まるも亜希子の「寄り道日和」

メルセデス・ベンツの立ち食いそば屋でランチタイム

これが幻の立ち食いそばと呼ばれたMinatoya3のメニュー。真っ赤なおつゆにネギ山盛りで、刻み海苔たっぷりの麺は太めでコシがあります。生卵もお好みで、味変を楽しめるようになっています。白いそばちょこは、食後にそば湯をいただく時に使います。セルフサービスのお水がワイングラスというのも、六本木らしくてオシャレですよね。ボリュームは普通盛りでも私にはやや多いくらいの量。残念ながら大盛りはオーダーできませんが、小盛りはオーダー可能だそうです

「六本木のド真ん中に、謎の立ち食いそば屋がある」と聞いたのは、世界がコロナ禍に巻き込まれる少し前のことでした。それからずーっと気になっていたんですが、ついに! 発見したんです~。大通りからは見えにくく、まるで身をひそめるようにして佇むそのお店は……?

 小さな小さな看板には、これまた読みにくい筆記体で「Minatoya3」とだけ書いてあります。ほとんどの人は、もし見つけたとしても「なんだろう?」と首をかしげると思うんですが、でもこれは、覚えのある人なら「おやおやっ!」と強烈に惹かれる店名なんです。

六本木のミッドタウンから徒歩1分という、超オシャレな場所にある謎の立ち食いそば屋、「Minatoya3」。実はメルセデス・ベンツの「クルマを売らないショールーム」こと、「メルセデス・ミー」の敷地内にあるんです。

 実は港屋(MInatoya)は、「日本一行列のできる立ち食いそば屋」と呼ばれつつ、2019年2月に惜しまれながら閉店した東京・虎ノ門のお店。現在、Minatoya2が大手町で営業中、ここが3つ目のお店となるMinatoya3というワケなんですね。

 驚くべきことに、そのMinatoya3はメルセデス・ベンツとのコラボで出店されているんです。そう、謎の立ち食いそば屋とは、メルセデス・ベンツがプロデュースするショールーム&カフェレストラン「メルセデスme」の敷地内にあるんですよ~。カフェの方には何度も訪れていたのに、今の今まで気がつかなかった私って(笑)。

 なのでさっそくお邪魔してみましたよ~。入口を入るとカウンターがあり、人数を聞かれて注文とお会計を先に済ませるスタイルです。ふと横を見れば、「相談役 島耕作」の直筆ポスターが! なんと週間漫画雑誌「モーニング」にお店が登場したんだそうです。なんだかそんなことを聞くと、ここで食べたら出世するような気がしてきますね(単純?)

入口を入るとすぐ、「モーニング」で連載されている「相談役 島耕作」の直筆ポスターがでで~んと。実はもともとの虎ノ門の港屋は、島耕作シリーズにもたびたび登場して、「島耕作も愛した幻の立ち食いそば」として読者の方々にも有名なのだとか。日清からコラボカップ麺が発売されたこともあるほどなんだそうですよ

 メニューは基本的に1つで、私がお邪魔したランチタイムは「1-hour ランデヴー 1000円」と書いてありました。ちょっとオシャレすぎちゃって、どんな食べ物が出てくるのやら、まったく想像がつきません(笑)。いったい何が運ばれてくるのでしょう?

 密を避けるために、立食用の丸テーブルを1人1つずつ使って、店員さんが配ってくれた焼肉の時のようなエプロンをかけて、しばし待ちます。おそばなのにエプロンって、ずいぶん用心深いなぁなんて不思議だったのですが……。

 いよいよおそばが運ばれてきて、その謎が解けました。おつゆが真っ赤です! そして麺は日本そばとはちょっと違い、中華麺に近い色と太さをしていますね。かなり細切りの海苔がのっかっていて、そばとつけ麺の合いの子みたいな感じが新しいなぁ。小皿に添えられた生卵は、途中でおつゆに入れると辛さがマイルドになって、また違ったお味が楽しめるとのこと。いわゆる、「味変」ってやつですね。空っぽのそばちょこは、食後のそば湯に使ってくださいと。ほほぉ~、ちゃんとそば湯があるんですね。

 さぁでは、おつゆがこぼれないように麺を浸して、ひと口目、いただきます! ん~、これは辣油のからみでしょうかね、後味が少しピリリときます。麺はとても噛み応えがあって、少し濃いめのつゆの旨味と、シャキッとしたネギの甘みにいい感じで絡んで美味しいです。私はあんまり辛いのが得意ではないので、3口目くらいで早くも卵投入(笑)。すると、コクが増した感じでさらに美味しくなりましたよ~。

 フーフー言いながら麺をすっかりたいらげましたが、見た目よりもけっこうボリュームがあります。少食な方は100円引きで「小盛り」もオーダーできるみたいですよ。で、そばがなくなったお皿にメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターと「Mercedes me」の金色のロゴが現れました! でもこれは全員のお皿に現れるわけではないようで、これが出たら幸運の印かな?

 そしてそば湯というのは、粉をそばちょこに入れてお湯でかき混ぜるという、初めてのパターンにびっくり。でもお味はちゃんとそば湯で、食後にホッとひと息つけるのもいいですね。お酒などのドリンクメニューもあったので、お仕事帰りにここで1杯やって、締めにそばを食べて帰る、というのも粋な感じです。

食べ終えると、スリーポインテッドスターとメルセデス・ミーの「me」のロゴとMinatoya3の文字がお皿に現れてビックリ。そば湯もセルフサービスで、辛くなった口の中に、まろやかなそば湯がほっこりしますよ。私はその後さらに、お隣りのメルセデス・ミーのカフェでコーヒーまでいただいちゃいましたけどね(笑)

 常連さんらしい人に聞いたところ、「どうも3日くらい経つとまた食べたくなる味なんですよ~」とのこと(笑)。そういえば、メルセデス・ベンツから他のドイツ車に浮気した人が、「やっぱりメルセデスに戻りたくなった」と言っていたのを思い出しました。どっちにも、何かの魔法がかかっているのかな? ぜひ皆さんも、六本木のド真ん中でメルセデス・ベンツと共にいただく立ち食いそば、ご賞味あれ~♪

【お詫びと訂正】記事初出時、「Minatoya2」の営業情報に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。