東京オートサロン2015

三菱自動車、ユーザーの理想を具現化した480PSのエボX“最終進化型ストリートモデル”

クールに仕上げたコンセプトカーで魅せる三菱自動車ブース

2015年1月9日~11日開催

幕張メッセ・北ホール9にある三菱自動車ブースは赤と黒を基調としたデザイン

 三菱自動車工業は1月9日~11日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催されている「東京オートサロン 2015 with NAPAC」の会場で、北ホール9にブースを展開。ここでの一番人気は「ランサーエボリューションX Final Concept」だ。

ブース奥側のステージ上に置かれた「ランサーエボリューションX Final Concept」
マットブラックのボディーには、ドアパネル下側に「FINAL CONCEPT」の文字が刻まれている

 ベースになっているのはランサーエボリューションXのGSRグレード。5速MTモデルで公称出力は480PSである。このパワーを発生させるために三菱自動車がチョイスしたのが、アフターパーツメーカーであるHKS製のチューニングパーツだ。これについて三菱自動車の担当者からは「オートサロンはカスタムカーの祭典なので、ディーラーオプションのみを組み込んだクルマを展示しても、イベントの趣旨にあわないでしょう。それならもっと踏み込んだ内容でユーザーにアピールしたい」というコメントを聞かせてもらった。

 ひと昔前では考えられない2社によるコラボレーションだが、現在のHKSはチューニングパーツメーカーという面のほかに、天然ガス車、LPG車などのシステムを開発したり、エンジンを製作して自動車メーカーに納入するサプライヤーでもある。それだけに、製品だけでなく企業としての信頼度も高くなっているため、今回のコラボも実現したのだ。

 さて、このランサーエボリューションX Final ConceptにはHKS製の「GT IIタービン」が組み込まれ、純正仕様の300PSから480PSとなっているが、むやみにパワーを上げるだけではなく耐久性を高めることも考慮して、エンジン内部のヘッドガスケット、ピストンとコンロッドもHKS製の強化品に換えている。さらに吸気、排気系のパーツもフル交換して、それらの変更に合わせてHKSの「フラッシュエディター」というECUパーツを採用。このエンジン専用のセッティングが施されている。

「4B11」型MIVECツインスクロールターボエンジンはHKS製タービンの採用や吸排気系チューニングによって300PSから480PSに出力強化。むき出しのエアクリーナーが“いかにもチューニングカー”という雰囲気を醸し出す
ブーストコントローラーもHKSの「EVC6-IR」を使用

 足下をチェックすると、サスペンションはHKSの「ハイパーMAX IV SP」を装着し、ホイールはRAYSの「VOLK RACING G25」、タイヤは「ADVAN NEOVA AD08R」がチョイスされ、パワーを生かしたサーキット走行にも十分対応する仕上げになっている。ちなみにマットブラックの外装はカラーシートによるラッピングである。

 このように、ランサーエボリューションXに乗っているカスタム好きユーザーが求めるであろう“チューンドエボX”の姿が見事に実現されている。しつこいようだが、そんなクルマが自動車メーカーのブースに置かれているのは快挙と言ってもよいので、東京オートサロンを見に行ったときは、ぜひ三菱自動車ブースに足を運んでほしい。

マットブラックのボディーに合わせ、ホイールにはフォーミュラシルバー/ブラッククリアーのVOLK RACING G25を採用
ステアリング、シフトノブ、サイドブレーキレバー、レカロ製シートなどに赤いステッチを使用する

 ランサーエボリューションXのほかには、人気の高いアウトランダーPHEVをベースにした「アウトランダーPHEV Sports Style Edition Concept-B」も展示。マットブラックのボディー色にダーククロームのアクセントカラーを入れ、さらにフロントグリルなどにブルーのイルミネーションを用いて都会の夜をイメージした仕上げになっている。

 こちらにもHKS製の車高調整式サスキットを装着してローダウンスタイルを作る。それにRAYSの20インチホイールとトーヨータイヤ(東洋ゴム工業)の20インチタイヤを合わせて使い、スタイリッシュさに磨きを掛けている。

青く光るフロントグリルが“都会の夜”をイメージさせるアウトランダーPHEV Sports Style Edition Concept-B
ボンネットの先端に装着される「OUTLANDER」の車名エンブレムは、ベース車に特別価格で装着できるオプション品
ブラックの本革調シートカバーにもブルーのパイピングを使用

 こちらの車両は「デリカD:5 KEEN YELLOW」。SUVテイストのデリカD:5とアウトドアシューズブランドのKEENというアクティブなキャラクター同士がコラボしたのがこのクルマ。ボディーにはKEENのコーポレートカラーのイエロー+マットブラックを組み合わせたラッピングを施す。また、フロントグリル、前後バンパーアンダーカバー、18インチホイールもマットブラックに塗装して、ボディーラッピングと合わせている。加えてリアゲートに設置したラダーやルールキャリアの存在が、いっそうの「タフさ」を感じさせている。

黄色いペンキをぶちまけたような勢いを感じさせる外装の演出
車両後方にはトーイング用のヒッチメンバーも装着
オレンジ色が目に鮮やかなシートカバーはKEENの防水透湿素材「KEEN.DRY」を使っている

 続いては「eKスペース G-tone Style」をご紹介。eKスペースのGグレードをベースに「セクシー&キュート」をコンセプトに作り上げた女性向けのカスタムカーだ。エクステリアはクールなブラックマイカのボディーカラーにメッキ仕上げのドアハンドルカバーやピンクのドアミラーカバーなどをアクセントで取り入れる。さらにルーフは、通常のカラーリングの常識ではありえない千鳥格子模様になっている。これはさながら、黒い洋服をベースにしたファッションコーディネートとでもいう感じで、遊び心が詰まったボディーメイクだ。

 これをさらに引き立てるため、HKS製の車高調整式サスキットを組み込んでローダウン。アルミホイールはRAYS製の16インチで、ダンロップ製(住友ゴム工業)のタイヤと組み合わせている。インテリアもブラックとアイボリーを基調として、エクステリアにも使っている千鳥格子とピンクを用いて、女性らしさを持たせた上質感のある空間を作り出している。

「セクシー&キュート」がコンセプトのeKスペース G-tone Style
ルーフに千鳥格子模様を大胆に描き、ピンクのドアミラーカバーを差し色的に使う

 このほか、アジアクロスカントリーラリー2014に参戦したアウトランダーPHEVのラリーカー仕様車も展示。参加クラスは電気自動車クラスの「T1-E」で、ラリー用にサスペンションとタイヤ変更するだけでなく、駆動用バッテリーの搭載位置も変更して地上高をアップしてある。また、こうしたボディーとサスペンションのバランス変更に合わせ、車両運動統合システム「S-AWC」についても制御内容を変更。これによって旋回性やトラクション性能がラリー向きのセッティングになっている。

 PHEVシステムも競技走行という連続する高負荷に対応させるため、積極的に発電し、走行中に電気の力を有効に使えるような制御が与えられている。こういった部分は外観からは分からないが、PHEVのスポーツ走行仕様という“これからのチューンドシステム”を搭載している1台ということで、これもぜひ興味を持って見てほしいクルマだ。

 なお、三菱自動車ブースではオリジナルグッズの販売コーナーも用意されている。ウェア類からカップなどの小物まで取りそろえ、さらにお買い得な福袋も用意されているので、こちらにも立ち寄るとよいだろう。

アウトランダーPHEV アジアクロスカントリーラリー2014参戦車(T1-E仕様)
さまざまな三菱自動車グッズが手に入る販売コーナー。新年が明けたばかりということで、福袋まで用意されている

深田昌之