東京オートサロン2014

日産、オバフェンやZ34純正ホイールなどでタフギア感を高めた新型「エクストレイル」カスタム車

「GT-R NISMO」向け性能向上パッケージ「NISMO N Attack Package」装着車など見どころ多数

都会的なデザインを維持しつつ、オーバーフェンダーやリフトアップなどでワイルドなタフギアを表現したエクストレイルのカスタム車と、同車両を担当したグローバルデザイン本部 プロダクトデザイン部 佐々木真治チーフデザイナー
2014年1月10日~12日開催

幕張メッセ 国際展示場ホール1~11/イベントホール

 今回の東京オートサロンにおける日産自動車はNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)やオーテックジャパンと共同で、未発売モデルや発表して間もない車両をベースにしたカスタム車両を精力的に展開するとともに、2014年のSUPER GT GT500クラスにエントリーする新型車両や、今年のル・マン24時間レースに参戦予定の「ZEOD RC(ズィーオッド アールシー)」といったレース車両も出展している。

 その中でも注目なのは、タフギア感を高めた「エクストレイル」と専用パッケージを装着した「GT-R NISMO」だ。

2014年のSUPER GT GT500クラスにエントリーする新型車両
今年のル・マン24時間レースに参戦予定の「ZEOD RC(ズィーオッド アールシー)」

オーバーフェンダーやZ34純正ホイールで武装したエクストレイル

エクストレイル エクストリーマーパッケージ ストレッチド

 昨年12月にフルモデルチェンジした新型エクストレイルは、先代からより都会的で洗練されたデザインへと進化したわけだが、ここオートサロンで展示された「エクストレイル エクストリーマーパッケージ ストレッチド」はその都会的なデザインを維持しつつ、リフトアップなどでワイルドなタフギアを表現。

 ボディーカラーには、今後同社のいずれかのモデルでの採用を目指す「ボルケーノレッド」と呼ばれる鮮やかな赤を用い、専用のオーバーフェンダーやフロント&サイド&リアアンダーカバー、LED内蔵ルーフレールなどを装備するとともに、専用デカールをあしらった。インテリアでは専用フロントシートも装備する。

ホイールは現行「フェアレディZ」(Z34)の純正18インチホイール(フロント用)に特別塗装色を施したもの。なかなかのツライチ

 面白いのはホイールで、現行「フェアレディZ」(Z34)の純正18インチホイール(フロント用)に特別塗装色を施したものを装着しており、なかなかのツライチに仕上がっている。

 エクストレイル エクストリーマーパッケージ ストレッチドはあくまで参考出品車だが、同車両を担当したグローバルデザイン本部 プロダクトデザイン部 佐々木真治チーフデザイナーは「オートサロンで反響があれば、製品化も検討できる」とのこと。将来的には「ジューク」で用意される、専用ボディーカラーやスポーツストライプをセレクト可能な「パーソナライズパッケージ」のような位置づけになる可能性もあるので、興味のある方は日産ブースで製品化の要望を伝えてみてはいかがだろうか。

専用オーバーフェンダー
LED内蔵ルーフレール
専用デカールがあしらわれる
専用シート

製品版に近い完成度のGT-R NISMO向け性能向上パッケージ

「GT-R NISMO」向け性能向上パッケージ「NISMO N Attack Package」装着車。GT-R NISMOはベース車と異なるカーボン製バンパーやカーボン製リアスポイラー、6本スポークのレイズ製アルミ鍛造ホイールなどを専用装備し、さらに同モデル向け性能向上パッケージを装備している

 もう1台の注目車は、新たにラインアップされた「GT-R NISMO」向け性能向上パッケージ「NISMO N Attack Package」装着車。

 GT-Rは昨年末に2014年モデルへと進化し、それにあわせて日産のモータースポーツを担っているNISMOが手がけたハイパフォーマンスバージョンであるGT-R NISMOを展開。GT-R NISMOはニュルブルクリンク北コースで7分8秒679というラップタイプをたたき出しているが、そのタイムアタック車両は専用のオプションパッケージを装着しており、それが今回のNISMO N Attack Packageになる。同パッケージは今夏に発売されることがアナウンスされている。

 パッケージには、ニュルでより好タイムを出すためにはフロントのダウンフォース量を高めることが必要だったことから、そのために専用のフロントリップやフロントフェンダーの空力パーツ、ボンネット上のリップ、可変式GTウイング、さらに専用サスペンションやチタンマフラー、レカロ製フルバケットシートなどが含まれる。なおパッケージを装着すると、軽量化のため後席は取り払われ2名乗車仕様となる。

 今回のオートサロンで展示されたのは、タイムアタック車両に付いていた各種パーツの製品版に近い形のものであり、ニュルで培われたノウハウとともに、その完成度を現地で確認していただきたい。

 なお、ブースでは11日にSUPER GTドライバーの柳田真孝選手によるカーライフトークショー(13時~13時30分)や、ミハエル・クルム選手が参加するGT-R NISMOやマーチ NISMOに関するトークショー(15時~15時30分)、さらに12日にはSUPER GTで監督を務める鈴木監督、大駅監督、星野監督、近藤監督によるトークショー(11時~11時30分、15時~15時30分)など、多くのイベントが用意されている。

6本スポークのレイズ製アルミ鍛造ホイール
ボンネット上のリップ
パッケージとは別で用意されるカーボンボンネットを装備
フロントフェンダーの空力パーツは、フェンダー部を含め材質にカーボンが使われる
リアまわりでは専用のGTウイング(可変式)がパッケージに含まれる
他のNISMOバージョン車と同様、エクステリアには赤いアクセントが入る
エンジンではGT-R NISMO GT3で使われる大容量の専用タービンを採用するとともに、気筒毎に点火時期の最適化などを図り、最高出力441kW(600PS)、最大トルク652Nm(66.5kgm)を発生。これはベース車から50PS/20Nm増のスペックとなる
パッケージ装着車は専用のレカロ製フルバケットシートを装備し、1脚あたりベースのGT-R NISMOで使われるシートから15kgの軽量化に成功しているという。リアシートは取り払われ、2名乗車仕様となる
日産ブースを訪れたトヨタ自動車の豊田章男社長(右)と、エスコート役を務めた志賀俊之副会長(中央)。GT-R NISMOについて、2014年モデルの開発責任者を務める田村宏志氏(左)が豊田社長に紹介していた

そのほかにも見どころ多数

 また、ブースでは間もなくのデビューを控えるスーパーハイトワゴン「デイズ ルークス」のライダー車両にトランスポーターの特別架装を施した「デイズ ルークス ライダー トランスポーター」や、女性向けにピンクゴールドのフロントグリルやアルミホイールを装備した「デイズ ルークス ハイウェイスター アクセサライズド」を公開。

トランスポーターの特別架装を施した「デイズ ルークス ライダー トランスポーター」
モカブラウンカラーの「デイズ ルークス ハイウェイスター アクセサライズド」。おしゃれを楽しみたい子育てママさんに向けた参考出品車で、ピンクゴールドカラーのフロントグリルやアルミホイール、リボン風デザインのデコレーションストライプミラーなどを装備。インテリアでもエクステリアとコーディネートしたリボン風デザインをパワーウインドーフィニッシャーに採用している

 また、1月にビッグマイナーチェンジする予定の「エルグランド」にダーククロムフロントグリルや専用ブラックレザーシートなどの装備に加え、専用チューニングコンピューターやヤマハ製パフォーマンスダンパーで走行性能を高めた「エルグランド ライダー ハイパフォーマンススペック Black Line」、昨年12月にマイナーチェンジしたばかりの「セレナ」に存在感のあるフロントマスク、専用チューンドサスペンションやヤマハ製パフォーマンスダンパーでハンドリング性能の向上も図った「セレナ ライダー パフォーマンススペック Black Line」などオーテックジャパンが手がけたミニバンのカスタム車両も展示。

 さらに専用デザインのフロントバンパーやブルーアクセント入り専用17インチアルミホイールなどを装着するEV「リーフ」の特別仕様車「エアロスタイル」、直列4気筒DOHC 1.5リッターエンジンに5速MTを組み合わせる「マーチ NISMO S」向けエアロパーツ装着車など、見どころ満載の車両に乗り込んでじっくり見ることが可能になっている。

エルグランド ライダー ハイパフォーマンススペック Black Line
セレナ ライダー パフォーマンススペック Black Line
リーフの特別仕様車「エアロスタイル」
マーチ NISMO Sの空力性能を落とすことなくダウンフォースを高めるため、NISMOでは新たにフロントリップスポイラーとルーフスポイラーを開発。ともに4月に発売予定となっており、より高い空力性能を実現するべく、同時装着を推奨している。なお、参考出品としてドアとドアの隙間を埋めてボディー剛性を高めるというドアスタビライザーや、アウタードアハンドルの内側に装着するハンドルプロテクターといった製品も参考出品している

編集部:小林 隆