オート上海2015

日産、中国の若者層向けの中型セダン「ラニア」をワールドプレミア

フラグシップSUV「ムラーノ」にハイブリッドモデルを設定

開期:2015年4月20日~29日

会場:中国 上海市 National Exhibition and Convention Center(Shanghai)

プレスカンファレンス後のフォトセッションに応じるカルロス・ゴーンCEOと現地役員

 日産自動車は、上海モーターショーで中国市場向けの新型「ラニア」と「ムラーノ ハイブリッド」のワールドプレミアを行った。

 新型ラニアは、2013年の上海モーターショーでコンセプトカー「フレンド・ミー」として公開されたモデルのデザインがベースとなっている。2014年の北京モーターショーでは「ラニア・コンセプト」が発表されていて、今回の上海モーターショーではその市販車版がお披露目された。

プレスカンファレンスで新型ラニアを発表した日産自動車のカルロス・ゴーンCEO。「2015年の中国国内での販売台数は130万台を目標にしている」と語っていた

 新型ラニアは、中国の新世代と呼ばれる1980年代から1990年代生まれの若者をターゲットにしたモデル。デザインや企画は中国のデザインセンターが担当し、どのように見せれば若者に受け入れられるのか、そしてカッコよく見えるのかを最大限に考慮している。

 エクステリアデザインは、日産の統一デザインとされているVモーショングリルやブーメランシェイプのLEDランプ、フローティングルーフなどを採用しながらも独自性のあるルーフやウインドー形状を用いていて、特徴のある出で立ちとなっている。シャシーなどのベースとなっているのは2012年から発売が始まっている「シルフィ」だが、全高を下げたことでスポーティなシルエットを作り上げている。

 若者層をターゲットにしていることから、スマートフォンと接続可能な先進のオーディオシステム、7インチのマルチメディアディスプレイなども採用されている。これらのカーコネクティビティも中国独自に開発されたもので、使い勝手を重視している。

新型「ラニア」は中国の若者層向けに中国のスタッフがデザインと企画を行ったモデル

 一方のムラーノ ハイブリッドは、2014年から北米で発売が始まった3代目ムラーノがベース。搭載されるハイブリッドユニットは、直列4気筒スーパーチャージャー「QR25DER」になる。日産・インテリジェント・デュアルクラッチ・システムと呼ばれるこのユニットは、1つのモーターに2つのクラッチが装備されたタイプ。低中速域はモーターが出力を補い、高負荷時はスーパーチャージャーが過給を行ってパワーを絞り出す。パワフルでドライバビリティに優れたユニットだが、環境性能は2.0リッターのガソリンエンジン並みとなっている。

 新型ムラーノ ハイブリッドは今夏の発売を予定する。

フラグシップSUVのムラーノにハイブリッドユニットが装備された
日産は中国にもNISMOバージョンの導入をすることになった。価格はGT-R NISMOが64万5000元、370Z NISMOが23万5000元と発表されている

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。