ママ、それ捨てないでね」と言われ、「え~、ジャマなのに……」とシブシブ保管。何をするのかなぁと思っていると、6本ほどたまったところで娘が、「これでボーリングしたらどう?」と発案。それは簡単で楽しそうと、さっそくペットボトルをピンに見立てて並べてみました。

 赤ちゃん用の小さくて柔らかいサッカーボールをボーリング風に投げてみると、これがなかなかの面白さ。コースがよければストライクも出るし、勢いが弱いと2~3本しか倒れないので、だんだん大人も熱くなってきちゃいます。ただ、1回1回倒れたペットボトルを並べ直すのが大変なんですけどね。

 そのうち、ペットボトルに水を入れてもっと重くしてみたらどうかと、せっかくなので絵の具を混ぜてカラフルにしてみました。すると、見栄えはかなり良くなったものの、赤ちゃん用ボールでは重さに負けてしまい、まったく倒れない(笑)。これは失敗でした。

 でもそれならばと、今度はヒモとクラフトテープで輪っかを作り、輪投げに変更。娘は4投目、私は3投目で入り、ちょうどいい難易度です。それぞれのペットボトルに点数をつけて、10回戦にしたらかなり盛り上がりました。これから梅雨入りして外で遊べない時にも、ペットボトル輪投げはオススメです。

 そして、ひとしきり遊んだ後。そういえばアウディから、新型「A3」のシートファブリックがペットボトルで作られている、というリリースが届いていたなぁと思い出したのです。そのリリースの写真を娘に見せて、「このペットボトルが、クルマのシートに生まれ変わるんだよ」と言ってみると、「えっ、そうなの?」と瞳を大きくしてビックリ。自分が飲んだ後のペットボトルがどういう工程を経てクルマのシートになるのか、興味津々で聞いていました。

アウディとして初めて、リサイクル原料で作られたシート地が採用される新型A3。各シートに最大45本、1台で100本以上の1.5Lペットボトルが使用されているんだそう。シートのほかにも、ラゲッジのサイドパネルやフロア、マットなどにもリサイクル原料が採用されていて、その割合を今後数年間で大幅にアップする目標が掲げられているとのこと。それでも、見た目の上質感が損なわれていないのがさすがですよね

 5歳児にはまだリサイクルという言葉も、その仕組みも理解するには難しいところもありますが、そもそも今回も、ペットボトルを何かに活用しようという視点は、私より娘の方が明らかに上でした。それを思うと、こういう子供たちなら将来、私たちには想像もできない、持続可能な社会を創造してくれるかもしれないと期待が膨らみますね。

 ペットボトルをリサイクルしたシートは、2013年に登場したBMW「i3」でも採用していたり、日本車ではもう間もなく登場予定のマツダ「MX-30」でも、ドアトリムなどに使用されているとのこと。できれば娘と一緒に、製造過程の見学をしてみたいなと思いました。withコロナはまだ当分続きそうで、なかなか工場見学なども難しいかもしれませんが、そんな日が来ることを信じて、できることを一歩一歩やっていきたいですね。

2013年のBMW i3誕生当時、すごく感銘を受けたのがインテリアでした。ペットボトルのリサイクル原料のほかにも、オリーブの葉やユーカリなど、自然由来の原料が多く使われていて、目に入る範囲の80%以上がリサイクル材または再生可能原料。これは当時、かなり衝撃的でした。しかも、言われなければ「モダンでセンスのいいインテリア」としか思わないところに、人間の叡智を感じてワクワクしたのを覚えています

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。