【東京モーターショー2009】 三菱、さまざまなニーズに応える電気自動車を出品 「EVとHVを基幹事業として育成する方針」と益子社長 |
三菱自動車工業は、東京モーターショーにハイブリッドモデルの「Concept PX-MiEV(コンセプト ピーエックス ミーブ)」と電気自動車の「i-MiEV CARGO(アイ・ミーブ カーゴ)」に加え、近日発売のモデルを多数展示した。
コンセプトカーに加え、多数の参考出品車両が展示された三菱ブース | プレスカンファレンスには、i-MiEVに乗って益子社長が登場 | 三菱自動車工業の取締役社長 益子修氏 |
「i-MiEV(アイ・ミーブ)」に乗って登場した益子修社長は、「電気自動車は、走行中のCO2排出量がゼロの究極の環境対応車と考えており、今後、課題を一歩一歩克服しながら、プラグインハイブリッド車もラインアップに加え、私どもの基幹事業として育成する方針です」と、三菱のEV(電気自動車)とHV(ハイブリッド車)に対する方針を述べた。
すでに企業を対象に発売中のi-MiEVは、2010年からは個人向けにも販売を開始。イギリス、香港、ニュージーランドなど右ハンドルの国にもデリバリーを開始し、2010年末からは、欧州でも販売を予定。i-MiEVを「世界戦略車として展開していきたい」とした。また、EV開発の先駆者として、電池の2次利用事業に関しても、三菱商事を初めとした複数のパートナーと検討していると言う。
今回のモーターショーでは、EVのニーズに応えるラインアップとして、貨物の輸送や集配などに使えるi-MiEV CARGOを参考出品。さらに、補助エンジン搭載のEVとしてConcept PX-MiEVを参考出品。Concept PX-MiEVでは、同社が得意とする4輪駆動技術も追求していると述べた。このほかにも、現在開発中の小型車にもEVバージョンを設定し、ラインアップを充実していくとのこと。
i-MiEV CARGO(アイ・ミーブ カーゴ) | |
Mitsubishi Concept PX-MiEV(コンセプト ピーエックス ミーブ) |
三菱では「EVを基幹事業のひとつとして、『快適な持続可能社会の実現』に取り組み、人と社会と地球と共に、次の100年へ走り始めました」と締めくくった。
取締役 商品線戦略・開発統括部門担当 上杉雅勇氏 |
続いて、商品線戦略・開発統括部門担当の上杉雅勇氏から、出展車両について説明が行われた。
Concept PX-MiEVは、フロントとリアにモーターを搭載しており、モーターのみで走るEVモードのほか、バッテリー残量が減った際には、エンジンを発電のみに利用するシリーズハイブリッドモード、高速走行時に、エンジンで前輪を駆動するパラレルハイブリッドモードと、3つのモードが用意される。それぞれのモードで必要に応じて後輪をモーターで駆動し4WDモードにすることができ、さらに差動モーターで左右輪のトルク配分をコントロールするS-AWC(Super All Wheel Control)も搭載すると言う。
駆動用バッテリーは、回生による充電のほか、家庭用コンセントでの充電や急速充電にも対応。さらに給電モードも持ち、駆動用バッテリーから、家庭へ給電も可能としている。これは災害時の緊急用電源や、キャンプの際の電源としても利用できるとのこと。
EVモード、シリーズハイブリッドモード、パラレルハイブリッドモードの3つのドライブモードを持つ | ||
差動モーターにより左右輪のトルク配分を制御するS-AWC | 駆動用バッテリーの電源を家庭用電源などに給電することも可能 |
このほか、i-MiEV CARGOでは、さまざまなニーズに応えられるよう、後部に1180×1350×1100mm(長さ×幅×高さ)のフラットなフロアのラゲッジを用意したと言う。また、「cocochi(ここち)-インテリア」と銘打った室内快適装備として、抗アレルゲンや抗菌、消臭機能を持ったシート生地や、アロマ発生+酸素富化装置の紹介。省エネに繋がる技術として、熱反射ガラスや熱反化ボディー塗装、4席独立の空調シートといった技術などが説明された。
三菱のブースでは、その他にも、年内から年明けに発売を予定している車両が多く参考出品されていた。
(瀬戸 学)
2009年 10月 22日