GTC 2016

GPUの能力で雪道走行可能な自動運転車“Snowtonomy”を開発するフォード

2016年4月4日~7日(現地時間) 開催

San Jose McEnery Convention Center

フォードが開発する雪道走行可能な自動運転車“Snowtonomy”

 NVIDIAが主催するGPUソフトウェア開発者向け会議「GPU Technology Conference 2016」(以下、GTC 2016)には、さまざまなセッションが用意されており、その中には自動車メーカーによるセッションも存在する。

 本記事で紹介するのは、フォードが開発する自動運転車“Snowtonomy”になる。フォードによると、米国では多くの人が雪道を運転する機会があるという。“Snowtonomy”では雪道の自動運転を目的とし、3Dマップを使うことで位置を特定、GPUによってリアルタイム演算をしている。

 フォードの自動運転車は、Velodyne製の全方位LiDARを4基搭載するほかGPSやイメージングユニットによって周囲の3Dマップを生成。これらと道路地図を比較することで位置を割り出すほか、画像の混合ガウス演算によってその画像の特徴を把握し、天候要因などに対応している。

米国において雪道運転が必要になる人数
“Snowtonomy”について
車両に搭載するVelodyne製の全方位LiDAR
位置決めの方法
フォードの自動運転研究の歴史
地図のマッチングによる位置決め
混合ガウス演算した地図

 この画像の混合ガウス演算に必要な計算量が多く、GPUによってのスピードアップが図れる。1個のCPUの演算能力を1とした場合、2個では2.1倍、ダウンサンプルしたものを持ちいたCPU 2個では16倍となるが、GPUを用いることで70.5倍の処理を実現。これによってリアルタイム演算を実施しているとした。

GPUによる高速化割合。これによりリアルタイム演算を可能としている

 なお、フォードは雪道による自動運転のテスト映像を公開している。これを見ることでどのような3Dマップが生成されているのか、どのような動きをするのかを理解することができるだろう。

Ford’s Industry first autonomous vehicle tests in snow

編集部:谷川 潔

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