CES 2018

【CES 2018】ローム、指に装着する血圧測定ソリューションなども展示

自動車関連以外の展示を紹介

ロームが「CES 2018」で展示した血圧センサ。これはモックアップだが、このサイズにバッテリーまで実装できるという

 米国ネバダ州ラスベガスで開催された「CES 2018」において、ロームは同社の持つ各種ソリューションを展示している。同社が得意とする自動車関連のソリューションが多い(関連記事:ローム、フォーミュラE用のSiCレーシングインバータを展示)が、自動車関連ではない、ロームならではのユニークなセンシング技術も展示されていた。

 たとえばローム独自のリアルタイム血圧測定のソリューションも展示されている。これは手の指に装着して血圧を測定するというもの。指の血流から脈波の正確な波形を測定し、この波形から専用のアルゴリズムで血圧状態を推定するという仕組みだ。血圧の測定には脈波の波形の正確さが必要で、そのロームの開発した計測ユニットで必要な正確性を確保している。

より正確な波形を捉えることがポイントとなっている

 通常の血圧計は腕に巻いたカフに圧力をかけ、血流が止まった瞬間の圧力を数値としている。圧力をかけられるカフが必要なので小型化には限界があり、1回の測定あたり1分程度の時間もかかってしまう。それに対してロームのソリューションでは、指先に装着も可能なサイズで、リアルタイムの血圧を計測することが可能となる。また、圧力をかけるための電力が必要な通常の血圧系に対し、より低電力で動かせるため、ウェアラブルデバイスなどへも応用しやすい特徴を持っている。

 ロームではこのセンサを使った最終製品を提供するのではなく、この血圧測定ソリューションの他社への販売を行なう。ほかの機器と組み合わせたり、別の用途で使うなど、ロームが思いもしないようなアイディアのIoT製品に採用される可能性もあるので、まずはさまざまな人に見てもらうために、今回のCESで展示を行なっているというわけだ。

ロームによる土壌センサシステム。こちらもユニークなIoT製品に使えそうなソリューションだ
ローム子会社のKionixによるBluetoothセンサモジュール。IoT機器の開発者向け製品

白根雅彦