東京オートサロン2015
EV&FR化したプリウスがD1GPで初のドリフト走行!
今年のD1シリーズ戦は4月18日~19日の東京 お台場を皮切りに、全6戦を開催
(2015/1/10 01:16)
- 2015年1月9日~11日開催
1月9日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン2015 with NAPAC」。晴天に恵まれた開幕初日、「D1 GRAND PRIX SERIES(D1)」を主催するD1コーポレーションは、屋外イベントスペースに設けられた特設コースにてエキシビジョンマッチ「D1GP Kick Off Drift」を開催した。GT-RやS15シルビア、86などシリーズ戦を戦うモンスターマシンとともに会場入りした初登場のマシン「OZ MOTORS VERTEX PRIUS」が、会場に集まったファンの前でデモランを行った。
Car Watchでもすでにお伝えしたこのプリウス(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150105_682394.html)。ベースはZVW30、つまり現行型のいわゆる30プリウスだ。パワーユニットはハイブリッドではなくフロントに置かれた2機のモーターで、ドライブシャフトを介し後輪を駆動する。
開発者であるOZ MOTORS(オズモーターズ)の古川治代表は、「環境に対する意識ばかりが話題になりがちなEVは、自動車としての楽しさを語ることが少なくちょっと世間の評価が偏っている気がしていました。それゆえ、現段階では長距離走行が難しいEVでできる楽しいことは何か? と考えた末にたどり着いたのがドリフトでした。トルク特性もドリフトとマッチングがよく、走行距離が短いドリフトはピッタリだと。アメリカのドラッグレースでEVが参加していることは知っていましたが、日本には日本発祥の“D1”があるじゃないか、ということでこのチャレンジを思いついたのです」と、EV化したプリウスでD1に参加する背景を語ってくれた。
一方、D1GPでは常にトップクラスで走り続けるベテランドライバーであり、OZ MOTORS VERTEX PRIUSをドライブする上野高広氏は、何か新しいチャレンジをしたいとの思いの中で、以前よりハイブリッド車でのドリフトをしてみたいと思い描いていたそうだ。そんな2人の想いを知る、とあるメーカーの紹介によりこのプロジェクトが動き出したとのことだ。それが今からちょうど1年前。1年間の紆余曲折を経て初披露されたのが今回のプリウスという訳だ。
なぜFRなのか? なぜプリウスなのか?
その問いに古川氏が答えてくれた。「FRにしたのは、ドリフトの世界で一番オーソドックスな駆動方式だから。まずは既存のドリフト車のガソリンエンジンをモーターに置き換えてみようという発想で取り組みました。そしてその特性は違うとはいえ、やはりモーターでもドリフトに適したトルクをドライバーが選択した方がよいので、ホリンジャーのシーケンシャル6速トランスミッションを搭載しています。EVでのセッティングを進化させて行く上で別の答えがあるのかもしれませんが、まずスタートはFRで、既存のドリフトマシンのノウハウを参考にしながらスタートしたということです」「車種自体は本当は何でもよかったのかもしれません。シルビアや86も検討しましたが、爆音を響かせて走るマシンと無音で走るマシンが同じボディーだったら、やっぱり前者の方が目立っちゃいますよね。だからシルビアや86でのEV化は選ばず、世間にもっとも認知されているモーター付き自動車のプリウスを選びました」。
上野選手によると、パワーはまだまだスペック通りには出てないとのこと。また、セッティングもスタートしたばかりでこれから煮詰めていくことになるが、4月18日に行われるD1 GRAND PRIX SERIESの開幕戦(東京都・お台場NPO地区・特設コース)で行われるエキシビジョンマッチまでには仕上げて行くとの意気込みを語ってくれた。新世代ドリフトマシンの走りを生で見に行ってはいかがだろう。