【東京オートサロン2012
キャロッセ、サトリアネオCUSCO Versionを含め3台を初公開

将来的には正規輸入モデルのラインアップ拡充を検討

サトリアネオCUSCO Versionの前に立つ、キャロッセ代表取締役の長瀬務氏

2012年1月13日~15日
幕張メッセ



 昨年の東京オートサロンでマレーシア最大手の自動車メーカーであるプロトンのサトリアネオを正規輸入し販売すると発表したキャロッセ。昨年は、キャロッセのブース内にプロトンのスペースを設けていたが、今年は独自の展示スペースを構え、正規輸入しているサトリアネオをベースにしたCUSCO Versionを含めた3台の車両を公開した。

アンベールされるサトリアネオCUSCO Versionサトリアネオの前で記念撮影を行うキャロッセの長瀬氏とプロトンホールディングスのラザック氏

 ブース内で開催されたプレスカンファレンスでは、輸入元となるキャロッセの代表取締役 長瀬務氏と、プロトンホールディングスのモータースポーツ担当役員ダトゥ・ラザック・ダーウッド氏の両名がスピーチを行った。

 長瀬氏は、国内に導入実績のないサトリアネオのパフォーマンスを実証するために参戦した国内外のラリー選手権での戦績やプロトンプロジェクトが着実に進行している状況を説明。ベース車両の性能が大いに問われるグループNカテゴリーとなる全日本ラリー選手権では、JN3クラスに参戦しシリーズチャンピオンを獲得。APRC(アジアパシフィックラリー選手権)でも2輪駆動クラスにエントリーしたカラムジット・シン選手とジュニアカップにエントリーした番場彬選手の両名がチャンピオンを獲得。グループN車両で参戦した3カテゴリーともに初年度ながらチャンピオンを獲得し、サトリアネオの素性のよさを大いにプロモーションすることができたようだ。

 競技参戦と並行してテストしているカスタマイズや競技用パーツの販売準備も順調に進んでいるようで、当初予定していたパーツはほぼラインアップされ、すでに供給できる状態にあると言う。

 国内で販売されるサトリアネオの車両型式も登録がすみ、いよいよデリバリーが開始される。そして、今後の展望として、スポーツイメージを持った他車種の正規輸入やモータースポーツのベース車両を積極的に導入していく考えもあると語っていた。

 長瀬氏に続き会見したプロトンホールディングスのラザック氏は、2011年はAPRCのS2000クラスで総合優勝を果たし、2輪駆動部門でも2つのカテゴリーでチャンピオンを獲得。それによりサトリアネオの強靭さとポテンシャルの高さを披露することができたことに満足していると語り、今年もAPRCでの連覇を目指して活動を行うとのこと。そして、キャロッセとの関係を強化していき、両社がさらに繁栄することを願うとのコメントを残した。

長瀬氏プロトンホールディングスのモータースポーツ担当役員ダトゥ・ラザック・ダーウッド氏

 カンファレンスでアンベールされた「サトリアネオCUSCO Version」は、キャロッセが開発を行なったサスペンションや補強パーツに加え、プロトンのモータスポーツディビジョンの一部門であるR3(Race・Rally・Research)のパーツが多数用いられている。R3とは、BMWのMやメルセデスのAMGと似た立ち位置で、メーカーが携わっているカスタマイズブランド。ベースとなっているサトリアネオは、キャロッセを通して購入することができ、1,596,000円というプライスタグが付けられている。

Satria Neo CUSCO Version。ボディーパーツはR3ブランドで統一されている
R3ブランドの16インチホイールを履くインテリアはノーマルのほぼノーマルのまま。アフターパーツとしてメーター類が追加されている

 マレーシア国内でも販売されていないコンセプトモデルの「ARTIGA Concept」。昨年の上海モーターショーで公開されたコンセプトカーで日本初披露となる。まだ、コンセプトカーとしてのお披露目だが、サトリアネオの後継モデルとして期待されている車両。

 排気量はサトリアネオと同様の1.6リッターだが、可変バルブタイミングやスーパーチャージャーが採用されていて、高出力かつレスポンスに優れたエンジン特性を持つ。エクステリアはR3が開発に携わったカーボン製のエアロパーツを装備。リベット止めされたオーバーフェンダーなどはストイックなスポーツモデルであることを体現している。

ARTIGA Concept。ボディーはカーボンパーツにより大幅な軽量化を施している。エンジンは、スーパーチャージャー付きの1.6リッターで、サトリアネオを凌ぐホットハッチモデル
インテリアは、カーボン仕上げのパネルや赤と黒のツートーンによりスポーティさを演出
可変カム付きのエンジンなので高回転までしっかりとパワー感が衰えることがない特性を持つ

 プロトンのポピュラーなファミリーカーSAGAをベースとしている「SAGA R3 Concept」。4,278×1,680×1,520mm(全長×全幅×全高)というボディーサイズのミッドクラスセダン。展示された車両の中では唯一の4ドアモデルとなる。こちらもR3ブランドのボディーパーツとホイール、エキゾーストシステム、インテリアパーツを装備している。

SAGA R3 Concept。R3のボディーパーツとストライプのカラーリングがスタイリッシュ
レザー巻きのステアリングやシフトノブ、本革仕上げのシートが高級さをかもす

(真鍋裕行)
2012年 1月 14日