【2011ジュネーブショー】 スズキ「スイフト S-CONCEPT」のチーフデザイナーインタビュー 「オンロードをイメージし、サーキットレーサー風を目指した」 |
新型スイフトがデビューして半年が経つが、旧型には用意されていたスポーツモデル「スイフトスポーツ」は、現時点でラインアップされていない。だが、次期スイフトスポーツを彷彿させる「スイフト S-CONCEPT」が今回のジュネーブショーで公開された。
これが次のスイフトスポーツになるのか、チーフデザイナーを務めた松島久記氏にインタビューを行った。
松島氏は新型スイフトのデザインも務めている |
──まず、スイフト S-CONCEPTというクルマはどういったモデルなのでしょうか?
松島氏:スイフトのスポーティさをより強調したコンセプトモデルです。走りのイメージをさらに印象付けることを考え、全体的にスポーティな方向にリファインしています。
──スポーティさとは具体的にどこの部分になりますか?
松島氏:ベースとなった新型スイフトに対して、フェンダーは片側30mmワイド化していて、車高も低くし、ホイールはインチアップしています。また、フロントグリルは吸気効率を高めるために開口部を大きくして、フロントとリアバンパーも専用のデザインに仕上げました。
──スイフトのスポーティイメージといえば、先代ではラインアップされていたスイフトスポーツが思い浮かびますが、関係性はあるのでしょうか?
松島氏:先代までのスイフトスポーツは、ツートーンのフロントバンパーやソリッドなカラーリングなど、どちらかといえばメカニカルな印象でした。また、JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)などのモータースポーツで使われていたので、スポーティの種類でもラリー色が強かったと思います。スイフト S-CONCEPTはスイフトスポーツではないので、先代のイメージに直結しないように完全にオンロードをイメージして作りました。抽象的ですがサーキットレーサー風を目指しています。
──ということは、これが次期スイフトスポーツとはならないのですか?
松島氏:スイフト S-CONCEPTはただのデザインスタディです。カラーリングもスズキのスポーティイメージがイエローなので、先代スイフトスポーツと同色ですが、これはパールを入れています。ライトニングパールイエローといってジュネーブショーオリジナルカラーになります。
──インテリアの完成度はかなり高いように感じますが
松島氏:ベースの新型スイフトのよさを活かしながら本物感、プレミアム性を出すことを考えました。シートはレカロの専用バケットタイプです。センターガーニッシュはカーボン製で、インパネはレザー貼りになっています。また、インパネやドアの下半分はポリッシュ仕上げのメタリック塗装を施しています。外装色も同様に、カラーデザイナーと相談しながら作ったのですが、かなり想定したイメージに近く仕上がっています。
──インテリアは素材を変更したのがメインとなるのですか?
松島氏:そうです。プレミアム感のある素材を多用してスポーティさを演出しています。シートやコクピットまわりのレイアウトなどは、ベースの新型スイフトも走りを意識した作りなので、そのままにしてあります。
──パワートレーンは、エンジンが1600ccでミッションが6速MTと発表されていますが
松島氏:エンジンとミッションは、新型スイフトと異なったものが搭載されていますが、詳細については現段階ではお話できません。
──スイフト S-CONCEPTを見て、読者はどのような思いを持てばよいでしょうか?
松島氏:スイフト、そしてスズキのスポーティイメージが伝わればよいと思います。みなさまが期待されている次期スイフトスポーツですが、このデザインスタディを見て想像してもらうことはかまいませんが、現段階でこれがスイフトスポーツになるかと言うと「ノー」という回答になってしまいますが。
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1157.html
(真鍋裕行)
2011年 3月 10日