まるも亜希子の「寄り道日和」

イタリア車ディーラーで見つけた「わさび」の文字

フィアット/アバルトディーラーで見つけたのは、日本人に欠かせない薬味「わさび」を使った消臭抗菌剤。Valeoの「わさびd'air」という製品。私が購入した商品の販売元はFCAと書かれていましたよ。エアコンフィルターにカチッと挟むだけで、においの元になるバクテリアを100分の1に減らしてくれるんだそうです

 イタリアに住む親友から、久々のLINE。新型コロナウイルスが猛威を振るっていた数か月の間は巣篭もり状態だったようですが、ようやく少しの自由が戻ってきたと喜んでいました。親友は、イタリア人に日本語を教える仕事をしているのですが、私たちが思っている以上に、イタリア人は日本古来のモノや歴史、伝統的な食べ物などに強い興味を示してくれたり、親しみを感じてくれる人が多いんだそうです。嬉しいですよね。

 そんな、“イタリア人の日本好き”を感じるようなモノを、フィアット/アバルトのディーラーで取材中に見つけちゃいました。ジメジメした梅雨、過酷な夏を迎えると、クルマのエアコンには大きな負担がかかって、車内のにおいなども気になってきますよね。そんな時にオススメのメンテナンスとして、店頭で販売しているカーエアコン用の消臭抗菌剤に、なんと和食に欠かせない「わさび」が使われているじゃないですか。

 その名も「わさびd'air(デェール)」というもので、わさびの抗菌成分がエアコンの空気を清浄化して不快臭の発生を抑えてくれるんだとか。パッケージのグリーンが瞬間的にわさびを連想させて、イタリアンな空間に置いてあるとかなりインパクトがありますよね。フィアット/アバルトディーラーが純正オプション採用していると聞くと、とたんにちょっとオシャレな印象になるのが不思議ですが(笑)。

「ビブラムソール」で有名なイタリアのVibramが、日本の風呂敷にインスピレーションを得たスニーカー「FUROSHIKI」を履いてみました。とても軽くてよく伸びて、ふんわりと優しく包み込まれているようなはき心地は、かなり新鮮です。いろんな色や柄がある中で、私はこのレッドがお気に入り。「大人のためのモータースタイル」をテーマとするショップ「Motorimoda(モトーリモーダ)」で取り扱っています

 もう1つ、とっても斬新なイタリア×日本古来のモノといえば、なんと「FUROSHIKI」という名前のスニーカー。そう、イタリアのソールメーカー「Vibram」が風呂敷にインスピレーションを得て作ったという、とっても斬新な靴なんです。

 Vibramのソールは多くの人気ブランドスニーカーに採用されていますが、適度な強度がありながらしなやかで、足の裏の動きによくフィットしてくれるので、ドライビングシューズにも適しています。そのソールに加えて、FUROSHIKIはどんな足にもピタリと合うように「包んで履く」ことができるのが新鮮。

 私の足は甲高で、ちょっと細身のスニーカーやドライビングシューズだと、長く履いていると痛くなってしまうことがあるのですが、このFUROSHIKIはストレッチする生地で本当に優しく足が覆われているようで、これなら誰のどんな足にも合わせられると思います。そして、シッカリとした第2の足の裏ができたような感じなのです。

 試しにわが家のマニュアル車、初代ロードスターをドライブしてみたんですが、ブレーキペダルを踏む時の頼もしさがありつつ、クラッチペダルをリリースしていく時にもソールと足の裏がずれる感覚がないので、すごく快適。足との一体感が半端ないというか、10分くらいするともう、履いている感覚そのものが薄れてくるような、そんな不思議なシューズです。

 イタリアの有名ソールメーカーも惚れた!? 日本の風呂敷の魅力。ドライビングシューズとしてはもちろん、ウォーキングやランニングなどのスポーツにもいいと好評のようです。唯一、私が失敗したのは、ストッキングを履いたままFUROSHIKIを履こうとしたら、マジックテープがストッキングに食いついて穴があいてしまったこと(笑)。なかなかそんなことする人はいないとは思いますが、念のため、ソックスか裸足で履いた方がいいと思います。

 というわけでこれは、イタリアの人たちにあらためて日本のよさを教えてもらったような、とても嬉しくなった2つの発見でした。

FUTOSHIKIはこんな風に、小さく折りたたんで、同素材のポーチに収納できるので、持ち運びにも便利ですよ

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。