【東京モーターショー2009
部品・用品関連やオーディオメーカーの見どころ(前編)

「LFA」採用技術や、日本で2台の「SLR マクラーレン」など

中央ホールや西ホールを中心に部品・用品関連ブースが並ぶ

千葉県 幕張メッセ
会期:2009年10月21日~11月4日
(一般公開日:10月24日~)



 10月24日より一般公開される第41回東京モーターショー2009。自動車メーカー各社が軒を連ね、未来を見据えたコンセプトカーや、最新モデルを展示している。その一方で、部品、用品メーカー各社も、環境や安全に貢献するさまざまな技術や部品を展示。また、オーディオ関連メーカーなども出展しているので、その模様を2回に分けてお届けする。

ボッシュ
 さまざまな技術展示が行われていたボッシュのブース。ブリーフィングでは、ロバート・ボッシュ 取締役会メンバー 自動車機器テクノロジー統括部門長 ベルント・ボア氏が、今後の20年間は内燃機関がまだ重要とし、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに燃費をさらに30%低減できると述べた。ハイブリッド技術にも力を入れ、2010年にはポルシェ「カイエン」とフォルクスワーゲン「トゥアレグ」に同社のハイブリッド機器を搭載する予定だと言う。また、2011年にはリチウムイオン電池の量産を始め、BMW「Megacity Vehicle」に搭載される予定だと述べた。

ボッシュのブースには、アルファ ロメオ「ミト」などが展示されたロバート・ボッシュ 取締役会メンバー 自動車機器テクノロジー統括部門長 ベルント・ボア氏ミトの横には薄型のコンパニオン。薄いプレートにコンパニオンの映像が映し出されるのだが、その姿は会場での注目を集めていた
ハイブリッドシステムの作動状況を体験できる装置。自らがエンジンとなってペダルをこぎ、モーターのアシストを体感できる横滑り防止装置の油圧制御ユニットを展示。これにイナーシャセンサーを内蔵したものが、スズキの新型車「キザシ」に採用されたと言うESC(横滑り防止装置)の効果を体験できるシミュレーターもある

アイシン精機
 アイシン精機のブースでは、車の燃費をよくするためにエネルギーを効率よく使うエネルギーマネジメントをテーマとして、部品や技術を紹介したほか、レクサス「LFA」に採用された同社パーツや、日本初公開の技術を展示していた。

アイシン精機のブースでは、LFAで採用されたトランスミッションや、実際に触って、その作動の仕組みを見ることができる展示物が多数用意されていたLFAにトランスアクスル形式で搭載されたトランスミッション6速ASG(オートメーテッドシーケンシャルギアボックス)も展示。トランスアクスルと言ってもフロント側(写真右)にも減速ギアがあり、さらにその前にクラッチが取り付けられる。これは前後重量バランスを重視するためとのこと
LFAのブレーキは電子制御。ペダルに付いたアングルセンサーで踏み込み量を検知し、電動で油圧を発生させブレーキをかける。ペダルにも油圧経路はつながるが、その先はブレーキユニットにはつながっておらず、踏んだ際の自然な反力を作り出すためのもの日本初出品の中容量FF6速AT(右)。従来のモデル(左)と比べると大幅に小型化されており、軽量化と高効率化を実現する一般的な5速MTのスケルトンモデルも展示されていた。シフトノブを動かすと、実際にシフトフォークやギアが動く様が見える
フレーム構造を大幅に見直すことで、世界トップクラスの軽さを実現したというパワーシート従来よりも鉄板を薄くし、代わりに発泡ウレタンなどよりも硬いと言う補強充填材を入れることで、剛性と軽量化を両立する技術も展示
ECU一体型カメラも展示。展示されていたのはドライバーモニターシステムで、カメラに写ったまぶたの動きや顔の向きを認識し、居眠りやよそ見を監視する顔の輪郭を青、中心を黄色の縦線で捉え、まぶたの上下を青い横線が表す。目を閉じると青い横線の間隔が狭くなり、横を向くと黄色の縦線が中心からずれている。ECU一体のカメラなので、既存の車両への追加も比較的容易にできるのが特徴

デンソー
デンソーのブースは、環境ゾーン、安全ゾーン、快適ゾーン、利便ゾーンの4つのゾーンで技術や商品を展示していた。

デンソーのブース環境ゾーンでは、車の動力を効率よく使用し、さらに回生する「エネルギーマネジメント」のための技術や部品を多数展示エネルギーマネジメントを体験できる装置。上り坂では発電やエアコンを停止し、下り坂では逆に積極的に発電やエアコンを使うことで、楽に走れることを体感できる
世界初のフルカラー全面TFT液晶モニターも展示。メーターの表示を好みで変えられたり、ハイブリッドシステムの作動状況の表示や、カーナビの案内の表示、さらにナイトビューの映像などを映したりできる

日立オートモーティブシステムズ
 日立オートモーティブシステムズのブースでは、ハイブリッド車に関する技術や運転支援に関する技術、クラリオンの新技術や製品展示なども行われていた。

日立オートモーティブシステムズでは、ハイブリッド車向けの新型リチウムイオン電池などを展示車載用リチウムイオン電池。右の角形リチウムイオン電池が新タイプのもの。従来の円柱型よりスペース効率に優れるこちらはトラックやバスなどのハイブリッド車で既に採用されているリチウムイオン電池
日立のブースではクラリオンの製品も展示されており、車両を真上から見下ろしたような映像が見られる全周囲俯瞰システム(写真左)のほか、新技術として、運転者の視点から、助手席のドアの向こうが透けて見えるような映像を映し出す透過型サイドビュー(写真中、右)を展示

住友電工グループ
 住友電工グループのブースでは、同社が開発したITSのインフラ技術の紹介や、超伝導の電気自動車の紹介などがおこなわれていたほか、ホンダのハイブリッド車で採用されているコイルなどを展示していた。

住友電工グループのブースでは、モニターを使って各種技術の紹介がされていたホンダのハイブリッド車で使われているコイルの模型を展示。角断面の巻線を使うことで、効率をよくしていると言う

NGK
 NGKのブースでは、これまで純正採用されたさまざまな形のプラグを展示したほか、都市ガスで水素を作るモジュールなどを展示。

NGKのブース。手前には純正採用されたプラグが並ぶ最新プラグの技術を紹介。拡大レンズが設けられていて、プラグの先端の違いを見ることができる都市ガスや天然ガスから水素を作る水素製造モジュールを展示。すでにあるインフラを使うことで、どこにでも水素ステーションをつくることができる

BEWITH
 ハイエンドオーディオメーカーのBEWITHでは、世界限定150台、日本への割り当てはわずか2台のスポーツカー「SLR マクラーレン ロードスター 722S」を展示。視聴可能な車両も用意された。

SLR マクラーレン ロードスター 722Sの日本仕様にはBEWITHのオーディオシステムが装備される
オーディオシステムのコアユニットになるのはこのミラー。ミラー内にモニターを備え、操作のメニューなどを表示、操作はリモコンで行う。また、ミラー側面にはCFカードスロットが用意され、CFカードに収録した音楽データも再生できる
ドアには2ウェイスピーカーを装着する。BEWITHのスピーカーは、コーンの中心がオフセットしているのが特徴トランクにはプロセッサー内蔵DAコンバーターとパワーアンプがインストールされる純正装備のCDチェンジャーも利用可能
インパネセンターパネルには純正装備のメインユニットもあり、ラジオやカセットテープの再生ができる
360km/hまで刻まれたメーターシートコンセプトモデルとして、マルチメディア対応コントロールユニットの「Mirror Station 57 Concept」と、小型スピーカーの「FS-17T Concept」も出展

ソニックデザイン
 ソニックデザインのブースでは、メルセデス・ベンツ CLクラス専用のコンプリートオーディオシステムを発表していた。

システムの中核となるデジタルプロセッサーアンプフロントドアには、片側に4つの52mmフルレンジスピーカーを、アルミダイキャスト製エンクロージャーとセットで装着、リアトレイには77mmのサブウーファーを4本装着。もちろん車種にあわせてセッティングが施される

(瀬戸 学)
2009年 10月 23日