NVIDIA「GPU Technology Conference 2018」
【GTC 2018】NVIDIA、自動運転車の開発テスト環境「NVIDIA DRIVE Constellation」。フォトリアルなバーチャル空間で、数十億マイルのテスト走行
DRIVE Pegasus+カメラ、LiDAR、レーダーなどシミュレート
2018年3月28日 21:04
- 2018年3月26日~29日(現地時間)開催
- San Jose McEnery Convention Center
自動運転やAI(人工知能)向けの半導体&ソリューションメーカーであるNVIDIAは、3月26日~29日(現地時間、以下同)の4日間にわたり、米国 カリフォルニア州サンノゼ市の「San Jose McEnery Convention Center」において同社製品に関する技術カンファレンス「GPU Technology Conference 2018」(以下、GTC 2018)を開催している。
27日に行なわれたNVIDIA ジェンスン・フアン CEOの基調講演で披露されたのが、自動運転車の開発テスト環境「NVIDIA DRIVE Constellation」。これは2台のサーバーを用いることで実現する開発テスト環境で、1つのサーバーでNVIDIA DRIVE Simソフトウェアを実行し、現実世界をシナリオに沿ってシミュレート。カメラに入る映像、レーダーやLiDARに入る信号のシミュレーションも行なう。もう1つのサーバーでは、NVIDIAのDRIVE AIコンピュータであるDRIVE Pegasusの実行を行ない、現実世界をシミュレートした結果を入力。DRIVE Pegasus搭載自動運転車で、バーチャル空間を走ることができるというものだ。
ジェンスン・フアン CEOによるデモ映像を見てもらえれば分かるが、正面映像、サイドミラー下部カメラ用映像、後方映像の4つの映像が高いクオリティで生成されている。これらの映像データをDRIVE Pegasus搭載自動運転車に入力、認識された結果が次の映像となる。
バーチャルに生成された空間を、バーチャルなクルマが自動運転で走り、実世界と同様に認識。DRIVE Pegasus搭載自動運転車は、シナリオに沿ってバーチャル空間を走り続けることができるわけだ。
これにより、自動運転車開発に必要な検証走行を24時間365日いつでも行なえるようになる。ジェンスン・フアン CEOは数十億マイルと表現していたが、足りなければサーバーの台数を増やせばよいことになる。なにより、現実空間ではさまざまな理由により難しい、事故につながるようなレアケースのシナリオでのテストも可能。より安全なクルマの開発には、危険なケースでのテストが必要なだけに、基本部分のテストは仮想空間で終わらせることができる。
天候条件についても、暴風雨や吹雪などの異常な天候、日中のさまざまな時間帯のまぶしい太陽光、夜間における限定された視界が再現できるとしており、いざというときに自分たちが作った自動運転車がどのように反応するかということを確認できる。AIシステムでは実行だけでなく学習も必要となるが、学習の部分にも利用していけるだろう。