【東京モーターショー2009】 マツダ、環境対応パワートレーンなどを展示 |
マツダの山内孝 代表取締役社長兼CEO |
マツダブースでは、環境性能の基幹技術となる3つのパワートレーン技術「SKYTECH(スカイテック)」のほか、コンセプトカー「清(きよら)」などを公開した。
「SKYTECH」とは、次世代パワートレーンの開発コンセプトを実現する技術に対して付けられた名称のこと。今回の発表では、次世代ガソリンエンジン「SKY-G(スカイ・ジー)」、次世代ディーゼルエンジン「SKY-D(スカイ・ディー)」、次世代オートマチックトランスミッション「SKY-Drive(スカイ・ドライブ)」という3つの技術が発表された。同社では、「2015年までにグローバルで販売するマツダ車の平均燃費を2008年比で30%向上させる」という目標を掲げており、SKYTECHはその足がかりとなる技術。
直噴ガソリンエンジン「SKY-G」 | 次世代ディーゼルエンジン「SKY-D」 | 次世代AT「SKY-Drive」 |
次世代車の主力エンジンとされる直噴ガソリンエンジン「SKY-G」は、シリンダー内の空気流動や火炎伝播、膨張などのメカニズムを把握し、理想の燃焼を追求したエンジン。現行の2.0LエンジンとSKY-G 2.0Lを比べた場合、燃費が約15%の改善、トルクも約15%の向上が認められたと言う。なお、アクセラクラスの車両に搭載した場合、1ランク下の現行コンパクトカーであるデミオ並みの低燃費を実現するとしている。このSKY-Gは、世界に先駆け、2011年に国内で導入する予定。
次世代ディーゼルエンジンのSKY-Dは、燃費の向上と高出力を両立させながらも、ディーゼルエンジンで問題となる窒素酸化物やススを低減。燃焼タイミングを最適化した「直噴ピエゾインジェクター」、ワイドレンジで最適な過給が行える「2ステージターボチャージャー」などの技術を利用することで現行の2.2Lディーゼルエンジンと比べ、約20%の燃費を改善。アテンザクラスの車両に搭載した場合、SKY-Gエンジンと同じく現行のデミオ並みの低燃費を実現するとしている。
次世代オートマトランスミッションのSKY-Driveは、燃費性能とダイレクト感の向上を目的として開発されたユニット。ロックアップ領域の拡大と油圧制御の最適化により、約5%の燃費が改善されたという。SKY-Driveと次世代ディーゼルエンジンSKY-Dを組み合わせて、2012年には市場に導入するという。
環境性能を象徴的に表現したコンセプトカーという位置づけの清は、次世代直噴ガソリンエンジンSKY-G 1.3Lと次世代6速AT SKY-Driveといった2011年以降に市場導入を予定している新技術を搭載しているのが特徴。“水の流れ”をデザインコンセプトにしたという流線型の特徴あるボディーは、床下の気流をコントロールするd技術と相まって、空力特性を向上させ、アイドリングストップシステムの「i-stop」や減速時の運動エネルギーを回生してバッテリーを充電する技術、さらにはデミオと比べて100kg軽いボディーなどにより、32km/Lという超低燃費を実現しているという。
このほかにも、水素ロータリーエンジンを搭載し、水素燃料がなくなった時にはガソリン燃料へと切り替え可能なデュアルフューエルシステムを備えた「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」などが展示されていた。
アテンザ ワゴン | |
ロードスターのリトラクタブルハードトップモデル | ||
(飯塚 直)
2009年 10月 22日