【2011フランクフルトショー】
新型「911」とともに3モデルをワールドプレミア

「ステアリングを握った瞬間から進化や違いが分かる」新型911

2011年9月15日~25日(現地時間)
独フランクフルト
Messe Frankfurt



 ポルシェAGは、7世代目となる新型911シリーズのワールドプレミアを行った。

 プレスカンファレンスでポルシェAGの代表取締役であるマティアス・ミューラー氏は、「これまで911シリーズは累計70万台を販売してきた。そのうち80%のクルマが現存して今でも走っている。この数字は、ただ単に性能のよいクルマだけではない、情熱、ステータス性、スポーツカーとしてのアイコンといった評価を受けているから。新型911も、これまで確立してきたこれらのイメージを引き継いでいる」とコメントした。

 また、ポルシェのテストドライバーであり、911を駆って数多のラリーで優勝を飾ってきたワルター・ロール氏は、新型911を「ステアリングを握った瞬間から進化や違いが分かるようになっている」と、優れたハンドリングを絶賛していた。
 
 初代モデルの発売開始から約50年の間、ポルシェの象徴として存在し続けてきた911シリーズ。どのジェネレーションでも一目で911と分かるシルエットを持っていたが、新型でもその方向性は継承されている。ホイールベースが100mm伸ばされ、全高が低くなり、20インチのホイールを履こうとも、どこから見ても911に見える。

 公開されたのは「カレラ」と「カレラS」の2モデル。スペックによると、カレラに搭載される新型の水平対向6気筒DOHC 3.4リッターエンジンの最高出力は350PS。デュアルクラッチ「PDK」のトランスミッションと組み合わせると、8.2L/100kmという省燃費性能も併せ持ち、先代モデルに比べて、燃料消費量とCO2排出量は最大で16%も低減している。

 上級グレードのカレラSに搭載される水平対向6気筒DOHC 3.8リッターエンジンは400PSを発揮する。これだけのハイパワーモデルながら、8.7L/100kmという燃費性能も持っている。

新型911シリーズではカレラとカレラSをラインアップ。写真のカレラSは400PSを発生する水平対向6気筒DOHC 3.8リッターエンジンを搭載
レースカーの血を受け継ぐロードモデル「GT3 RS 4.0」。4.0リッターのエンジンから発揮される最高出力は500PS。0-100km/hの加速は3.9秒で、最高時速は310km/h。カーボンパーツを多く使用するなどして軽量化した車重は1360kg。このままの状態でニュルブルクリンクの北コースを7分27秒で周回するという。限定600台で生産を開始する
1200kmもの長距離を無給油で走ることができるGTサルーン「パナメーラディーゼル」。エンジンはV型6気筒 3リッター。最高出力250PS、最大トルク550Nm。トランスミッションはディーゼル用にセッティングされた8速ティプトロニック
ケイマンSをベースに内外装をブラックで統一した「ケイマンSブラックエディション」。水平対向6気筒 3.4リッターエンジンは、最高出力340PSと最大トルク370Nmを発揮する。内装はダッシュボードトリムが、ギアシフトレバーと同様のブラックで仕上げられる。なおブラックエディションは500台の限定モデル
新型911のオマージュとして初代911(904)が展示されていた

(真鍋裕行)
2011年 9月 14日