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自動車とディープラーニングの未来が見える「GTC 2016」で注目したいフアンCEOの革ジャン

4月4日~7日開催、NVIDIA 社長兼CEO ジェンスン・フアン氏が語る新作革ジャン投入期

2016年4月4日(現地時間) 発表予定

2016年のCESで自動運転とディープラーニングについて語るNVIDIA 社長兼CEO ジェンスン・フアン氏

 半導体メーカーであるNVIDIA。PC&IT業界ではビッグネームの企業だが、アウディやフォルクスワーゲン、本田技研工業のクルマへの採用例も増えるなど、クルマ業界でも名前を聞くことが多くなった。

 そのNVIDIAの共同創始者にして社長兼CEOのジェンスン・フアン氏は、小さなチップメーカーとしてスタートしたベンチャー企業を、今や世界的な半導体メーカーに育て上げた経営者だ。

 フアン氏は今でも、NVIDIAが開催する記者会見や記者説明会、講演などにも積極的に登場し、自らの口で記者や聴衆に向かって語りかけるため、同氏のファン(別に洒落ではない……)という人が業界内に非常に多いという希有な経営者でもある。

 さて、そのフアン氏。ここ最近の記者会見や同社の自社イベントであるGTCの基調講演などに、毎回黒い革ジャンで登場するということが、一部で話題だ。ある記者は「去年の写真使い回せるんじゃね?」(えーと、ダメですからね……)という冗談の対象になるなど、すっかりフアン氏=黒い革ジャンというイメージが定着している。

 そこで、PC業界の記者としてNVIDIAを追いかけて十数年近くになる筆者が、そのフアン氏のファッションの変遷を振り返りながら、フアン氏に本当のところを直撃してきたレポートをお届けしたい。

調べて見たら、黒い革ジャンと黒いシャツが多かったフアン氏のファッション

 確かに言われてみたら、最近のフアン氏は黒い革ジャンばかりだ。2016年の1月のCESの記者会見に登壇したときも黒い革ジャンで、既視感があった。そこで、真剣に筆者のPCのハードディスクに残っていたここ10年の写真を見直してみたところ、フアン氏のファッションは以下のようであったと判明した。

2016年CES NVIDIA記者会見でのフアン氏
2015年GTC基調講演でのフアン氏。後半は革ジャンを脱ぎ捨てポロシャツ姿に、やはり黒だ……
2015年CES NVIDIA記者会見でのフアン氏、この時はずっと黒の革ジャンのままだった
2014年GTC基調講演でのフアン氏、この時は最初から最後まで紺色のポロシャツだった……
筆者のHDDにあった写真で最初にフアン氏が革ジャンをまとっていたのが2014年のCES NVIDIA記者会見。後半は革ジャンを脱いで、紺のポロシャツに……
2013年GTC基調講演でのフアン氏、この時は革かどうかは確認できないジャンパーだった。緑のストライプ入り
2013年CES NVIDIA記者会見でのフアン氏、GTC2013と同じようなジャンパーに見えるが、ストライプが赤という微妙な違いが……
2012年CES NVIDIA記者会見でのフアン氏。黒のポロシャツを着用
2011年CES NVIDIA記者会見でのフアン氏、黒のポロシャツを着用
2010年GTC基調講演でのフアン氏、黒のポロシャツを着用
2009年GTC基調講演でのフアン氏、黒のポロシャツを着用
2008年のNVISION基調講演でのフアン氏、貴重なグレーのTシャツ姿
2006年米国での記者説明会でのフアン氏、最近見た記憶がない白いYシャツ姿

 ここ数年ずっとそうだったので、フアン氏と言えば黒い革ジャンというイメージだったが、実は革ジャンだったのはここ3年だと分かった。ここ数年、筆者はフアン氏の講演を、1月に行なわれるCESでの記者会見、3月~4月に行なわれるNVIDIAの技術イベントGTCと年に2回聞いているが、2014年CES以来5回あった機会(14年CES、14年GTC、15年CES、15年GTC、16年CES)のうち、2014年のGTCを除く4回が黒い革ジャンだった。

 その前の年になる2013年のCESとGTCでは、黒いジャンバーではあったが、革ジャンではなく、赤(CES)と緑(GTC)のストライプが入ったジャンバーだった。それ以前は、2009年~2012年の記者会見やイベントの基調講演では黒いポロシャツが定番になっていた。

 つまり、2013年を境にして、それ以前が黒いポロシャツ期、2014年以降が黒の革ジャン期に分類することができるだろう。

筆者分析によるフアン氏のファッション
開催年イベント名季節特記事項流行
2016年CES記者会見革ジャン(黒)-革ジャン期
2015年GTC基調講演革ジャン(黒)途中でポロシャツに
2015年CES記者会見革ジャン(黒)-
2014年GTC基調講演ポロシャツ(紺)-
2014年CES記者会見革ジャン(黒)途中でポロシャツに
2013年GTC基調講演緑ストライプ入りジャケット(黒)途中でポロシャツにストライプ期
2013年CES記者会見赤ストライプ入りジャケット(黒)-
2012年CES記者会見ポロシャツ(黒)-ポロシャツ期
2011年CES記者会見ポロシャツ(黒)-
2010年GTC基調講演ポロシャツ(黒)-
2010年GTC基調講演ポロシャツ(黒)-
2008年NVISION基調講演Tシャツ(グレー)-Tシャツ/ワイシャツ期?
2006年記者説明会Yシャツ(白)-

 どうも、これを見る限りフアン氏は黒い服が好きなようだが、実はNVIDIAがギブアウェイとしてPCゲーマーなどに配っているTシャツも黒ベースが多く、それもフアン氏の意向が反映されているのだろうか(本当のところは不明だ)。

直接フアン氏に聞いてみた

 さて、こういう状況だと把握したので、あとはフアン氏本人に確認するだけだ。1月にCESの取材でフアン氏のグループインタビューが行われたときに、インタビュー終了後の雑談タイムに聞いてみた。なお、もちろん会話は英語で行なわれたが、以下は筆者の“意訳”でお届けしたい……。

筆者:聞きにくい質問なんですけどいいですか?
フアン氏:もちろんだよ、何でも聞いてくれ(フアン氏いい人だ……)。
筆者:あのですね、日本の一部の関係者の間で、フアン氏の革ジャンが話題になってるんですよ……。
フアン氏:え、なんだって?
筆者:革ジャンです……。いつも同じじゃないかという噂が……。
フアン氏:そんなことはない、ちゃんと毎年新しくしているんだよ、今年はGTCでね……それがうちのロードマップだ(キリッ)。
筆者:……え”?w
(一部筆者の記憶に曖昧なところがあるところがあることはお断りしておく…)

 ということで、フアン氏の答えは決していつも同じではなくて、ちゃんと毎年新しくなっているというものだった。しかも、次の更新は、4月4日~7日(現地時間)に米国カリフォルニア州サンノゼ市のSan Jose Convention Centerで行なわれる「GTC 2016」になる。

 GTCは、元々はPC用のグラフィックスチップであるGPU向けのソフトウェアを開発するソフトウェア開発者を対象としたイベントとして始まったが、近年は自動車やディープラーニングなどのセッションが多く、自動車業界にとっても要注目のイベントとなっている。もちろん、フアン氏の基調講演も4月5日に予定されているほか、4月7日にはトヨタリサーチのギル・パラット氏による基調講演も用意されているなど、自動車関連の話題も多数出そうだ。Car WatchではこのGTC 2016を取材する予定になっており、フアン氏の革ジャンがどうなるかもしっかり取材していきたい。

 最後に一言。そんな企画記事にはだまされないぞと思った読者の方もいらっしゃるかもしれないが、これはエイプリルフールの記事ではないとお断りしておく。それではGTC 2016レポートでお会いしよう!