NVIDIA「GPU Technology Conference 2018」

【GTC 2018】NVIDIA、2P(ペタ)FLOPSの性能持つスパコン「DGX-2」発表。最大16基のTesla V100 32GB版を搭載。半年で性能を10倍に

ジェンスン・フアン CEO基調講演より

2018年3月26日~29日(現地時間)開催

San Jose McEnery Convention Center

NVIDIA ジェンスン・フアン CEOと、2P(ペタ)FLOPSの性能持つスパコン「DGX-2」(右)。左はDGX-2に搭載されるTesla V100 32GB GPUを8基搭載するラック。DGX-2はこのラックを2つ組み込んでいる

 自動運転やAI(人工知能)向けの半導体&ソリューションメーカーであるNVIDIAは、3月26日~29日(現地時間、以下同)の4日間にわたり、米国 カリフォルニア州サンノゼ市の「San Jose McEnery Convention Center」において同社製品に関する技術カンファレンス「GPU Technology Conference 2018」(以下、GTC 2018)を開催している。

 2日目のハイライトとなるNVIDIA ジェンスン・フアン CEOの基調講演において、メモリを16GBから倍に増やしたTesla V100 32GB GPUを発表。さらにそのTesla V100 32GB GPUを最大16基搭載するスーパーコンピュータ NVIDIA DGX-2も発表した。

スーパーコンピュータ NVIDIA DGX-2
Tesla V100 32GB GPUを8基搭載するラック
Tesla V100 32GB GPUそれぞれにヒートシンクを備える
NVIDIAのAIプラットフォームについて解説するジェンスン・フアン CEO
Tesla V100 32GB GPUを発表
このような製品が求められる背景には、カンブリア爆発のように爆発的にディープラーニングの種類や深さが増えていることがあるという
NVSwitchの解説
NVSwitchの構成
DGX-2の構成。上下2ラック構成、冷却フローも考慮されている
性能表記
価格は150万ドル……
ではなく、39万9000ドル

 Tesla V100 32GB GPUを最大の16基搭載した際の性能は、メモリ512GBとなりNVSwitchによって14.4TB/sの速度で通信可能。CUDAコアは8万1920となり、2000TFLOPS、つまり1台のユニットで2P(ペタ)FLOPSの性能を持つという。消費電力は10kWで、デュアルCPUを持つ300台のクラスターと比べた場合1/18の消費電力で済み、価格も300万ドルから39万9000ドルへと1/8に。必要な空間も1/60になるとする。

 ディープラーニング性能でも、これまでNVIDIAのトップだったDGX-1と比べて半年で10倍になったこととなり、5年前のGTX 580×2枚と比べた場合500倍の性能に達する。

性能は6カ月で10倍に向上
5年前と比べて100倍に達する
同等の性能のデュアルCPUを持つ300台のクラスターと比べ、コストは1/8、場所は1/60、消費電力は1/18
NVIDIAのブースに展示されたDGX-2
DGX-2の背面
背面下部のスロットまわり。6基の電源があることが分かる
DGX-2のコンストラクション。左が前面。上段のラックを後方へスライドさせている
ラック内には8基のGPUが収まる
GPUの展示
GPUまわりのヒートシンク
こちらは後方側。銅製のヒートシンクが装着されている
こちらは前方。多数のファンが収まる
左が前面。ケースとの間に隙間があり、ここから風を取り入れている
DGX-2と同時に展示されていたDGX-1。以前は巨大に見えたが、DGX-2を見た後ではコンパクトにすら思えてしまうのが不思議

編集部:谷川 潔